年が替わり、森はゆうかを再び野外での調教にと連れ出した。
今度は、まだ周囲が暗い早朝である。
最初の野外調教が山だったのに、ゆうかは今度は海に連れて行かれた。
やはり森は、前もって場所を確認していたのだろう、車がやっと通れる松林の中を縫って走り、周囲から見えない場所に車を停めた。
ゆうかは、またショーツ一枚の裸体にされた。
山も寒かったが、1月の海も寒かった。
幸い風は弱かったが、森から腕と胸を縛られ、縄ふんどしを締め付けられた時には、ゆうかはもう顔が青くなって、自然に身体が震えていた。
「寒いか?」
森が聞いたが、ゆうかは顔を横に振った。
我慢して耐えてるのは分かりきっているが、それがまた可愛かった。
森はポケットウイスキーをゆうかの口に当て、一口飲ませた。
山で履いたゴムのサンダルを、また履かされる。
「ここは砂だが、岩場にも行くからね。」
ゆうかは、そんなことにも森の優しさを感じ、
「今度も全て任せよう。
それで酷い経験をしても、けしてご主人様を恨むまい。」
と思った。
松林を出ると幅が15メートルほどの砂浜、その向こうは海だった。
海からの風が直接当たり、ゆうかの肌は体温を奪われていったが、森から与えられた一口のウイスキーが身体を中から温めてくれた。
砂浜は、足を砂に取られるが、同じテンポでゆっくり歩けた。
それが岩場になると、ゴツゴツした不安定な足場と、両手を後ろ手に縛られているために、まだ薄暗い中を、一足づつ探りながら歩くような感じになった。
その為に、縄ふんどしは、ますますきつく食い込んできた。
「明かりをつけたら、遠くから見えるからね。」
森は背中に背負ったナップサックに、万一の時に備え、ゆうかに羽織らせる衣類、傷薬、照明具程度は入れていた。
ああ、家は見えないけど、やっぱりこの辺にも人が住んでるんだわ..。
もし、見られたら..。
寒さでの尿意と別の理由で、ゆうかのショーツは少し濡れた。
やっと明るくなった岩場で、ゆうかは何枚もの写真を写された。
縛られ方はアンドロメダとは違うが、同じように海の岩場で晒されてる写真だ。
ご主人様にお任せしとけば、きっと大丈夫
..。
そう思って、ゆうかは打ち寄せる波が身体にかかる所でも、森に言われたとおり首を俯むけたり、仰け反らしたり、しゃがみこんだり、とポーズを取って写真を写された。
ゆうかは全身に波の飛沫を浴び、ショーツも飛沫で濡れたが、一番奥の方は熱い蜜でぬるぬるしてるのがゆうか自身でも分かっていた。
縄ふんどしも辛くはなかった。
むしろ、
「もっと、締め上げてくれないかしら..」
と思うと程だった。
しかし、森にも誤算があり、トラブルが発生でした。
二人は岩場での撮影が終わり、車を停めている松林に歩いて戻ろうとしたのだが、砂浜と松林の境のところで、人に会ってしまったのだ。
近所の漁師の家の奥さん二人だった。
年齢は50前後、ちょうどゆうかの母くらい。
森達を見て、びっくりして声が出ない様子だった。
森は瞬時に、対処するための行動を始めた。
「おはようございます。驚かせてすみません。」
出来るだけ落ち着いた口調で、相手も落ち着かせるように..。
「おはよう、ございます..」
漁師の奥さんも挨拶を返してくれた。
良かった。
叫ばれてパニックになられたら、困った展開になるところだった。
最悪、警察が来ても、同意の上の行為なのだし、ゆうかはショーツを身につけて陰部は露出してないから、刑事的な問題は生じないだろう。
しかし、この場で治まれば、それが一番良い。
森は人当たりの良い笑顔を浮かべて話した。
「すみません。夫婦なんです。ちょっと変な趣味があるものですから。」
二人の奥さんの目が、ショーツ一枚で縛られているゆうかに向いた。
「本当?」
「貴女、本当にこの人の奥さん?」
ゆうかは、寒さより緊張で全身がガタガタ震えそうなのを必死に我慢して答えた。
「はい、本当です!」
まだ奥さん達は疑わしげだった。
今度は視線が縄ふんどしに向いた。
「本当に?
