「あ、ありがとうございます。」
真由美は、お礼を言って俊樹からペットボトルを受け取った。
『見られちゃったかしら。』
真由美は、俊樹にノーパンがバレたんじゃ無いかと不安になる。
起き上がる時に、裾は直したので、今は大丈夫だけど、扉が開いた時は、捲れ上がってたはずだと思うと、体が熱くなってきた。
俊樹の背中を見つめながら、
『振り向かないでね。』
心の中で祈りながら、ワンピースの裾を少しづつ捲り上げていく。
『ああ、私ったら、また。』
先程、膝を曲げずに、美紀達にお尻を晒した感情が蘇ってきた。
おへその位置まで、裾が捲れ上がった。
もし、俊樹が、振り返れば、下半身を晒してしまう事になる。
『真田さん、貴方の後ろに立っている田村真由美という女は、変態なのよ。いつも挨拶する真由美は、猫を被ってるの。本当の私は、エレベーターの中で、下半身を晒して興奮する変態女なの。』
真由美は、俊樹の後頭部に姿勢を集中する。
『ああ、振り向いて、真田さん、見て。』
チ~ン
エレベーターが6階に着いた音で、妄想から現実に引き戻される。
真由美は、慌てて、裾を整えると、振り向かずに出て行く俊樹に、
「あ、ありがとうございました。」
もう一度、お礼を言った。
自分も、美紀の家がある6階で降りる予定だったが、俊樹と一緒に降りる事も出来ずに7階まで一旦上がり、非常階段で6階に降りてきた。
美紀の家のインターホンを押し、
「か、買ってきました。」
小声でいうと、美紀がドアを開けてくれた。
玄関に入った途端に、真由美は、その場で崩れ落ちる様に座り込んでしまった。
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