佳苗は寒くなる中でも、夫と義母から優しく労られながら、幸せな新妻生活を送っている。
しかし村中には不幸にも夫と死別、離婚などで一人暮らしをしている女性もいた。
その女性が慎ましく貞淑な生活を望んでいるのなら、周りの人も余計なお節介はしないし、筋を通して再婚を希望するのなら、仲人の労を取ろうと言う人もいる。
しかしごく稀だが、一人暮らしの肌寂しさから、村の既婚者や、まだそのような事を経験するのは早すぎる男の子を誘惑しようとする女性もいた。
既婚者の男性は大抵、同じ村中での不倫を好まない。
しかし、経験が無い無垢な少年や若者だと、取り返しのつかない深みに嵌まる可能性がある。
少年の方が一度味わった快楽に嵌まってしまい、家出してその女と逃げようとか大変なことに成りかねない。
女のそのような様子に気がついた周囲の人は、それとなく注意、意見するが、それでも素行が改まらない時は、世話役さんがその女性の家に出向く。
そして、
「お前さん、そのようなことをすると、夜、鬼が襲ってくるぞ。」
と告げるのだ。
昔話で、「淫乱な未亡人が、何人もの鬼から襲われて、めちゃくちゃにされた。」と言い伝えられている。
その鬼が来ると言うのだ。
しかし本当は、
「村の男に折檻させるぞ!」
と言う脅しなのだ。
一度男との快楽を知ってしまい、身体が再びそれを欲しがって仕方がない体質の女性も、確かにいる。
しかし既婚者の男性がその女性を抱くのは、最初は同情からでも、不倫へと発展するかもしれない。
それでその女性が、
「たとえ乱暴にでも良いから、男からされたい。」
と言う意志を世話役さんが確かめた上で、一筆取り、最後は複数の男性が鬼に変装して、その女性を襲うのだ。
だから、本当に最後の手段である。
女性にとって気持ち良すぎたら効果が無い。
だから、やるときは荒縄で縛ったあげく、男を受け入れられる3つの穴を全て乱暴に犯され、身体がバラバラになる程の苦痛や疲労を感じさせる。
とても妻にはさせられないような、いやらしい、辛いことでもさせるのだ。
だから、後になって女性から訴えられないように世話役さんは、
「私が淫乱で男が欲しいあげく、どこそこの息子を誘惑して、いやらしいいたずらを仕掛けたのは間違いありません。
私の悪い淫虫を退治するためなら、どんな折檻を受けても構いません。」
と一筆書かせる。
事前にここまであからさまにされるのだから、本当に鬼から襲われる例は極少ない。
途中で自分が恥ずかしくなって、他所へ引っ越してしまったり、行いを改めるのがほとんどだった。
ところが、本当に久しぶりに、そのような淫婦が現れた。
名前は千佳子と言い、今は40歳だ。
中学卒業と同時に村を出て、女工、キャバレー、飲み屋、更にはストリッパーまでして、30歳半ばでやっと優しい男と結婚して落ち着いたのに、不幸にも夫が事故で亡くなった。
その後は売春までしたことがあるらしい。
村に帰ってきたが、その後直ぐに親が亡くなり、今は家で一人暮らしをしている。
千佳子が声を掛けるのは、誰彼構わずだった。
村の女は皆、千佳子を嫌ったから、
「あんな女、鬼から食べられちゃえば良いのに!」と言い合っていたのだ。
世話役さんが千佳子の家に行き、鬼から襲われたいか?と聞いた時、千佳子は悪びれるでも恥じてるようでも無く、世話役さんに向かってきちんと姿勢を正すと、
「やはり、そうですか..。
お願いします。」
とあっさりと言い、直ぐに一筆書いたらしい。
つまり千佳子は、何人もの男達から乱暴に襲われたい、と希望してたようだ。
世話役さんも長年人を見てきてるから、その時の千佳子の目が「むしろ楽しみだ、と言うような色」だと感じた。
佳苗もMだが、飽くまで信頼し愛してる夫から責められるのは幸せだが、もし他人から襲われたら舌を噛んでも逃れようとするだろう。
千佳子はそれとは違う種類のMらしい。
誰彼構わず犯され責められたい、公衆便所のようなMだった。
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