二人の旅行が終わってから、森はゆうかの日常生活に一つの要求をした。
実行が難しいことではない。
それは、下着はいつも白の綿の大判ショーツを穿くように、と言うことだった。
ゆうかは、思春期からいやらしい妄想などは激しかったが、実際の生活は、貞淑な母の教育を受けて性からは離されていた。
だから実際、高校生になっても子供が穿くような大判ショーツを穿いていた。
体育の着替え等で友達から笑われたこともある。
大学として一人暮らしになり、初めて人並みに小さな女の子らしいショーツを穿くようになった。
それが、陰毛を剃り落とされ、再び大判ショーツを穿かされて、思春期の少女に戻ってしまったようだった。
森はゆうかが言われた通りに大判ショーツを穿いているか、大学の自分の研究室で確認した。
真っ昼間、窓から燦々と太陽の明かりが差し込む中で、ゆうかはショーツ一枚の裸体となって、森の視線を全身に受けた。
夜や休日に森のマンションを訪れた時も、直ぐに服を脱ぎ、ショーツ一枚で過ごした。
森のためにマンションの部屋を掃除し、食事を料理するのも、洗った洗濯物をベランダに干すのも、ショーツ一枚だった。
全裸ではなく、なまじショーツ一枚が許されていることで、羞恥に馴れることが出来なかった。
さらに森から、ショーツの上から縄ふんどしを掛けられた姿で散々責められ、最後にショーツを脱がされてクロッチの染みを調べられる屈辱、羞恥は馴れるどころか、ますます激しくなっていった。
森は自分の手でゆうかのショーツを引き剥がすことは殆どない。
いつも目の前で、ゆうかが自分で脱ぐように命令した。
なまめかしく脱ぐ必要はなかった。
ゆうかが羞恥心から、躊躇いながら脱ぐ姿が森を興奮させた。
脱いだショーツは、直ぐに森が取り上げて裏返し、クロッチの染みや汚れを調べる。
殆どいつも、クロッチの中心部分に縦の黄色い染みがあり、それを取り巻くように透明の滑りのある液体による湿りを帯びていた。
生理が近づくと、おしっことは違うおりものによる染みが目立つようになる。
時にはさらさらした染みではなく、どろっとした分泌物が付着することもあった。
それを森は間近に見て、匂いを嗅ぎ、指で触って調べる。
ゆうかは、森が恥ずかしい汚れを調べるのを、側で見ていることが命じられる。
たまに、裏返した自分の穿いていたショーツのクロッチを、舐めさせられることすらあった。
その後の責めで、苦痛で悲鳴をあげそうな時は、それがゆうかの口に押し込まれる。
ゆうかにとって、惨めでたまらないが、とても甘美な行為だった。
ゆうかの母も、ゆうかが見ているところでは、いつも大判ショーツだった。
実は森の母もだった。
森が初めて母が責められているのを目撃した時も、母は大判ショーツを穿いていた。
小学校5年の頃だった。
森は家の倉庫で、捨てるために重ねられた古本の中に、女性の裸体が載っている本を見つけ、密かに自分の部屋に持ち込んで読んだ。
初めの方のグラビアページでは、若くプロポーションが良い女性が、全裸でにこやかに微笑んでポーズを取った写真があった。
その写真にも引かれたが、そんなヌード写真はこれまでも何度か見ている。
しかし、本の中程の白黒のページに、大判ショーツだけしか身につけてない女性が、山の中のような場所で後ろ手に縛られて恥ずかしげに項垂れている写真があった。
それが、森のSMとの出会いだった。
写真の女性は、そう若くない。
髪もアップにし、落ち着いた雰囲気の熟年の女性が、ショーツ一枚、履き物も履かずに裸足で地面に立たされ写真を撮られているが、なぜかとても生々しく思えた。
この女性はどうして外で裸で縛られているのか?
何か悪いことをして罰を受けているのか?
いや、悪い人から拐われて、無理やりこんな恥ずかしいことをされているのかも..。
少年だった森にとって、後の想像の方が興奮する内容だった。
森はそれからは、女性が恥ずかしくて可哀想なことをされる想像をするようになった。
想像の中で縛られるのは、最初は学校のクラスの同級生であることが多かった。
頭が良く真面目な学級委員長の子も、泣きながら縛られた。
発育が良く活発なのに、捲れたスカートの下に半パンを穿いておらず、白い生パンだった女の子も勿論だった。
少し年上で近所に住み、森に優しくしてくれる女子中学生のお姉さんも、山の中で悪者にセーラー服を脱がされて縛られた。
森にとって嫌な女性ではなく、どちらかと言うと好きなタイプの女性が、想像の中では犠牲となった。
しかし森の想像力では、野外で裸で縛られた女性が、それからどういう運命を辿るかまでは想像しずらかった。
その子達は裸にされて外で縛られて、とても恥ずかしくて泣いている。
それから先のことを森は子供なりに色々想像して、ある程度興奮はしたが、あまりリアリティーがなかった。
真面目な学級委員長と優しい中学生のお姉さんが、二人で山の中で裸にされて縛られる。
夜になり、悪者は家に帰ってしまう。
残された二人は、夜の恐さと寒さに震えて、やがて可哀想に死んでしまう。
そのように不自然で極端な想像しか出来なかった。
エッチなことを組み込んでも、悪者に胸を揉まれて恥ずかしがると言う程度だった。
妄想の中に登場する被害者に、森が大好きで甘えていた優しい母もいた。
優しくきれいな母は、悪者に拐われて山の中で裸にされる。
しかし、死にそうになったぎりぎりのところで自分が助け出すと言うマザコンそのもののような妄想だった。
それが劇的に変わったのは、中学1年の時だった。
その優しい母が、本当に裸で縛られている姿を見てしまったのだ。
体調が悪く学校を早退した森は、普段は開いてる筈の窓のカーテンが閉まっているのに気がついた。
お母さんは留守なんだろうか?
鍵を持ってないから入れない。
インターホンを鳴らしたが、家の中からの反応はなかった。
どうしようか?
家の脇から裏庭に回ってみると、裏のガラス戸もカーテンが閉まっていた。
その時ふと、何故かカーテンの隙間から室内を覗いて見る気になったのだ。
自分で自分の目を信じられなかった。
ほの暗い和室の床の間の柱、そこに母が裸で立っていた。
手を後ろに回していて、豊かな森が大好きな匂いのする胸には縄が巻かれていた。
全裸ではない。
おへそがぎりぎり見える大判ショーツだけを身につけていた。
顔はうつ向いている。
もしかしたら、泣いてるのかもしれない?
森は混乱したが、とにかく母を助けなくてはと考えた。
その時、薄暗い部屋の中には、もう一人いることに気がついた。
視界の隅に、床に座っている父の姿が見えた。
では、お母さんを縛ったのはお父さん?
混乱したが、辛うじて大声で二人に呼び掛けるのは留まった。
しかし、目は背けられなかった。
しばらくして、座っていた父が立ち上がり、縛られる母の側に行くと、片手で母の豊かな胸を揉みながら、唇にキスをした。
男女がキスをするのを、生で見たのも初めだった。
その後、二人は小声で話していたようだか、やがて父は母を縛っていた縄を解いた。
森はそっとその場を離れ、近所の公園でしばらく時間を潰した。
体調が悪いなんて、もう忘れてしまっていた。
優しい母を裸で縛る父が憎かった。
しかし、母の表情は恥ずかしげではあったが、嫌悪や怒りではなかった。
キスする直前の表情は、むしろ甘えているかのような印象だった。
それからしばらくは、森は家でも両親の顔をはっきり見れなかった。
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