旦那さんが奥さんをこんな酷い目に合わせる?」
ゆうかは、必死に言った。
「すみません。本当なんです。
私が、こんなことされるのが好きで...。」
二人は驚いたような表現になった。
二人の奥さんも、世の中にはこんな趣味の男女がいると言うなれば知識はあった。
しかし、現実に生々しく、それも野外で見たのは初めてだったのだろう。
ゆうかは続けた。
「この人は、うちの人は悪くないんです。
私が、してって言ったから..」
森は心の中で、
「僕はゆうかを守れなかった。」
と悔やんだ。
この場は、多分無事に切り抜けられる気がする。
近くに奥さん達の家族や仲間がいれば、もう大声を出して呼んでいるだろう。
それをしないということは、この二人の奥さんさえ信用してくれれば、問題はないはず。
しかし、今は驚いた表情だが、この後きっとゆうかに対して、「変態」と蔑みの表情を向け、軽蔑するだろう。
それが、ゆうかを苦しめてしまう。
森は、早くこの二人から離れたかった。
しかし、下手に焦れば、かえって不審に思われて通報される危険もある。
ゆうかを守る筈の森の方が、行き詰まってしまった。
それを救ったのはゆうかだった。
「ほら、この人、背中に荷物を持ってくれてるでしょう。
この中に、私が耐えきれなかった時の着るものとかちゃんと用意してくれてるの。」
「縛ってもらったのも、私が変態でこんなことされるが好きだから。
このふんどしみたいなのも、私が頼んでしてもらったんです。」
ゆうかは、自分の変態趣味を自ら打ち明けている。
縛られたままのゆうかがこれだけ言うと、奥さん二人の驚きは、ますます大きくなったようだ。
いきなりゆうかは、縛られたまま姿で座ると、砂の上に正座した。
そして森の方に向くと、手は後ろで縛られているが、土下座をするように頭を下げて砂地に着けると
「貴方、ごめんなさい!
私が、こんな変態なことをしてくださいって頼んだばったりに!
離婚してください!」
と謝ったのだ。
さらに二人の奥さんの方に身体を向けると、また土下座した。
「本当にごめんなさい。
全部私が悪いんです。
私のことは、どんなにばかにしても良いです。
でも、うちの人は本当に良い人なんです!
赦してあげてください..!」
自分の娘くらいのゆうかが、泣きながら訴えたのは、二人の奥さんを十分に納得させた。
森は雰囲気を見て、しゃがんでいるゆうかの縄を解き、上から着るものを羽織らせた。
それも、ゆうかの言ってたことを裏付けたようだ。
奥さん達は座って泣いてるゆうかに、
「旦那さんは、普段は優しいんだろう?」
と声を掛けた。
顔を上げたゆうかの前に、もう緊張してない普通の熟年の女性の顔があった。
「あっ、はい。
とっても、優しくて..」
奥さん達の表情には、健全な、それでいて好色な微笑みまで浮かんでいた。
「布団の上だけじゃ、足りなかったの?」
「まあ、貴女みたいなきれいな娘さんを奥さんにもらったら、何でもしてやろうって気にはなるだろうね。」
今度はゆうかの方が驚いたような表情になった。
二人は本当にエッチな冗談言う雰囲気になっていた。
「私も今晩あたり、旦那におねだりしてみようか?」
「あんた、そんな事言ってるけど、本当はこの娘さんみたいに旦那にびしびししてほしいんじゃないの?」
「やだねえ、反対に私が旦那をしばくよ。」
そんな冗談を交わした後、
「こんなこと出来るのは、赤ちゃんが来るまでだよ。
本当に気をつけて楽しみなさい。」
母親のような表情にでそう言うと、岩場の方に歩いていった。
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