千恵子はトイレでの自慰行為を終え何食わぬ顔で職員室へと戻った
「霧島先生」
千恵子を呼ぶ声がした、声を掛けたのは教頭の津島越夫であった
「はい、何でしょうか?」
千恵子が返事をすると津島は校長室から千恵子を手招きをして呼んだ、千恵子は教材を自分の机に置き校長室へと足早に向かい部屋へと入ると重厚な机に両膝を立てて座る校長の飯浜史織が少し困った表情を浮かべていた、校長の飯浜史織が千恵子にソファーに座るように言い教頭の津島と共に座った
「突然御免なさいね、実は山村亜紀枝先生の事なんですがね」
「山村先生に何かあったんですか?」
「大した事はないと思うんだけど、この間の健康診断でちょっと気になるところが見つかって、2~3週間のあいだ検査入院をする事に成ったのよ、其でね、霧島先生に彼女が担当していた華道部の顧問をしてもらえないかしら?」
校長の依頼に千恵子は表情にこそ出さなかったが少し躊躇した
「無理かしら?貴女もお花をされてると言うし如何なものかしら?」
「私、お花といっても、もう何十年もしてませんし、其に山村先生みたいに指導が出来るか不安ですわ」
返事を躊躇う千恵子に校長の飯浜史織が笑みを浮かべ
「大丈夫よ、顧問の代理だからそれに短い期間だし、実は山村先生から紹介して貰った講師の方がね近々展覧会をするそうなの、その準備が有って1ヶ月位来れないっていうのよ、その繋ぎだから、お願い出来ない?」
校長の飯浜史織が千恵子にまるで拝む様に手を合わせた
「判りました、短い期間でしたら」
千恵子は校長の飯浜史織に押しきられる様に顧問の代理を引き受ける事と成った、そして千恵子はその日の授業を終え、華道部の教室へと行くと十数人の生徒達が思い想いの創作をしながら花を活けていた、
千恵子が教室に入ると数人の生徒が千恵子に気付いた、そして山村亜紀枝の事を聞いてきた、千恵子は生徒達に手短に説明をし新しい講師が来るまでの繋ぎと説明をした、そして一日の仕事を終えマンションに帰ると直ぐにクローゼットの奥に仕舞い込んだ生け花の道具を取り出した、千恵子は風呂敷に包まれた道具を懐かしむ様に見るのであった。
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