離れの建物までは、本館から渡り廊下で行きますが、回りを塀に囲まれて独立した中に、露天風呂や庭まであるんです。
かなり宿泊費も掛かっている筈ですが、夫達が今晩、私達女を徹底的に楽しもうとする意欲が伝わってきました。
夫達はさっそく服を脱ぎ、浴衣に着替えます。私達女は各々夫の着替えを手伝いましたが、自分が着替えるのは...。
浴衣姿になって、ゆったりと座椅子に座ってお茶を飲みながら、私達女をじっと見ている夫達の視線が気になって、いえ恐くても服を脱げません。
奈津子さんと時々視線を交わしながら、どうしたものかと悩んでいると、奈津子さんの旦那さんが立ち上がりました。
「着替えないのか?」
「あ、はい..。」
「分かってるだろ?」
「....」
奈津子さんは素直な奥さんのようです。
ため息を一つつくと、諦めたように着ていたワンピースを脱ぎ始めました。
ワンピースの下は、古風なスリップですが、その白さが奈津子さんの控えめな人柄を表しているようでした。
奈津子さんは、スリップの上から浴衣に羽織ろうとしましたが、やはり旦那さんから止められました。
奈津子はもう一度ため息をつくと、壁の方を向いてスリップの肩紐を外します。
ストンと畳の上にスリップが落ち、そこにはそれも清楚な白のブラとショーツだけになった奈津子さんの背中が見えました。
考えてみたら、私の今の職場でも、滅多に女性の着替えは見る機会がありません。
同性の下着姿を見るのは久しぶりなんです。
つい私まで、じっと奈津子さんの裸の背中を見つめてしまいました。
正直言えば、とてもスタイルが良いと言う訳ではありませんでした。
私もですが、日本人の熟年女性にありがちな、ちょっと肉が着いた、太ったまではいかないしろ、ぽちゃといた印象の体型です。
白いショーツに包まれたお尻は重量感があるし、そこから伸びる両足も、あまり長くスマートではありません。
不謹慎にも私は、私の方が奈津子さんよりきれいかも..、と思ってしまいました。
座椅子に座っている夫が、じっと奈津子さんを見ているのに気がつきました。
まあ!
他所の奥さんに...、ってちょっと腹が立ったんですが、そんな私もバカでした。
私も、奈津子さんが脱いでる時に、一緒に脱いでさっさと浴衣に着替えるべきだったんです。
奈津子さんが浴衣を羽織ってしまって、自分の旦那さんの横に座ると、今度は私が夫から
「今度はお前だ。
さあ、脱いで。」
と言われたんです。
はっと気がつくと、私一人が、テーブルのところに座る浴衣姿の3人から、じっと見られてる状態になっていました。
奈津子さんが着替を見せたのに、私は別室で..なんて夫が許してくれないのは分かっています。
でも私は、夫に赦しを乞う視線を投げ掛けました。
やはり無駄でした。
夫は「早く脱げ」と促すように、ちょっと顎を上げただけでした。
上着を脱ぎハンガーに掛けました。
膝丈のスカートと白いブラウス。
下にパンストまで穿いてます。
場違いのこんな固い感じ服装なんか、しなかったら良かったのに。
今になっては、それを脱ぐのを見られる羞恥が強くなるだけでした。
私はスカートのサイドホックを外すのに、壁をの方を向きました。
その時夫から、
「こっちを向いて脱がないか!」
と叱られたんです。
さっき、奈津子さんが脱ぐときは、壁の方を向いてたのに..。
そう思いましたが、夫にそんな不平を言える立場の私ではありません。
もう、さっさと脱いで着替えるだけ。
そう自分に言い聞かせて、三人の方を向くとスカートを下ろしました。
脱いだスカートを掛けながら、夫と旦那さんの視線が私の下半身に刺さるのが分かります。
いえ、視界の隅で、奈津子さんも顔を伏せていながら、遠慮がちですが私を見ているのが分かりました。
ブラウスの下はパンスト。
情けない格好です。
一瞬、私はブラウスを先に脱ぐべきか、パンストを先に下ろすかを迷いました。
普段なら、ブラウスを先に脱いで、それからパンストを下ろします。
でも、それでは上半身が短いキャミソールだけの姿を、長い時間晒すことになる..。
それより先にパンストを..。
そう思ったんです。
後で奈津子さんと二人、真っ裸にされて、死にたいくらい恥ずかしい格好をさせられたのに比べたら、本当に小さい事で迷ったものです。
もちろん、ブラウスも脱いで浴衣を着たあと、パンストを脱ぐと言う順番もあるんですが、そんな不粋な事をしたら、夫が怒ることは目に見えていました。
結局私は、先パンストを下ろしました。
脱いだパンストも、男の人から見られたくないものです。
直ぐに丸めて隠すように床に置き、私はブラウスのボタンを上から外していきます。
その日の私の下着は、黒のアクセントが入った、赤いの薄手のキャミソール、ブラ、ショーツのセットでした。
奈津子さんの旦那さんが、ほう!と感心したような声を出しました。
奈津子さんが清純な白だったのに対して、私の方がいかにも性的な経験を積んでるかのような印象に思われてしまう。
私はこの下着を選んだ夫を、ちょっと恨みました。
私もキャミソールまで脱ぐと、素早く浴衣を羽織りました。
ほっとして私も座椅子に座ると、奈津子さんがお茶を入れてくれました。
フロントのところでは、真っ青になってた奈津子さんの顔が、今はちょっと赤くなっているように見えました。
そう言えば、私も顔が熱く感じます。
まさか、私も興奮してるの?
恥ずかしいのよ。
嫌なのよ、こんな事!
出来れば、今からでも帰りたいの。
他人様ご夫婦に、下着姿を見られただけで、とっても恥ずかしかったわ。
私、露出趣味なんか無いの。
海でこの事、本当に恥ずかしくて、恐かったんだから。
心の中で、自分で自分に、そう言い聞かせました。
でも、わざと言い落としているんです。
私は夫から無理な命令されるの、本当は好きなの..、って事をです。
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