「うっ」
佳苗が小さく声をあげ、手首を通してる紐をぐっと引くと、助産婦さんは
「熱かったようだね。
今、お腹が固くなった感じがしてないかい?」
と聞く。
「いえ、大丈夫です。」
と佳苗が返事をすると、
「乳のマッサージはした方が良いが、お腹の赤ちゃんの様子がおかしいと思ったら、止めとくんだよ。」
と教えてくれた。
助産婦さんは、タオルをもう一枚珠美から受け取り、佳苗の乳房を蒸した。
乳房が熱かったが、何故か心地よ良くも感じた。
助産婦さんが、片方づつ佳苗の乳房をマッサージし始めた。
横からぐっと押すように揉み、斜め下から、そして下からと佳苗の乳房をほぐしていく。
最初は痛かった。
夫から揉まれ苛まれる痛さとは違う痛さだった。
しかし、我慢できずに声をあげる程でもない。
助産婦さんも、佳苗の表情と乳房の状態を見ながら、無理の無いようにしてくれた。
乳房の次は、乳首だ。
助産婦さんは、温めたオイルを佳苗の乳首に少し塗り、二本の指で柔やわと解し始めた。
恥ずかしいことに、佳苗にとってはその刺激が、妊娠前に夫である政雄からされた愛撫の感覚を思い出させた。
徐々に硬くなる陥没した乳首を、きゅっと引き出す。
やはり少し痛かったが、これも夫から授かった可愛い赤ちゃんのため、と思えば平気だった。
一通り佳苗の胸をマッサージすると、助産婦さんは隅で見守ってた夫、政雄を呼んだ。
「さあ、旦那さんが、優しくしておあげ。」
政雄が母珠美の方を見ると、こくん、と頷いた。
本来ならこれらの行為は、妊婦を座らせるか、きつければ横にならせてするものだ。
それも、胸は出さねばならないが、下まで剥き出しにする必要は無いことだった。
それをこの日、集落の儀式とは言え、佳苗は腹帯だけの裸体で、まるで鴨居から両手を吊られた状態で、夫から胸を揉まれ乳首を摘ままれた。
皆さんから見られている。
いやらしい気持ちにならぬよう..と自分で言い聞かせたが、愛する夫の逞しい手で乳房を揉まれ、不器用ながら思いやりのあるやり方で乳首を摘ままれたら、佳苗の意思に関わらず、佳苗の息が荒くなり、乳首は陥没どころか、その存在を訴えるように勃起した。
恥ずかしくて、胸を隠したい。
しかし、佳苗の両手の手首が鴨居から下げられた輪っかに通されているのは、そんな行動をさせないためだったようだ。
来てくださっているお客さんは、ほとんどが夫婦で来ている。
皆、佳苗より年配の人ばかりだが、男は佳苗の初々しい妊婦の裸体に感動したし、女はかつて夫から抱かれてあのような妊婦になっていたことを思い出した。
さすがに皆、礼儀をわきまえているから、失礼な事を言ったりはしなかったが、儀式にも関わらずほとんどの人の息が荒くなっていた。
男はズボンの中で一物が逞しくなり、女も乳首やクリを勃起させ、下着の股間をしっとりと湿らせた。
特に政雄が佳苗の乳首を摘まみ、佳苗が「うっ..」と小さく、喘ぎに近い声を上げた時に、思わず自分の股間を、着ていた服の上から押さえた女性もいた。
佳苗は夫から胸を弄られながら、自分の股間からいやらしい汁が垂れているのを、お客さんに気づかれないかと不安だった。
そんなことは、来てくれていた人は、皆分かっていた。
政雄が何度か繰り返して佳苗の乳房、乳首のマッサージを行い、20分程で助産婦さんが合格だと言ってくれた。
珠美は佳苗の手首を輪っかから外してやり、佳苗はその場にしゃがんで、両手を畳について皆に礼をした。
大体集落の皆を呼ぶような儀式の後は、酒が出て宴会となるのだが、この日は珠美が準備した折り詰めとカップ酒が配られ、皆はそれを持って帰宅した。
まだ小学校の子供がいる若い夫婦は、子供を早めに寝かせて、夫婦の愛情を確かめ合う。
「もう一人、欲しいわ..。」
「よし、神様がくださるように、俺もがんばるよ。」
夫はそう言って妻の乳房をぐっと握り、妻はその痛みを幸せに感じる。
子供が大きくなっている家庭では、子供が部屋で勉強している間に、夫がそっと、妻のブラウスのボタンを外したり、トレーナーの裾を捲ったりして乳房を出させ、子供に吸わせて育ててくれた妻の乳首を愛情込めて愛撫した。
佳苗が半裸の姿を晒すことで、集落の夫婦皆が幸せを感じた日だった。
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農家に嫁いで