美紀に続いて、トシが四つん這いで外に出て、その後に瞳が続いた。
「そっか、四つん這いなのね、ペットだもんね。」
瞳も少し慣れてきた模様。
「今日はどっちで行く?非常階段?それともエレベーター?」
美紀は、瞳に聞いた。
「1階降りるだけだけど、エレベーターにしましょう。」
美紀は、予想とは違う瞳の返事に、
『瞳さんも意外と責めそうだわ』
と思った。
そうは言ったものの、エレベーターの前に来るまでも、瞳はやたらと周りを気にしてキョロキョロしていた。
「そんなにキョロキョロしなくても、もし見つかったら、私達が捕まえたって言えばいいのよ。そんなにキョロキョロしてたら、私達が不審者に見られるわよ。外からは四つん這いのトシは見えないんだし。」
美紀には度胸が付いてきていた。
「そ、そうね。」
エレベーターのボタンを押して、1階から上がって来るのを待つ。
エレベーターは、利用者がいなければ、自動で1階に降りる事になっている。
上からの場合は誰か乗っている可能性が高いが、1階からの場合はその確率が低い。
チ~ン
6階につき扉が開くと、予想通り空だった。瞳は、実際に空とわかるまでは、ドキドキしていた。
『裸で待ってるトシはどんな気持ちなんだろう』
と思いながら、2人と共にエレベーターに乗り込んだ。
エレベーターの中で、美紀が、
「瞳さん、これ見て。」
と言って、トシの両手を上げさせチンチンの格好をさせて、股間を指差した。
「まあ。」
トシの股間は大きく膨らみ、先からは汁が垂れかけていた。
『ふふふ、可哀想なんて思っちゃダメなんだわ。だって喜んでるんだもん』
チ~ン
エレベーターが5階に着くと、
「トシが最初に出なさい。」
美紀か瞳が先に出て、外の様子を見るのかと思っていたトシに聞こえてきたのは、瞳の声だった。
「やるわね、瞳さん。」
瞳が美紀に向かってウインクで返した。
トシは、周りを気にしながら、真っ先に外に出た。
それを見てから、瞳もエレベーターを出て、
「誰もいなくて残念だった?」
少し余裕も出てきて、
「じゃあ、ついてきて。」
自分の部屋の方に歩き出した。
3人がエレベーターを降りると、本来なら自動で1階に降りて行くはずのエレベーターが上がっていった。
美紀も瞳も、それには気付いていなかった。
※元投稿はこちら >>