美佐子と佐藤は、佐々岡に割って入られると口を閉じてしまい、静かな会議室の中で、美佐子と佐藤はお互いの心を探るように沈黙が続く…すると、佐々岡は美佐子に向かって話し掛ける…
「お母さん…この事はやっぱり、校長に話して裁量を貰う方が良さそうですね…」
佐々岡は美佐子が一番心配している方向への会話をされると、震えた声で…
「せ、先生…それだけは…お願いです。校長先生にはお話にならないで下さい!それだけは……困りますっ…もし、それで退学を言われたら、私…主人にもなんて言われるか…」
美佐子は家庭を守り、主人よりも大志の良き理解者の母をしている立場なのに、こんな事で退学にでもなると、美佐子の立場がない…そんな事を考えるだけで、佐々岡を見る目も潤んでしまって…遂には涙を零してしまう。
すると、沈黙していた佐藤は、涙ぐむ美佐子を見て…
「大志君のお母さん…すみません…私がもっとしっかりしてたら……佐々岡先生、お願いですから、大志君の事を校長先生には言わないでください。お願いします…できるだけ早く、大志君とは別れるようにしますから…」
佐藤はそう言いながら、美佐子の肩を抱いて労るようにしながら、佐々岡に懇願して…
「そうですね…お2人がそう言うなら…内密にしてもいいのですが……それだけではね?」
2人を見る佐々岡は、先程の信頼される教師の表情から一変して、ニヤリと微笑むと眼鏡を外してギラギラとした視線を2人に投げかける
「いいですか?佐藤先生とお母さん…いや、奥さん…内密にすると言うのは、私にリスクを追わせるって事ですよね?ふふ……じゃあ、それなりの代償を頂きたい…これが、私の本音です。」
佐々岡は神聖な教職という立場とは思えない言葉を2人に吐くと…理恵子も美佐子も顔を引き攣らせて震えて…
「先生っ!何を仰るの?先生なのに……代償ってなんですか!」
美佐子は涙目で佐々岡にそう言うと、次に理恵子も…
「佐々岡先生っ!そんな先生がする事ですか!そんな事言うなら、私は校長に……」
理恵子は「校長に…」という言葉を言うと隣の美佐子を見てそれ以上何も言えなかった。
「校長に?なんです?言うんですか……言ったら、大志君の事もバレて退学になるかもしれないですね?それに…校長が生徒と関係を持った非常勤講師と、私をどっちを信じるんでしょうね?ふふ…」
佐々岡はニヤニヤと2人を見下すように視線を送るとテーブルの上にボイスレコーダーを置き再生のスイッチを入れる…すると、さっきの会話を再生されて…
「証拠も取りましたしね?お2人…いいですか…立場のご理解は?…今日から、お2人とも、私の言う事は絶対です。いいですね?もし…それを守らない時は……校長に暴露しますから…」
佐々岡の口から出る言葉に
、ただ聞き入るしかなく…2人は佐々岡を睨む事でしか抵抗する事は出来なかった。そして…美佐子は…
「先生…本当に私が言う事を聞いたら、大志は救って頂けるんですね?何もなかった事に…してくれるんですね?」
美佐子は息子の為と思うと覚悟を決めたように話す。そう言うと理恵子は…
「大志君のお母さん…そんな…本当にいいんですか?大志君のために…仕方ないです。私も大志君のために従います。」
理恵子は美佐子の母親の姿に感銘したように素直に聞き入れて
「じゃあ、決まりましたね。今日から2人とも私の言う事を聞いて貰いますよ?いいですね?」
佐々岡は2人を見ながら…これから、2人をどう辱めてやろうかと、口角を緩めて見つめていた……
~続く~
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