村尾准教授も石井らの協力者とは気付かなかった祥子は新理事長に就任した。
学園の立て直しに新な気持ちで相変わらずパンツスーツに身を包んで3月のキャンパス内を闊歩していた。
入学式を控えた春休み。
女子学生の姿は少なかった。
(随分と様子が変わったものね。)
前理事長たちの放漫経営を攻め立てると予想外に彼らは平服し祥子の理事長に賛成したのだった。
経済学部の新規募集はしなかった。
「君たち、これ以上の留年は認められませんから今度単位が取れなければ退学してもらいますよ。」
そんな祥子に放蕩学生達は祥子の全身をなめ直すように見つめ嫌らしい嘲笑を浴びせていた。
「相変わらず生意気な先公だぜ。糞をひり出しているケツの穴までみんなに見られているとも知らずに呆れるぜ。
今年はもっと恥ずかしい目に合わせてやるぜ。偉そう吠えているのも今の内だ。」
立ち去る祥子の小ぶりだが未だ垂れていない尻を眺めてそう言った。
祥子の回りには信用出来る人材はいなかった。教授も続けることにした。
従って細かい経営状況まで目が届かなかった。あの平服した今は理事に降格した彼らも今は頑張ってくれるものと信じるしかなかった。
「祥子さん、大変そうですね。」
そんな祥子に智子は労いの言葉を掛けた。
「あまりにも早急で、、それに職員の人達を信用できなくて。」
経営祝勝のため早期退職者を募ったのだが予想外に真面目な人材が辞めてしまった。
多額の退職金を渡して彼らを退職させたのも彼らだったが祥子は知らなかった。
いつの間にか職員も教授たちも二人を除いて男性だけになっていた。
祥子に彼らの裏切り行為を知られないため智子も大きな役割を担っていたことも祥子は知らなかった。
「少しでも祥子さんのお役に立てれば。」
そう言って監査のような仕事を受け持つようになった。
経理を主体にその他にも不正が無いか監視して欲しいと祥子は言った。
四月から入学予定の女子の家庭には詫び状が送られていたことも祥子は知らなかった。
学園でスキャンダルが発覚しいずれ公になるから入学を辞退して欲しいと。
新入生の不足を補うため不合格となった男子には別の案内状が送られていた。
入学金を免除するので面接に来て欲しいと言う内容だった。
特に親も見放すような不良生徒が選ばれた。
まさか家の子供が、、そう思った親は喜んだ。
就職にもありつけなかった生徒達は総勢200名大挙して面接にやって来た。
「何なの、あの人達。」
何も知らない祥子は彼らを見て職員に言った。
「実は大量の入学辞退が出まして、」
職員は説明した。
「でもよりによってあんな不良見たいな人を入れるなんて。私が反対します。理事長の権限で。」
「そんな大学があるのかよ。素っ裸で女の教授が授業するなんて。」
「しかも理事なんですよ。准教授もいい女ですよ。
「大学の先公なら婆あだろうが。」
「全裸授業が実現出来なかった時は授業料も免除しますよ。」
「婆あの裸見たくないがそれなら話しは別だ。」
「まあ、そう婆あ婆あって言わずに40才と42才ですよ。」
「お袋と変わらないじゃないか。」
「まあ、そう言わずに、もうすぐ見れますよ。」
実物が見れるとあって不良たちは品定めのため全員行動に集められた。
「准教授の村尾智子と申します。」
壇上で挨拶する村尾を見て思わぬ美女の登場に驚いた。
勉強ばっかりしてきたであろう自分たちとは全くの反対のエリートにこんな美人がいるとは思っていなかったのだ。
エリートらしく少しだけ短いミニのスーツに身を包んで村尾は続けた。
「智子って四月から呼んで下さい。今は偉そうにこんなスーツを着ていますが4月からは皆様とは素っ裸で接します。どう?智子の
品定め済みまして?」
「素っ裸になって見せろよ。」
「ここで裸を見せたら満足して入学してくれないかも知れませんわ。ですからどうか入学の手続きをお願いしますわ。
4月からは理事長にも因果を含ませてこの学園も新たな道を皆様と共に歩んで行く方針です。
素っ裸の准教授の村尾智子をどうぞよろしく。」
そこへ祥子が飛び込んできた。
「オオ、理事長もいい女じゃないか。」
「早く脱げよ。」
「あなた達、なんですか?神聖な学園で。皆さんのような生徒は理事長の権限で一切認めません。」
「話が違うじゃないか、カス。」
生徒達の怒号の中スーツ姿で理事長の威厳を失わず立つ祥子。
そんな時、職員の一人が駆け付けた。
「理事著、大変です。マスコミが騒いでいます。大スキャンダルです。我が学園の。」
「どうしたって言うの?」
「村尾准教授が、、アダルトビデオに、、、」
(祥子さん、ごめんなさい。こうなったら二人で墜ちましょ。)
「本当かよ、村尾、いいぞ。」
騒然とする中、祥子は職員に抱えられ壇上から降ろされた。
「理事長取り敢えず戻りましょう。」
立ち去る祥子の後ろ姿に罵声が浴びせられる。
「自分の学園のスキャンダルを見逃すなんて情けない理事長ですなあ。さあマスコミが待ってますよ。」
「そうだ、、4月から楽しみにしてるぜ、理事長。全裸授業。」
あまりの突然の出来事に祥子はどうしていいか分からなかった。
信頼していた智子に裏切られ今は前理事長たちにすがる思いだった
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