あれほど念入りに身体を洗ったというのに、ほのかにあの浮浪者の臭いがした。
サキは昼間のことを思い出し自然に指がマンコを刺激する。
「あー気持ちいい」
荒々しい雑な触り方、ゴツゴツとした指の感触、全てが今までのセックスを覆したものが新鮮だったのだ。
その時スマホが鳴った。Xからのメールだ。
「今日はいかがでしたか?忘れられないセックスとなったことでしょう」
サキは全てを見透かされているようで怖かった。
「そんなことありません、言われたとおりにしましたからもう許してください」
「またまた冗談を。あなたにはまだまだやってもらうことがありますから」
サキは落胆した。
今度はどんなことをさせられるのだろうか?
「ではまた連絡しますので」
Xは、そうとだけサキに伝えたのだ。
明くる日からは、つかの間の日常がやってきた。
家事に仕事に子育て。平凡ではあるが幸せだった。
今まで物足りなく思っていた生活がどれほど幸せなことなのか改めてわかったサキであった。
しかしサキはこれから坂道を転がり落ちるということを薄々感じていた。
ある夜、久しぶりに夫幸太郎からセックスを求められたサキは償いの気持ちで快く応じたものの全く感じなかった。
もちろん幸太郎をがっかりさせたくない気持ちで演じてはいたが身体は覚めきっていた。
「またあの浮浪者に抱かれたい」
そう思うサキであった。
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