『私は…まだオンナです。でも、夫を亡くしてオンナとしての悦びを与えられることが、なくなってしまいました…』悦子はうつむいたまま話した。
『それが、悦子さんに秘められていた心の声ですね。
女性としての魅力に満ち溢れた悦子さんの心の声…僧侶の私にもっと聴かせてください』
『ああぁ…住職の耳が私の秘められた卑猥な声を…私はお義父さまにも、この声を聴いてもらいたいのです』
『それでよいのですよ。
あなたは女として、悦びを与えられるのではなく、悦びを与えてあげればよいのです。
お義父さまにも…そして私にも…
『えっ!?御住職にもですか?』
『そうです、私は妻に先立たれてオトコとしての悦びを与えられることがなくなりました。
悦子さんと私はお互いに悦びを与え合えることができるのです。
悦子さん、どうでしょう…この寺で悦びの修行を積んで得度しませんか』
『修行?得度?御住職、意味がわかりませんが…』悦子は困惑していた。
『つまり…悦子さんも僧侶になるのです!!』
『えーーっ!!私が僧侶に?オバサンだし、女性ですよ?』
『女性でも僧侶になれますし、年齢は関係ありません。もちろん頭を坊主にする必要もありません。ゆっくり考えてみてください。』
『は…はい、とにかく今日はいろいろありがとうございました。』
悦子は挨拶もそこそこにして、逃げるように義父の待つ家に帰ってきた。
※元投稿はこちら >>