咲枝ちゃんは、おばさんから乾いた新しい白の帷子を着せられ、お宮の拝殿に連れていかれた。
部屋の壁に沿って、いくつもの太いロウソクが立てられ、部屋の中心には布団が敷かれていた。
「さあ、この布団に寝ときなさい。
本当に大丈夫だからね。
私もさっきの離れにいるから、もし勝次おじちゃんが来る前に何かあったら、呼べば来るからね。」
おばさんはそう言って咲枝ちゃんを寝せると、自分は離れの方へと引き上げていった。
お布団は昼間日に干してくれてたらしく、ほかほかと温かかった。
それまでずっと寒さに耐えて半裸で水に浸かったりしてたので、緊張で気がつかなかったが、本当はかなり疲れていた。
山の中のお宮で一人寝ると言う心細さ、恐さも感じたが、「もうすぐ勝次おじちゃんが来てくれるんだ..」と思うと、それも薄らいだ。
ただ心配なのは、裕太があれからどうなったかだ。
大人達から叱られたんだろうな。
裕太は、私が本当に神様から女にされると思って、私を助けようとしたのかしら..。
乙女の胸に、甘酸っぱい感情が湧いた。
明日帰ったら、お礼を言わなくちゃ。
そして、私が本当は裕太のこと、ちょっと好きだって言ってしまおうかしら..。
裕太とは去年、小学校六年の時に、密かにお医者さんごっこ的なことをしていまった。
裕太が半ば強引に、「おっぱい、見せてくれよ。」と言ったので、仕方ないふりをして倉の中でそっと見せてあげたのだ。
裕太の要求は胸だけで納まらず、結局ズロースも脱いで、つるんとした下腹部にくっきり刻まれた割れ目まで見せてしまった。
じっと食い入るように見つめる裕太の口から、「きれいだな..」と言う言葉が出た時は、咲枝ちゃんの子供心にも、きゅんと疼きを感じたものだった。
駄目だわ、私ったら..。
こんなエッチなことを思い出しちゃって。
もうすぐ神様役の勝次おじちゃんが来るのに..。
そう思った時、咲枝ちゃんは神様を祀っている神殿と自分の寝ている拝殿を繋ぐ短い渡り廊下で、何か物音を聞いた気がした。
ドキッとしたが、「ああ、勝次おじちゃんが来てくれたんだ..」と思ってホッとした。
ミシ、ミシ、と板張りの床を踏んで、誰かが布団に近づいてきた。
目を開けて見ると、お神楽を舞う人のような衣装を着て腰には剣を吊るし、顔に荒々しい面を着けた人が立っていた。
咲枝ちゃんが布団から上半身を起こすと、その神様は面の下からくぐもった声を出した。
「お前が今年の贄か?」
咲枝ちゃんは教えられてたとおり、布団の上に正座し直して、両手をついて深々とお辞儀をして答えた。
「はい、私が今年の贄でございます。」
「名前は?」
「藤本咲枝と申します。」
「歳は?」
「13歳になりました。」
答えながら咲枝ちゃんは、あれ?と不審に感じた。
勝次おじちゃんの声じゃないみたい..。
「顔を上げよ。」
神様の声に頭をあげて神様を見たが、やはりおかしい。
その神様は、勝次おじちゃんより明らかに背が高かった。
おじちゃんが来れなくて、急に他の人が変わったのかしら..。
そう考えていたら、その心の中を見透かされたように神様から言われた。
「お前の叔父の勝次なら、付き添いの女と共に、あちらの離れで気を失ってるわい。」
えっ?おばさんも?
