フィンフは、はるの尿道に刺した管だけは抜いてくれた。
自分の尿道から出る尿が、いつもと違い酔いつぶれ香りがし始めたことは、はるにも分かった。
フィンフは時々はるの顔に自分の顔を近づけて様子を見てくれたが、明け方近くに
「はる。そなたの息が良い匂いとなっている。」
と言った。
はる自分では、自分の体臭や息の香りが良くなってるのは分からない。
しかし、身体がいつもより重く、頭痛、吐き気をずっと感じていた。
朝の光が差した時、フィンフははるに、
「良く耐えた。
そなたの体内に香りは成分は染み込んだはず。
これより、体内に残った油の残りを出す作業に入る。」
と言った。
はるはお腹に入れられたままの大量の液体を、やっと排泄することが許された。
肛門から出る液体は、やや黄色く濁ってはいたが、もう便の匂いは全く無く、芳ばしい香りが強く匂った。
はるは自分の肛門を浄めて立ち上がろうとしたが、それが簡単には出来なくなっていた。
それが、疲れたからとか、ちょっと休めば治る、と言う性格のものでないことを、はるは本能的に察した。
様子を見に来たフィンフに、その事を伝えると、
「はる。頑張るのじゃ。
あと、半日じゃ。
今宵になれば、そなたの苦しみは全て消え、殿様のお為になったと言う至福の時を迎えることが出来る。」
目を掛けられていたはるでさえ、ドライ、フィンフから仕事に関して誉められたり励まされたりしたことは、数える程しかなかった。
そのフィンフから励まされたことは、半日後に訪れるその時間まで、はるを力付けるのに十分だった。
はるは頼りない足取りだが、一人で次の工程を受けるための場所に歩いていった。
フィンフは再び四つん這いとなったはるの肛門に、先に香油入りの液体を注入してのより太い管を入れた。
管は清水を貯めた大きな石の水槽に繋がっており、フィンフがバルブを開くと、大量の水がはるの腸内に流れて込んだ。
「力を抜くのじゃ。」
見る見るはるの腹部が膨らんでいく。
「頭を下げよ。」
はるが頭を床に着けて低くすると、胃の、いや、もっと奥から強い吐き気が込み上げてきた。
「吐くのじゃ。全て吐いてしまえ。」
はるは、普通の人間が、口から入れて肛門から出すのを、逆にして、肛門から注入された清水を、口から吐き出していた。
途中何度も、食道から口に入らず、鼻腔へと入った水で、はるは溺れたような苦しさも味わった。
このような拷問を受けた者は、ほとんどが耐えきれず、心臓の鼓動が弱くなり、肺も圧迫されることから呼吸も困難となり、やがて絶命する。
たとえその場で絶命しなくとも、消化器系の内臓が体内で裂けたり大量出血したりして滅茶苦茶となり、やがて飲み食いも出来なくなり、苦しみながら死亡する。
今、はるがされている処置は、はるのあと半日後の運命がはっきりしてるからこそ、出来ることだった。
はるは大量の水を吐きながら、次第に気が遠くなってきた。
殿様からどんな激しい折檻を受けても、気絶するなんて恥ずかしい事だと思っていたのに、自分が情けないと思いながらも、いつの間にかはるの視界は真っ暗になった。
はるが目を覚ましたのは、口に濃厚な刺激を与えられたからだった。
はっと目を開けると、フィンフが口移しで芳醇な蒸留酒を飲ませてくれていた。
慌てて起きあがろうとしたが、腕を床に着いても、上半身を持ち上げられなかった。
フィンフははるの唇から自分の唇を離すと、片手の人差し指を縦にはるの唇に当てた。
「話すな。」
と言う意味だと察したはるが、再び頭を下ろして横たわった所に、ドライを連れた殿様がお出でになった。
頭を下げたフィンフが、
「体内の洗浄と香付けは終わりました。
全身の筋力も薬の影響で、半分以下になっていることと存じます。」
と報告した。
殿様が、全裸で仰向けに横たわっているはるを、上から見下ろしている。
殿様の前で横たわるなんて、およそ考えられないことなのに..。
はるは失礼のことわりを言おうとするが、唇も舌も痺れたようになっていた。
殿様ははるの目をじっと見つめると、
「そちは、最後まで、余のわがままの犠牲となるのだな。」
と呟いた。
その表情は、いつもの拷問を受ける奴隷を見る面白そうな表情ではなく、無表情だった。
もったいない!犠牲じゃありません!
私の幸福です!
はるは、もし声が出るのなら、自分の最後のわがままとして、礼儀を無視してそう言いたかった。
殿様がフィンフに聞いている。
「はるの苦痛は?」
フィンフが答えた。
「今は麻痺しておりますが、夕方、料理を始めるころには、再び痛みには反応するように回復しているものと存じます。」
「よかろう。そちも、しっかり頼む。」
「ははっ!」
フィンフは深々と頭を下げた。
殿様が部屋を出て行く前に、後ろに従うドライがはるに近づき、そっとはるの唇にキスした。
その後、フィンフははるの全身の肌を洗い浄めた。
肌を整える為ではない。
料理する際に不潔でないための洗浄だったから、普通ならかなりの痛みを感じる程に擦りあげられた。
もちろん、股間も土手の縁、ビラの間、クリトリスの包皮の中まで、念入りに擦られ、腫れたように赤くなったところもあった。
クリトリスを剥き上げ、皮と中身の隙間を指で洗い浄めながら、フィンフははるには聞こえないつもりで、こう呟いた。
「このような幼いクリトリスを、生きたまま抉らねばならないとは..」
その呟きは、ぐったりなってるにも関わらず、はるにはちゃんと聞こえていた。
フィンフ様から、私のクリトリスを抉り取っていただき、それを殿様に食べていただける。
その憧れが、具体的な様相を現してきてくれている。
私の最高の幸せまで、あと少しなんだ。
はるは、全身が弱っているはずなのに、自分の鼓動が激しくなるのを感じた。
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