鬼役があった日、佳苗の夫も責め鬼として参加していた。
夫は自分がSだと自覚していたが、それはあくまで愛する妻に対する愛情の行為であり、この鬼役のような行為は、SMとは違う拷問だと思っていた。
世話役さんが鬼役に参加する男達に対して心配していたのが、この点だった。
まだ30代の元気な男が、女の裸を見て性的な責めをするのだから、そこに恋愛感情とまでは行かずとも、「この女を自分の自由にしたい。」との性欲、「これほど責められて可哀想に」と言う同情や哀れみ等の感情が生じる可能性は高い。
その結果、後日鬼役だった男と責められた女が不倫関係になったりすれば、かえって事態は悪くなる。
だからこの行事では、行いは無慈悲に、心は淡々としなければならない。
女を犯して罰しながら、鬼が快感を楽しむ等もっての他なのだ。
だから「気持ち良い」と口走った5番目の責め鬼は、厳しく罰せられねばならなかった。
これは責める方も責められる方も、楽しむのではない。
だからSMではなく、拷問と言うべきだった。
しかし、その他は大体上手くいった。
妻である牝鬼は、責め鬼達が引き上げた後、千佳子の火傷だけでなく、荒縄での擦り傷等も手当てしてやり、さらにつべの中の精液を掻き出してやった後、注入筒の薄い酢水でつべの中を洗浄してやった。
つべに酢水を注入するのはかなり沁みて痛むが、その頃はもう千佳子も素直になっており、
「おばさん、すみません。よろしくお願いします。」
と殊勝な言葉使いになっていた。
社に世話役さんが社に戻ると、皆が一杯づつの冷や酒を茶碗で飲みながら待っていてくれた。
世話役さんは皆に宣言した。
「無事に終わった。
もうこの村に鬼はいない。」
皆は、ほっとしたが、そう言った世話役さんの顔は、やり終えたと言う晴れ晴れとした表情ではなく、嫌な事をした、と言うような苦虫を噛み潰したような表情だった。
世話役さんは更に続けた。
「今夜の事は、何も無かったのだ。
良いか!誰にも何も話すな!
もし、今夜の事が噂等で流れたら、喋ったら奴を見つけ出して、村から追い出すことになる。」
そう言うと、責め鬼となった6人、結界役で家の周りを取り囲んでいた15人の顔を、一人一人
睨み付けるように見ていった。
これで、千佳子がどんなに酷い事をされたか、だけだなく、5番目の責め鬼が失態を演じた事も封印されたのだった。
それから皆に熱燗が配られ、やっと皆が心の荷を下ろしたのだった。
佳苗の夫は、あまり飲まずに帰宅した。
やはり佳苗は、起きて待っていてくれた。
あの寂しいばかりに男を食い漁り、今夜酷い責めを受けた可哀想な千佳子の事を思うと、目の前の佳苗が堪らなく愛しく思えた。
妻には絶対に寂しい思いはさせまい。
そして、ずっと可愛がってやるんだ。
赤ん坊が生まれ身体が落ち着いたら、佳苗のお尻も貰おう。
しかし、今夜のような残酷な拷問ではなく、佳苗が恥ずかしさと快感で、たまらず可愛いあえぎ声を聞かしてくれるようにしてやろう。
そう考えながら、夫は佳苗の熱い身体をまさぐった。
左を下に横になってる佳苗に、夫は後ろからそっと挑んでいく。
夫のチンポが僅かに目標を外したように思えた。
それは佳苗の肛門に宛がわれた。
「私のお尻が、お望みなのかしら..」
佳苗はそう思ったが、夫は自分のチンポをつべの方に移動させ、本当に、本当に優しく挿入してくれた。
今夜の夫は、優し過ぎるわ..。
きっと、きっと鬼役で、本当に大変なことを見てしまったのね..。
優しい妻の佳苗は、余計なことは聞かず、入ってきた夫のチンポを、出来るだけ気持ちよくなってもらうようにと心掛けた。
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