俺の名前は風間裕也 42歳。
同い年の妻と結婚して18年になる。
妻との付き合いは21年前・・・大学の3回生の春の終わりに始まった。
俺は経済学部で妻は看護学部だったせいで、知り合うまでに時間がかかった。
けれどたまたま参加したサークルの会議で席が横になり、勇気をもって話しかけて関係が始まった。
仲良くなるために3か月をかけ、告白したのはもう冬の手前になっていた。
今と変わらぬ美しさの妻は、当時から男子の垂涎の的になっていた。
その切れ長の瞳や整いすぎる鼻筋に「キツイ女」「お堅い」「プライドが高い」と勝手に決めつける男でさえ、その豊満な乳房の膨らみと細い腰からヒップにかけてのラインに目を奪われていた。
「Fだ」「いや、Gあるかも」と噂する男達を、俺は嫉妬するどころか優越感に浸りながら見ていたのを覚えている。
やがて実習が始まり、会えない時間ができ始めたが それでも関係は続いた。
結婚までは順調だったと思う。
しかし・・・
実は、就職してからはずっと激務で、妻にはろくなイベントも与えられていない。
結婚してすぐに授かった娘も、もう高校卒業を間近に控えているし、そろそろ夫婦関係を真面目に改善しないと、熟年離婚の4文字が現実味を帯びてきた。
しかし、とはいえ・・・
これまでがこれまでだから、急にそんな事を思ってみても ろくな案が浮かばなかった。
そんな思いに落胆しながら、俺は仕事帰りに いつものように古本を漁りに駅前をうろついていた。
初めて入る古本屋だった。
なかなかに年季の入った店内には何列も棚が並び、びっしりと本が並んでいた。
しかし30分ほど店内を見て回ったが、面白そうな本は見つからず、そろそろ引き上げようかと思っていた時、それを発見した。
それはA4サイズの薄い月刊誌だった。
中身を確かめなくとも それがアダルト雑誌だとわかった。
いつもなら無視する類の雑誌・・・のはずが、俺の目は表紙に並ぶ半裸の女性のうちの1人に釘付けになった。
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