驚いた顔になった咲枝ちゃんに、神様が言った。
「この村の衆は、毎年わしに贄を献じてはくれるが、わしの代わりまで人間がしてしまうのでな。
今年は旨そうな乙女が上がったので、本当の神であるわしが、直々に味わわせてもらいに来たのだ。」
そう言うと、神様は手を伸ばして咲枝ちゃんの顎を、くいっと持ち上げた。
「ほう、これは上物。
しかし見映えは良いが、心根はどうかな?」
ああ、これがおばさんの言ってた問答だな。
勝次おじちゃんじゃないけど、同じことをするんだ..。
ところが、神様の次の言葉は、咲枝ちゃんを恐がらせるものだった。
「お前は、まだわしが誰か人間が扮装している偽物と思っておるようだが、それは違うぞ!」
神様は急に大きく両手を広げると、パンッと柏手を打った。
するとお宮の周りから、シャンシャンシャンと鈴の音が響き渡った。
「わしの顔を明るいところで生きてる人間に見せることは出来んから、この面を着けておるが、疑うなら付き添いの女でも、勝次でも呼んでみよ。
わしがぐっすり眠らせておるから、明日まで目をさますことはないわ。」
咲枝ちゃんは恐くなって、本当に声を出しておばさんを呼ぼうと思った。
しかし、賢い咲枝ちゃんは、そうすることは神様を疑うことになる、と察して、がたがた震えながら顔を横に振った。
「おうっ、お前は少しは賢いようだな。
お前が心根も美しい乙女だったら、わしの一夜妻としてやろう。
もし心根が悪い女なら、この剣で胸乳をえぐり、女陰の割れ目から腹まで裂いて食ってやるわ!」
そう言うと、腰の剣を引き抜いた。
剣は村芝居で見たことのある竹光とは違い、ロウソクの炎を反射して煌めく本物だった。
「帷子をはだけて胸を見せてみよ。」
神様の言葉に、咲枝ちゃんは帷子の袖から手を抜いて、帯から上の帷子を脱いだ。
神様の視線が幼い乳房に注がれる。
神様は右手に持った剣を左手に持ち変えると、右手で咲枝ちゃんの左の乳房を掴んだ。
大きく強い手だった。
痛みに咲枝ちゃんは声をあげかけたが、我慢した。
「まだ乳は薄いのう。
お前、わしの物となる筈のこの乳を、これまで男に晒したり手を触れさせたことはあるまいの?」
咲枝ちゃんは恐かった。
村の人が変装してる神様じゃない。
本当の神様なんだ。
その神様の怒りに触れて、切り裂かれて食べられると言うことも、もちろん恐い。
でも、優しい咲枝ちゃんがもっと恐かったのは、心根が悪い私を捧げ物に選んだ村の人、私の両親に罰が当たることだった。
咲枝ちゃんが震えて答えないと、神様は乳房を握った手に力を込めた。
「どうした?言わんか!」
咲枝ちゃんは、がたがた震えながら、神様に聞いた。
「私が悪い子で食べられたら..、お父さんお母さんに罰が当たるんですか...?」
神様は乳房を握っていた手で、今度は乳首を摘まんで苛みながら言った。
「いや、親が悪い事をさせたのならともかく、お前が親に隠れて悪い事をしたのなら、お前の親にまで罰を与えることはせぬ。」
良かった...。
咲枝ちゃんは、涙をぼろぼろ流しながら、神様に白状した。
「私の胸..、見せたことがあります..。」
「なにっ!その歳でもう男に見せたと?
相手は何者じゃ?」
「その相手も..、罰は..?」
「憎いやつじゃが、お前が正直に申すなら、そやつは赦してやっても良い。
余所者か?」
「正直に申します。
同じ村の裕太ちゃんです..。」
「おお、今日お前を助けるとか申して、結界の川を渡りかけて連れて行かれた子供じゃな。
あの者に、見せたのは胸乳だけか?」
「ごめんなさい..。
下も..、見せました..。」
神様は乳首を苛んでいた手を離すと、咲枝ちゃんの前に仁王立ちして言った。
「身につけている物をすべて脱いで、横になれ。
お前を成敗いたすかどうか調べる。」
ああ、神様は淫らなことをした私にお怒りなんだ。
私、本当に成敗されちゃう..。
神様への捧げ物のお話があった時に、お母さんに裕ちゃんとのことを正直に言わなかったから、仕方ないんだ...。
涙は出るが、咲枝ちゃんは声をあげて泣いたりはしなかった。
立ち上がると、帯を解き、帷子と腰巻きを脱いで全裸になった。
胸をえぐられて、下の割れ目から切り裂かれてたら、いっぱい血が出るだろうな。
お布団や帷子を汚さないようにしよう..。
咲枝ちゃんはきちんとお布団や帷子を畳み、部屋の隅に片付けると、再び部屋の中央の仁王立ちした神様の前に戻り、正座して神様を拝むと、その前に仰向けに横になって目を閉じた。
「もう一度聞くぞ。
この乳を、その裕太と言う男に見せたのだな?」
神様の剣の先端らしい尖って冷たい金属が、咲枝ちゃんの乳房に触れた。
「はい。」
もう咲枝ちゃんは、覚悟を決めた。
心は落ち着いてきた。
剣の先が、乳首に触る。
「ここを弄ばせたか?」
「いえ、見せただけだす。」
「そうか、では足を開け。」
咲枝ちゃんは、両足をそっと広げた。
「ここも、見せただけか?」
神様の剣の切っ先が、生えかけた毛のあたりに触った。
「はい、見せただけです。」
冷たい切っ先が、咲枝ちゃんの割れ目からわずかに覗いた肉のビラに触れた。
「本当なのだな?
嘘なら、このまま切り裂くぞ。」
「はい、見せただけです。」
「お前は、このようなところを、誰にでも見せるつもりだったのか?」
「いえ、裕太ちゃんだけに..」
「何故だ?」
急に咲枝ちゃんの胸に、切なさが溢れた。
「好き..だから...」
咲枝ちゃんは両手で顔を覆うと、声を殺して泣いてしまった。
泣きながら神様にお願いした。
「お願いします。
私が悪いんです..。
裕太ちゃんには..、罰を与えないで..」
神様の冷酷な声がした。
「約束したとおり、その裕太に罰は与えない。
その代わり、お前がその罰を受けるのだ。
自分の指で女陰を拡げよ。」
咲枝ちゃんが言われたとおり左右の指で自分の割れ目を広げると、そこに剣の冷たい切っ先が当てられた。
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