翌日の昼前、美紀が昨夜の調教を思い浮かべながら、股間に手を伸ばそうとしていた時に、電話が鳴った。
「もしもし、澤村です。」
「あ、澤村さん、黒川です。」
電話は、瞳からだった。
「どうかされましたか?」
自治会の役員をしていると、苦情や相談の電話がかかってくる事がしょっ中なので、その手の電話だと思っていた。
「私、見ちゃったの。」
「えっ、見ちゃったって何を?」
少し様子が違うなと思いながら。
「不審者よ、不審者。」
「えっ、不審者って!い、いつ見たの?」
「昨日の夜よ。」
『まさか、見られていたの?どこで?』
昨日の行動を頭に思い浮かべながら、どこで見られたんだろうと考えていると、
「聞いてます?それでね。誰だかわかったのよ。」
返事が無いので、瞳が続けて喋ってきた。
「えっ、あ、き、聞いてますよ。誰だかわかったって、本当?顔を見たの?」
「そうなのよ。顔を見ちゃって、誰だと思う?」
勿体ぶるような感じで話す。
「だ、誰なの?」
自分も見られていたのかという不安もあり積極的に聞きにいけない。
「真田さんよ。真田さんのご主人。」
「えっ、あの真田さんが!まさか。」
少し大袈裟に驚いてみせる。
「私も一瞬、疑ったんだけどね、昨日の夜、私の家の前で、あの時の動画の格好して腰を振っていたの。私が覗き窓から見てるってわからなかったみたいだけど。」
『あの時だ、非常階段から何してるんだろうって見ていた時ね』
思い当たる節があった。
「そ、それで、一人だったの?」
自分も見られていたのかどうかが気になり、それとなく聞いてみる。
「もちろんよ。」
瞳は、どうしてそんな事を聞くんだろう、当たり前よ。くらいの気持ちで応える。
『よかった。私は見られてなかったんだわ。』
自分は見られていなかったという事がわかると、不安が吹き飛び、相談に乗る立場として
「それで、この事は、他の誰かに話したの?」
「いいえ、とりあえず澤村さんにって思って、誰にも言ってないわよ。」
「じゃあ、午後にでも、私の部屋に来てくれない。どうするか相談しましょ。あ、まだ、誰にも言わないでね。」
「わかったわ。じゃあ、午後にお伺いするわね。」
電話が切れると、美紀は、あれこれと考え始め、笑みを浮かべた。
「ふふふ」
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