十二分に、恥ずかしい想いをさせられながらも、どうにか一着を決めた。
身体のあちこちに穴が大胆に開けられているとはいえ、上下が繋がっているワンショルタイプのワンピースである。
色は、肌が白い沙織だから、その美しさを際立たせるなら黒だ!と言う香梨奈と、若いんだから大胆な真紅と主張する英玲奈。
沙緒莉が最終的に選んだのは、黒。
結局、全てが姉の香梨奈の物を選択してしまった事で、英玲奈は少し不機嫌だったけれど・・・・
こうして水着も決まり、その日の内に海に出ることになった。
毎年のように訪れている海であり、親戚の知り合いで海の家を経営している人がいるので、その海の家の個室を借りて、着替えやシャワー、トイレなども使わせてもらえることになっていた。
さて・・・いざ、部屋で水着に着替えることになったのだが、沙織は全裸でチェックされてしまう。
そして、中途半端ではみっともないから・・・と、改めてムダ毛の処理をされてしまったり、「脱中学生」「大人の女の仲間入り」と言う記念だから・・・と、髪型から化粧まで、二人掛かりで仕上げられていく。
沙織は一人っ子であったし、母親は、まだまだ沙織のことを子供だと思っているので、そうした大人の女に関する話など、ほとんどしない。
そうした環境であるからこそ、従姉妹の二人は心強い存在ではあるけれど、今回は戸惑うばかりだった。
全ての準備が終わり、妹の英玲奈と共にビーチを歩くことから始めるのだが、最初は恥ずかしいし、慣れないだろうから・・・と、夏用のシースルータイプのロングカーディガンを貸してもらう。
この時の英玲奈の水着は、沙織に勧めながら断られた、胸からお臍辺りまで大胆に見せてしまうホルターネックタイプのワンピース水着。
そして・・・香梨奈は、二人から少し離れてカメラを構える。
これは、二人の夏の楽しみらしいけれど、今回は、沙織の女性デビューの記念撮影だ!と、香梨奈はカメラマンとしてだけではなく、プロデューサー気分でノリノリである。
「ほら・・・見られてる、見られてる。」
「もう少し、自然に、・・・大股で歩いて。」
「そろそろ、カーディガンを脱いだら・・・!?」
「あそこの男、サングラス越しで視線が分からないつもりらしいけど、沙織のことをガン見しているのは、丸分かりね。」
「前から来る若い子・・・元気でいいわね、もう・・膨らんでる。」
男たちの視線、それも視姦されるなど、慣れていないどころか、悪寒さえ走ると言うのに、今は英玲奈の言いなりに歩くしかなかった。
それに、撮影をしている香梨奈は、カーディガンを肩から降ろすように指示したり、手の仕草や視線の方向など、身振り手振りで指示して来る。
香梨奈は、素人ながらモデルの仕事もしたことがあり、それなりに女性の撮り方を知っているらしいが、被写体となる素人娘としては、気が休まることがなく疲れてしまう。
その後、とある海の家で飲み物を飲んだりしている時は、沙織一人にされてしまう。後でする撮影場所の準備だと言って、二人は離れてしまったのだ。
英玲奈は、恥ずかしいなら着てていいから・・・と、カーディガンを残していってくれたが、どこから男に見られているか分からないし、どこを見られているかも分からず、顔をまともに上げることすら出来ない。
どれくらいの時間が経ったのか、ようやく二人が沙織の下にやって来る。
そして向かったのが、大きなパラソルのところである。その下には、簡易のリクライニングチェアが二つ。台の上には飲み物とサングラス。
沙織は、そこに寝ころぶように指示され、サングラスを掛けるよう指示される。
その後は、香梨奈の指示で様々なポーズを取ることになる。
その横には、英玲奈が寝そべり、小声で話し掛けて来る。
「そのまま眠っているように・・・動かないで。」
「そう・・・そのまま三分も寝ていれば、複数の男たちが周りをウロウロと歩き出すから・・・・」
「ほら・・・あの中年男も気づいたみたい。」
「少しだけ、膝を立てるようにして・・・もう少し。」
「景色を見ているつもりらしいけど、やっぱり、沙織を見ているわね、あの男。」
「この男・・・凄くない!?股間があんなに膨らんでる。親父だけど、セックスは凄そうね!」
英玲奈は、こうした遊びをしているらしいけれど、沙織はこの状況を楽しめる状態ではなかった。
どうやら写真を撮られてはいないようだけれど、数多くの男たちが、沙織や英玲奈の身体を視姦しに来ているのだ。
女が女として見られる。これは当たり前のこと。
しかし、中学の頃までは、自分が男の性的なターゲットにされているなどとは思っていない子が多く、無意識の内に足を開いてしまうなど、無防備な姿を晒してしまうことがよくあるものだ。
それが、自分でもはっきりと気付くほど、女らしい身体つきとなり、周りの男子も男らしい身体になって来て、ようやく男と女を意識し始める。
さらに、恋愛やセックスに興味を持ち始めると、異性の視線がどうしても気になるようになっていく。
沙織は、目立たない存在だと思っていたし、私服であっても、身体のラインが出てしまうような服を着たことがないようにして、男からの視線をなるべく避けるようにしていた。
しかし今、二人に従姉妹の策略によって、このビーチで注目の的となっている。もちろん、性的なターゲットとして・・・・・
そして、以前なら見ることなど出来なかった、男性の筋肉や股間の膨らみなど、寝ている振りをしていることとサングラスのお陰で、周りからどこを見ているかを気付かれずに、様々な光景を見ることが出来た!
これは、沙織にとって貴重な体験だった。
ただ、絵里奈の言葉が、一々、沙織の淫らな欲望を駆り立てようとしてくるのが、次第に鬱陶しくはなっていったが・・・・・
どれほど、こうした撮影をしていただろう。
「やはり海に来たんだから、海に入らなきゃね!」
と言う事で、撮影機材その他諸々、知り合いの海の家の人に預け、浮き輪やボードを借りて海へ・・・・。
こうして少しだけリラックスして海を楽しんだ沙織だったけれど、少しでも水着がズレたり、食い込んだりすると、それが気になってならなかった。
さて・・・こうして沙織にとって、初の大人な体験をした訳だが、従姉妹たちはまだまだこの程度では終わらせる気などは無かった。
海から上がり、一度、知り合いの海の家に戻り、改めて出掛けるのだが、今度は人気の無い岩場・・・。そこで、改めて撮影会をする、と言うのだ。
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