とうとう誰かに見つかってしまった。
『どうしよう』
声のした方を見ると、2人がこちらに近付いて来る。
『あ、澤村さんと黒川さんだわ』
2人の正体がわかった事はよかったが、黙ってる訳にもいかず、
「あ、さ、澤村さんに黒川さん、ど、どうしたの?こ、こんな時間に。」
なんだか、動揺している。
「田村さんこそ、どうしたの?」
美紀達には余裕が感じられる。
「えっ、あ、ご、ゴミをね。本当は、いけないんだけど…。」
「朝は忙しいもんね、わかるわ、その気持ち。」
瞳も、たまに夜中に持ってきている。
「でも、田村さんがね~、普段はあんなに真面目なのに。最初見た時は、違う人かと思ったわ。」
皮肉を込めて、真由美の格好を舐め回す様に、美紀が言う。
真由美は、2人に挟まれ、じろじろ見られてる感じがして、早くこの場を去りたかった。
短いワンピースの裾を両手で下げるように伸ばしている。
そのせいで、余計にピッタリと肌に張り付いてしまった。
『あら、ノーブラじゃないの』
ワンピースを中から突き上げてる胸の突起に美紀が気付く。
『パンティ穿いて無いのかしら?』
体にピッタリと張り付いているお尻の辺りにパンティラインが無いのに、瞳が気付く。
「外に出るには大胆な格好されるのね。」
「え、ええ、ゴミを捨てに行くだけだからと思って。それに、夜中だし、誰もいないと思って、部屋着のままで…」
「そうなの?変質者も彷徨いてるっていいのに?」
「あっ、そ、そうだったわね。忘れてたわ。早く戻らないと。じゃ、じゃあ、失礼するわね。」
真由美は、そう言うと、2人を振り払うように小走りで、玄関へ向かって行った。
トシは、真由美はこちらに向かって走って来るのを、
『ど、どうしよう、隠れなくっちゃ』
隠れ場所を探すが、適当な所が見当たらない。
苦し紛れに、壁に覆い被さるように張り付いて、背中を向けていた。
見つかるのを覚悟していたが、真由美は気付かずに通り過ぎて行った。
真由美としても、美紀と瞳にじろじろ見られ、恥ずかしさのあまり、俯いて周りを見る余裕など無くなっていた。
足音が遠ざかるのを聞いて
『え、見つからなかった?』
トシは胸を撫で下ろした。
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