温泉から早々に上がったふたりだったが、森は初めて触れたゆうかの身体に未練があった。
それまで長い期間を掛け、二人がお互いの性癖、経験を理解し尽くしたつもりだった。
だから、今日こそ素人のサークルのメンバーによるショーを見た後、ゆうかの身体を縛り、酷く、惨めに、そして可愛らしく責めるつもりだった。
ゆうかも、それを承知してくれていた筈だった。
それが、温泉から上がった時から、ゆうかの様子がおかしかった。
森の一物にキスを要求したことが原因ではないようだ。
不安はあったが、夕食後に予定通りサークルの世話役をしている知人と会い、ゆうかを紹介すると共に、夜の素人の同好者同士による秘密ショーの見学を確認した。
ショーの前に、二人はサークルの会員に紹介された。
殆どの会員は、二人を歓迎したような顔つきだった。
SMを理解している素人の仲間、と受け入れてくれたようだった。
ショーは、旅館の宴会場のステージで行われた。
その日の出演者である女性五人が、各々のパートナーに付き添われて、ショーツ1枚で後ろ手に縛られてステージに上げられる。
20代から40代の女性4人は、この日の為に用意したと思われるセクシーな小さなショーツや、贅沢にレースを使った高級感のあるショーツを穿き、その表情は羞恥に染まっているものの、自分がこの場で晒されるのをパートナーが望んでいるのを理解し納得している様子だった。
中には、付き添うパートナーに甘えたような表情を送る女性もいた。
それを見守る観客席のサークルのメンバーも、ほのぼのとも見えるその様子を良しとしていた。
その雰囲気は、都会の劇場で見られるいかに猟奇的に女性を責め苛むかを演出するSMショーとは異なる雰囲気だった。
しかし、最後に舞台に上げられた50年配の女性だけ、雰囲気が違っていた。
第一その女性だけが、手拭いで顔の下半分を隠されている。
手拭いから出ている目や眉からは、激しい執着と、怯えとも思える表情が伺えた。
身体はやや太りぎみではあるが、その年代層の女性の平均的な体格である。
胸はDくらいだろうか、それほど垂れてはおらず、形は崩れていないが、右の乳首がやや変形しているように見えた。
穿いているショーツは、他の女性と違って、臍まで隠す白い大きな色気のないものだった。
付き添う男性との関係ははっきりしないが、だどうも普通の夫婦には見えなかった。
むしろ、女性は男性を恐れているかのように思われた。
司会者が5組のカップルについて、簡単に解説する。
4組のカップルは、やはり夫婦、恋人であった。
しかし、最後のカップルについては
「貸し出し調教中。本人も納得承知の上で参加」と紹介された。
この人、お母さんに似てる!
ゆうかの悪い予感がますます強くなった。
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