佳苗は軽四トラックの荷台で、両手で胸を隠し後ろ向きに座っていた。
夫の運転で、トラックはがたがた揺れながら未舗装の山道を下っていく。
集落の入り口の欅の木まで来たら、もう集落の人が30人ほど集まっていた。
年寄りが多いが、中には佳苗と同じ年配の男女もいる。
年寄りは作業着だが、若い世代はジャージだったりポロシャツだったり、華やかな色合いの服を着ている。
その中で、自分一人が全裸で、トラックの荷台に載せられて晒されているのだと思うと、平気であるはずがない。
しかし佳苗は、夫と義母のことを思い、涙が出るのを我慢した。
今は神聖でめでたいお祭りなのだ。
自分はお祭りの中心で、神様の分身か、神様を祀る巫女さんのようなものなのだ。
それが泣いてしまってはいけない。
道の両側で出迎えた皆は、ある人は嬉しげに笑いながら拍手をし、ある人は、めでたいめでたい声を出して喜んでいる。
年長の人から、
「あの家の今度の嫁さんは別嬪じゃのう。」
と佳苗を称賛するような声も聞かれた。
年長の女性達は素直に喜んでいるが、ちょっと年下の50年配のおばさん達は
「まあっ、今度の人の身体は福々しいわね。」
「乳も大きいわ。」
「色は白いわね。」
「きっと旦那さんに、いっぱい抱かれているわよ。」
等、具体的と言うか、露骨な話を交わしている。
皆は、佳苗の羞恥等全く気にしてない様子だった。
集落に入ると、夫はトラックの速度を人が歩く程度に落とし、皆はトラックの前後をぞろぞろとついて廻った。
途中から、お神楽の笛と太鼓の演奏まで始まり、その音に引き寄せられるように、他の住民も集まってきた。
中にはまだ幼い、小学生くらいの子供もいた。
大人から見られるのは仕方ないわ..。
でも、あの子供達から、いやらしいおばさん、って思われるのは辛すぎる..。
佳苗は顔を伏せながらも、周囲の様子を伺っていた。
男の子達は、トラックの周りを歓声を上げながら走り回っていたが、女の子は道の脇に立って佳苗をじっと見ていた。
その中でも、小学校高学年と思われるしっかりした顔の女の子が佳苗を見てから横の友達に「あのおばさん、きれいだよね..」と話し掛け、友達も「本当にきれいだね..」と相槌を打つのが聞こえた。
その言葉は、性のいやらしい知識をまだ持っていない少女の言葉だけに、佳苗の心に響いてくれた。
私は、きれいなんだわ..。
結婚前には、あんなにみっともなかったのに..。
夫と結婚できたから、こんなになれたんだ..。
佳苗は自分の身体への自信を感じると共に、その美しい身体を夫以外に晒す羞恥を改めて意識した。
やがてトラックは、佳苗の家の敷地に入って停まった。
広い庭の祠の前には、もう集落全体の人で、お祭りの用意が整えられている。
庭の地面には、広い範囲で青々とした御座が敷かれ、祠の正面にはさらに真っ白な座布団が置かれている。
運転席から降りた夫は、トラックの荷台の後部の枠を下ろし、荷台に上ると敷物の上に横座りしていた佳苗を助け起こした。
佳苗は一人で荷台から降りようとしたが、裸でいる羞恥から、どうしても荷台から降りられない。
降りる時の動作で、恥ずかしいところが見られてしまいそうだったからだ。
荷台の端で、両手で下と胸を押さえている佳苗を、荷台に上がった夫が両手で抱き上げた。
高い荷台の上で、裸の佳苗を抱き上げて、皆に見やすくしたような感じだった。
集まった皆から、おおーっ!とどよめきが上がり、パチパチパチと拍手が起こった。
夫は肉付きの良い佳苗を軽々と抱き上げたまま、荷台の端に腰掛けたように両足を垂らし、そして地面に降り立った。
私の旦那さんは、こんなに力強いのね..。
裸で抱かれたままで祠の前に連れて行かれる佳苗は、うっとりと夫の作業着の胸に頭を預けた。
作業着の汗臭い匂いも、佳苗の興奮をますます高めていった。
お尻の方を、いやらしい汁が垂れてるような感じがして、忘れかけてた羞恥心も、また呼び覚まされた。
白い座布団の上に座らされた時は、大勢から裸体を見られている羞恥といやらしい興奮で、佳苗の顔だけでなく、身体全体が赤くほんのりと染まっていた。
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