翌日目が覚めると隣にまだ寧子さんが寝ていた
時計は5時
たしか7時に起きて出勤て言ってたな?
1人布団から出て台所へ行って水を飲む
朝食でも作ろうか?
そう思い冷蔵庫を開けたが飲み物と少しの調味料、白菜の漬物、卵が二個
主菜は無いが食パンや米はある
それとなんだか分からない違和感がある
とりあえず米を炊き、具が白菜と卵だけのチャーハンを作る
これならもし朝飯食べなくても昼飯の弁当として持っていけるだろう
作り終わってまだ時間が有るから、ツマミのポテチでコンソメスープでも作ろうと思い、違和感の正体に気づいた
鍋がない
いや、フライパンしか無い
調理器具が一切無いのだ
とりあえず電気ポットでお湯を沸かしコーヒーを淹れていると寧子さんが起きてきた
『おはよう…何してたの?』
『おはよう、簡単にご飯作ってた。それとシャツくらい着ない?』
『あたしの裸を見せつけて早く惚れさせようと努力してんの。どう?ムラムラしてこない?』
『慣れて逆効果になってしまいますよ…』
『フンッ!インポ野郎!』
『はぁ…朝ご飯で食べますか?仕事に弁当として持っていきますか?』
『両方』
『じゃあ温め直して簡単なスープでも作りますからシャワーでもしてきてください。』
『たかし…アンタ一流のヒモになれるぞ(笑)』
『お褒めの言葉ありがとうございます』
『じゃあ行ってくるね~。鍵渡しておくから合鍵作ってきて。あとバイトで良いから探してきなよ。アッそうそうこれ今日のお小遣い。あんまりいっぱいあげられないけどさ。』
5,000円
『要りません。今日中にお金は目処が立ちます。』
『…ギャンブルか?やめとけ。じゃあ時間が無いから行ってくる。夕食は帰ってから一緒に買いに行こう。じゃね。』
どうしようか?
帰ろうと思ったらいつでも帰れる
しかし残された寧子さんは?
それに寧子さんが背負っているものは、もっと深いのではないか?
今の私には荷が重いかも
こう言う時には人生経験豊富な……
『もしもし、たかしです』
『おっ?どうした?長期旅行に行くって言って3日で寂しくなったか(笑)』
『少なくともめぐみさんに会いたいとは少しも思っていませんから。
そんなこと話すために電話したんじゃないんです。
私の経験では理解不能になりましたのでご教示お願いします。』
※元投稿はこちら >>