田村真由美の鼓動は、異常な程速くなっていた。
『こんな気持ちになるなんて』
周りを気にしながらエレベーターの前まできた。
『服を着ていても、こんなにドキドキするなんて、あの人(変質者)はどんな気持ちだったんだろう』
[7階]のボタンでエレベーターを呼ぼうとした時、ボタンを押す前にエレベーターが動き始めた。
『誰か上がって来るんだわ。どうしよう』
ドキドキがさらに激しくなる。
それと共に、ノーブラのワンピースを突き上げてる胸の突起が大きくなってくる。
…3階…4階
ランプの階が近付いてきても、その場を離れようとはしなかった。
6階まで来た時、自分の中で、
『ここは通り過ぎて』
という気持ちと
『ここで止まって』
という気持ちが、互いに言い争っていた。
ところが、6階に少し停まった後に、
エレベーターは5階に下りていった。
「ああ、よかったわ。」
言葉になって出てきたその裏では、
がっかりした自分の存在も否定は出来なかった。
5階に停まったのを見て、エレベーターのボタンを押した。
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