駅近くのコインパーキングに停めて駅構内にいる。
「あなた...」
「どうした?」
「あの。お財布も何も持ってきてなくて...」
「ああ。急だったからな」
伸雄が財布をバッグから取り出そうとする。
「部長。私が誘ったので出しますよ」
山寺が言う。
「すまんな」
「部長と雪菜ちゃんは窓口へ、私達は券売機でも大丈夫なので」
伸雄と雪菜は窓口の列に並んだ。
「雪江さん。これ入場券」
「ありがとうございます」
「あれっ。お辞儀しないとダメじゃない」
「えっ」
「この前みたいに...」
「でも主人と雪菜が...」
「まだ窓口に並んでるから大丈夫だよ」
雪江は二人に深々とお辞儀した。
山寺と坂上は丸見えな胸を見てニヤニヤしている。
後方の通行人達は足を止めて、お尻とマ○コ丸出しの雪江を見ていた。
「奥さん顔をあげてください」
雪江はホッとした。
「雪江さん後ろ見てみて」
雪江は振り返ると大勢の通行人達がこちらを見ている。
「旦那さん見送る時も深々とお辞儀するんだぞ」
伸雄と雪菜が戻ってくると改札を通った。
改札内は人が少ない。
「部長。何号車ですか?」
伸雄はチケットを見せた。
「あちらですね。あっ。お弁当はどうされますか?」
「そうだな。雪菜買うか?」
「私車内販売で買ってみたい」
「そうか。じゃあそうしよう」
弁当屋は混んでいた。山寺達はここで雪江を露出させようとしたができなかった。
長いエスカレーターを上がるとホームに着いた。
20分ほど待つので山寺と坂上は伸雄達から離れて家族の時間を作った。
山寺と坂上はバッグを伸雄と雪菜に渡した。
「部長気をつけて」
「色々ありがとうな」
「いえ」
「お母さん行ってくるね」
「雪菜気をつけてね。あなたいってらっしゃい」
「ああ」
伸雄と雪菜は電車に乗り込んだ。
すぐにドアが閉じると山寺と坂上は深々とお辞儀をした。それを見て雪江もお辞儀した。
「あっ。お父さん。お母さんのおっぱい見えてるよ」
「ああ」
電車が動き伸雄の視界から雪江は消えた。
電車が動き出すと山寺と坂上は頭を上げた。
「雪江はまだ上げるなよ」
電車がホームから消えるまでお辞儀したままだった。
「雪江さん。煙草吸ってよいかな」
「はい」
ホームの喫煙所に向かった。
雪江は吸わないので、外で待っているが、喫煙所内は混んでいた。
「もしもし見送りました。雪江はあの時の格好で来てますよ」
「そうか。じゃあ雪江と変わってくれる?」
山寺は喫煙所から出てケータイを雪江に渡した。
「常務からです」
「もしもし雪江です」
5分ほど話すと喫煙所に入り山寺にケータイを返した。
「すみませんが、会社までお願いできますか?」
「私達は会社行くのでかまいませんよ」
「ありがとうございます」
「お礼ならお辞儀しないと」
雪江は山寺達と会社へ向かった。
※元投稿はこちら >>