-リビングにて-
美紀「ご主人、すみませんね。お仕事でお疲れのところを。」
由紀子「あなた、いいのよ。部屋に行ってても。」
由紀子は、美紀と女同士で話がしたいらしい。
さりげなく、美紀の顔を見ると、
『ダメよ、ここに居なさい。』
と目で訴えている。
俊樹「い、いや、いいよ。澤村さんにはいつも由紀子がお世話になってるし、俺がコーヒーでも淹れるよ。」
美紀「由紀子さん幸せね。こんな素敵な旦那さんがいて。」
由紀子にはわからない様に、俊樹に向かってウインクした。
俊樹が淹れたコーヒーを飲みながら、
美紀「それでね、今夜も見回りをしようと思ってるの。」
由紀子「そうなの、大変ね。マンションの住人にとっては有り難いけどね。あっ、あなた。美紀さんと一緒に見回りしてあげてよ。」
美紀「そんな、ご主人お疲れでしょ。」
美紀は内心、しめしめと思いながら遠慮がちに言った。
俊樹「あ、私は構わないですよ。お供させて頂きます。不審者が出ると澤村さん一人じゃ心細いでしょうから。」
美紀「あら、由紀子さん、しゃべったの。」
由紀子「ごめんね。主人ならいいかと思って。それに見回りを一緒にするなら知っておいた方がいいと思って。」
美紀「そうね。ご主人には助けてもらわないといけなくなるかもだし。そう言う事なので、よろしくお願いします。」
俊樹に向かって頭を下げる。
俊樹「い、いえ、私でよければ何でも仰ってください。」
コーヒーを飲んだせいか、先程から尿意が出てきた。いつもならメールで美紀に許可をもらっているが、今は目の前にいるので直接許可をもらわなければならない。少し腰をモゾモゾさせてみる。
由紀子がそれに気付いて、
「あなた、トイレ行ってきたら。」
美紀の顔を見ると
『ダメよ、我慢しなさい。』
と目で訴えている。
「い、いや、いいんだ。」
『ふふふ』
美紀の口元が緩んだ。
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