どうやら今夜、私と奈津子さんが裸体を晒されるのは避けられないみたいです。
二組の夫婦で一緒に、と言われた時点で、それは覚悟していました。
でも、見られるだけで済むのか..。
海で若者達から身体を触られ掛けた時の、あの恐怖が甦ります。
あと時は、手首を握られ、腰に手が掛けられたくらいでしたが、私は腰を抜かしました。
それが、奈津子さんの旦那さんから、肌を撫で回されたら..。
いえ、そのくらいで済む訳がありません。
乳を揉まれ、下の方まで..。
もしかしたら、相手を替えて最後まで..。
そう思うと、本当に涙が出そうになりました。
そんな時です。
奈津子さんが、いきなり立ち上がって隣の部屋に駆け込みました。
「おい、どうした?」
旦那さんが慌てて後を追います。
隣の部屋から、奈津子さんの啜り泣き、旦那さんのなだめる声が聞こえてきます。
やっぱり奈津子さんは、これからの事が耐えきれずに泣き出してしまったんです。
私だって、もう涙が出る寸前でした。
しばらくして、旦那さんだけ戻ってくると、今度は夫とこそこそと話始めました。
「ええ、それは仕方ないですね。」
「良いんじゃないですか。それで..」
「ちょっと可哀想ですが..」
しきりに夫が相槌をうっていますが、会話の内容までは聞き取れません。
何を相談してるのだろう?
仕方ない?
泣いても、ここまで来ているんだから仕方ない。
無理やりにでも、過酷な事をさせよう..でしょうか?
可哀想ですが?
やっぱり、泣いてもされるんだ..。
私は、悪い方へ悪い方へと想像が広がっていきました。
しばらくすると、奈美子さんと旦那さんを残したまま、夫は私を連れて混浴の大浴場へと向かいました。
混浴も私は初めてです。
雑誌等では、殆どの客は年配者で、それも夫婦やカップルが多いから、女性同士で入っても、そんなに恐くはないと書かれていました。
それでも、私は身がすくむ思いでした。
しかし、私には夫がいました。
私に無遠慮に近寄ってくる単独の男性は、夫のきつい一睨みを受けて、すごすごと退いて行きます。
裸体を見られるのは恥ずかしいかったですが、私を庇ってくれる夫の存在は、妻としてとても嬉しいものでした。
やがて夫は、二人だけでゆっくりお湯に浸かれる所を見つけると、そこで私にソバニ来るように言いました。
「お前、あのご夫婦と一緒で、恐かったのか?」
当たり前です!と答えようとしたけど、やはりトーンを落として言いました。
「あちらの旦那さん、悪い人じゃないと思うけど..」
すると夫は、やっぱりそうか..と言うと、今度は私の目を見てこう言いました。
「今晩、スワッピングは絶対にしない。
それは、あちらも承知した。」
えっ?
では、さっきの二人での話って、それの事だったんですか?
「しかし、お前も妻として、俺達に男として少しは楽しませてくれ。
あちらの旦那さんに抱かせることは絶対にしないから、あちらの奥さんと一緒に裸を見せてくれ。」
夫がやる気になれば、どこまでも無理やりにすることは、私は十分に分かっています。
それが、今言葉で約束してくれたのなら..。
私は夫を信じる事にしました。
やがてあの離れに戻ると、奈美子さん達も離れについている小さな露天風呂からあがっていました。
「奥さん..、さっきは私、取り乱してごめんなさい..」
「気にしないでくださいな。
私だって、泣きかけてたんですから。」
やがて部屋に夕食が運ばれてきました。
大変なご馳走です。
「さあ、まずは皆で食べよう!」
奈美子さんも私も、元気を取り戻しました。
美味しいお料理をいただいた後、お料理のお膳を片付けると、夫と旦那さんの前にはお酒が置かれます。
夫から言われて、私は浴衣を脱ぎました。
下はパンティー一枚です。
奈美子さんの旦那さんが、生唾を呑むような顔をして、見てくれています。
やがて、旦那さんから促されて、奈美子さんも浴衣を脱ぎました。
娘さんのだって言ってた真っ白なパンツが、不思議と似合ってみえます。
私と奈美子さんは、パンツ一枚で、各々夫にお酌をしました。
裸でのお酌は、家でも普通の事ですけど、今は同年輩のご夫婦と見せ合っているんです。
恥ずかしいと思うと同時に、あちらのご夫婦が気になります。
奈美子さんも、旦那さんも、やはり私と夫が気になるようで、チラチラと視線を交わしました。
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