両手で股間を隠したい気持ちでいっぱいだった。目を瞑り俯いているが、美紀の視線を痛いほど感じる。
『見られてる、見られてる』
美紀の沈黙が、更に羞恥心を掻き立てる。
「あらあら、どうしたのかしら。」
美紀が股間の異変に気付く。
「こんな恥ずかしい姿を見られて興奮するなんて、俊樹さんはマゾなのね。」
「そ、そんな事は…、こ、興奮なんて…。マ、マゾだなんて…。」
最初は、バラされたら困ると思って美紀の言うがままに服を脱いでしまったが、見られる事で今までに感じた事のない気持ちが体を熱くしていった。
「この姿、撮っておきましょうね。さあ、顔を上げてこっちを見るのよ。」
「えっ、と、撮るって…。」
思わず顔を上げて、目を開けると、スマホを構えてこちらを見ている美紀と目が合った。
美紀のその威圧のある眼差しに、体が凍りついてしまう。
『どうしたんだろう。体が動かない。』
カシャ、カシャ、カシャ、
シャッター音が頭に響く。
『ああ、写真に撮られてるんだ。こんな姿。』
無意識のうちに、手を背中に回し、腰を突き出す様に、美紀の構えるスマホの方に向けていた。
美紀は、スマホを通して、俊樹の様子を見ながら、
『うふふふ、これは相当なマゾだわ。楽しくなりそうだわ』
思いを巡らせて、つい表情が緩んでしまう。
「俊樹さん、本題に入りましょうか。そこで土下座して、私に忠誠を誓うのよ。」
美紀の声で我に返ると、両手で股間をおさえ、
「ど、土下座…、ですか。」
もちろん、断る選択肢などない事はわかっている。
美紀がソファーから立ち上がる。
その前で、土下座の姿勢になる俊樹。
美紀が屈んで、俊樹に耳打ちする。
「えっ、ああ、は、はい。」
再び立ち上がり、土下座する俊樹を見下ろし、スマホを向けて、
「これは、動画で撮影ね。さあ、どうぞ。」
両手を床について、スマホに向かって、美紀に耳打ちされた言葉を言い始める。
「わ、私、真田俊樹は、夜中にマンションの屋上で露出をする変態です。風紀を乱し追い出されても仕方のない所、澤村美紀様の寛大さに感謝申し上げます。その証として、今後、澤村美紀様のペット奴隷としてお仕えする事をお誓い申し上げます。」
自分でも信じられないくらいにスラスラと言う事ができた。
スマホを見つめ、最後まで言い終えると額をしっかりと床につける。
「よく言えたわね。可愛いペットちゃん。」
床につけた頭の上で、勝ち誇った様な美紀の声がした。
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