今度の母の失神は、かなり深いようだった。
男は一度は片手に膣用のバイブを持ったが、母に挿入するのを躊躇ったようだった。
母は気絶する直前に、夫、つまりゆうかの父に助けを求める悲鳴をあげた。
自分を貸し出し、これほどの屈辱、苦痛、羞恥を味わわせた張本人の筈なのに、最後は夫を呼んだのだ。
静まりかえった観客席を見回して、男は口調を改めて言った。
「この奥さんが、旦那さんを愛してるのが、分かりましたか?」
何人もの観客が、黙ったまま頷いた。
男も女もだった。
「私はサディストだし、女の人を責めるのが好きです。
でも、どんな女でも良いとは思ってない。」
「もちろん誰から責められても、すぐにウッフン、アッハンとなるマゾもいます。
そっちの方が好きだって言う男も多い。」
ちょっと言葉を切って、また話始めた。
「ここに居られる皆さんは、そうではないと思うんですが..。
愛してるから責める。愛してるからそれに耐える。そんな人達だと思います。」
また観客の多くが、静かに頷いた。
「私はこの奥さんに、お前は淫乱だとばかりに言いました。
でも、この奥さんが淫乱ではなく、普段は貞淑で優しい家庭の主婦なのはお察しくださいますよね。
皆さんも、この奥さんと旦那さんのような深い愛情を育まれることをお祈りします。
本当にありがとうございました。」
男は膣へのバイブの挿入はせずに、頭を下げてショーの終わりを宣言した。
しかし、文句を言う者は誰もいなかった。
観客達は、パートナーとお互いに手を繋ぎ、あるいは肩を抱いて、それぞれの部屋に戻っていった。
ゆうかは席を立てなかった。
ステージで気絶している母が気になる。
母は既に特製の診察台の拘束ベルトは解かれ、身体全体を白いシーツのような布で覆われていた。
ゆうかが側に寄ろうとしたら、森がそれを止め、自分がステージで母を見守っている男の側に行き、何か短く会話した。
あの人が行ってくれて良かった。
まだ混乱している私が行けば、親子だと言うことをばらしてしまったかもしれない。
ゆうかは改めて森に、大人として、男性としての頼もしさを感じた。
しばらくして戻ってきた森から、
母はもう気がついており、男が言うには、脈等も問題なく、アナルのディルドーも抜かれており、裂傷や出血はないとのこと。
母を責めていた男性は、実は医師免許を所持しているらしく、会話したところ確かにかなりの社会的地位と教養があるらしいこと。
等を分かりやすく話してくれた。
「さあ、もうお母さんは心配ない。
僕たちも部屋に帰ろう。」
森はそう言って、ゆうかを部屋にエスコートした。
森の肩に頭を預け、肩を抱かれながら、ゆうかは部屋へと歩いて行った。
森は、あの女性が私の母だと確信している。
でも、それについて私に何も聞かないし、責められてる母にも嫌悪感を抱いていない。
これから私を責めてくれる男性は、なんて素敵な人なんだろう..。
すでにゆうかは恍惚となっていた。
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