ジャンケンのルールは単純なものだ。
計10回、私と常連の男で交互に5回ずつジャンケンをし勝った方のリクエストを行うだけ。
女の方からは、念押しで脱ぐのは絶対NGと伝えられた。
ただ、女の念押しは私達にとってむしろ好都合で、
了承する代わりにリクエストを必ず行う約束を取り付けることができた。
ちなみに、記念すべき1度目のジャンケンは私がすることになった。
ゲームの流れを作る先頭打者。
ここは確実に勝っておきたい。
「じゃあ、始めよう。」
「はい」
女は緊張した面持ちでこちらの方を向いた。
私も軽く深呼吸すると、おなじみの口上を述べる。
「最初はグー」
共に拳を突き出す。
私はこの時点で勝利を確信した。
女の手にはかなり力が入っている。
何を出してくるのか、答えは明白だ。
「じゃんけん、ポイ!」
私はパー、女はグーだった。
女は言葉にならない声を出しながら、悔しがっている。
さぁ、リクエストは何にしよう。
いきなり無理難題を押し付け、女が懸命に断る様子を見るのも一興だ。
ただ、この女はいちいちリアクションがいい。
じわじわ嬲った方が楽しめそうだ、軽めのリクエストでいこう。
「じゃあ経験人数を教えて」
「経験人数はー・・・、1人です」
女は両手で恥じらいの笑みを隠しながら答えた。
「本当は違うんじゃないの?」
常連の男が茶々を入れる。
「違くないです。浮気とかは絶対しないです」
女はややふくれっ面になりながら答えた。
「そうかい、ごめんねぇ。じゃあ、2回目を始めようか」
常連の男はそう言うとすぐに口上を唱えた。
「最初はぐー、ジャンケン、ポイ!」
常連の男はチョキ、女はグーだ。
「あー、負けちゃった~、ごめんよ」
常連の男からは悔しさが滲み出ている。
「いえいえ、次勝ちますから。罰ゲームは何にするの?」
男に答えつつ、女に話を振った。
「んー、あんまし罰ゲームを考えるの得意じゃないんですよね」
そう言いつつも、女はニヤニヤと楽しそうな表情を浮かべている。
「うーん、じゃあ私が小学生の時一番嫌だった尻文字にしましょう」
「お尻でエロって書いてください」
「それならお安い御用!」
女のリクエストを聞くや否やと、ずんぐりむっくりした男はすぐに立ち上がり、私達の目の前で尻文字を始めた。
中年の男の尻が、ノリノリで舞っている。
想像以上に見るに堪えない光景だ、かなりキツイ。
これが私だったらと思うとぞっとする。
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