2kの小さなアパートの奥の一間を寝室に手前の一間にテレビと小さなテーブル二人掛けのソファーを置きリビングのように使っている
「狭い家ですけど どうぞ」
玄関を開けテレビのある部屋へと智哉を誘導しテーブルの前のソファーへと腰かけてもらう
「オレの個人的な悩みなのに家にまであげてもらって..本当にすみません..」
「だ、大丈夫ですよ。気にしないでください」
冷蔵庫から取り出したお茶を二つのグラスに注ぎ入れテーブルの上にグラスを置き申し訳なさそうに俯く智哉へ「どうぞ」と目配せですすめる。
グビ、グビッ..ゴクン..
静かな部屋に智哉の喉の音が響くようで何だか気不味い...
「あの、それで相談って何でしょうか?」
気まずさから話を切り出す友香子
暫く沈黙が続いたが意を決したように顔をあげ智哉が一気に喋りだした
「実はオレ..その..女性と付き合った事がなくて..友達からバカにされて辛いんです。そんな事くらいって思うかも知れないけど..女性の身体の事何も知らなくて...このまま女性の身体を知らずに過ごすならもう死んでしまいたいって思ってるんです。こんな事で悩んでるなんてバカだって思いますよね?浅川さんもオレの事軽蔑しますよね?」
「あぁ、こんな話してしまってすみません。もうオレ恥ずかしくて仕事にも行けません。仕事も辞めます。そして一人で死にます」
「えっ?ま、待ってそんな会社を辞めるとか死ぬとか言わないで...私、中田さんの事バカだなんて思わないし軽蔑もしません。その..誰にでも悩みはあると思いますから..」
智哉の極端な言葉につい引き込まれ返事をしてしまう友香子
「えっ?じゃあ浅川さんがオレに..?オレに女性の身体を教えてくれるんですか?本当ですか?浅川さんに相談してよかった!!ありがとうございます!!」
「えっ?えっ?ち、違いますっ!私ただ..その..バカにしないって..」
「えっ?違うんですか?やっぱり浅川さんもオレの事バカだと思ってるんですね。やっぱりオレはもう死ぬしかないんですね..」
「い、いや違います!!死ぬなんて言わないでください..それに私なんかじゃ...その..私も男性の事よく知らないし...」
「いや、知らなくていいんです!オレはただ女性の身体を生で見たいだけだから、浅川さんは何もしなくて大丈夫ですから」
「ちょっとこっちのソファーに座ってください」
おかしな成り行きになってしまったのに遮る事が出来ずに智哉に促されるままソファーへと座る友香子
智哉は直ぐ様立ち上りテーブルをずらしソファーの前に座り込む。
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断れない友香子