1年半前
職員数名: それじゃー!またー!お疲れ様でしたー!
女友達: どうやって帰るの?
彼女: 私はバスです!
女友達: そっか!んじゃまた明日!
彼女: うん!明日!
バイバーイ!
私のいる南口とは反対の北口にあるバス停に向かい歩き始めまた。
少し歩いて横断歩道を渡ろうとした時に目の前で車が止まりました。
窓から男性が声を掛けてきました!
びっくりして無視しようとしたら名前を呼ばれて!
事務長: おーい!私だ!
彼女: あ!事務長!どうされたんですか?
声を掛けてきたのは弓田事務長、私はこの弓田事務長が苦手でした。
噂で女癖が悪いとか聞いていたのもあって...
事務長: 君、イオンの近くだろ?送ってあげるから乗りなさい!
彼女: え?いっいや!大丈夫です!バスで帰れますから!
事務長: こんな時間に1人じゃ危ないよ!通り道だから!早く乗りなさい!
彼女: ...あ...じゃぁ...すいません...
私は職場で絶対的な存在の事務長の言葉を断ることが出来ませんでした。
でも、車の中では思っていたより会話が弾み少しホッとしていました。
住んでいたアパートの近くに着いたので
彼女: ここで!ここで結構です!
事務長: ダメだよ!家の前まで送るよ!どっち?
彼女: あ...はい...右です...
特に怪しい感じでは無いし50過ぎのオジさんがまさかと思いアパートまで送ってもらうことに。
しかし、アパートまでもう少しのところで急に事務長がお腹を摩り始めて...
彼女: 事務長?大丈夫ですか?
事務長: んー...大丈夫!なんでもない!
アパートに着き
彼女: ここで大丈夫です!ドアを開け車内灯が点いた時に事務長の顔を見ると冷や汗をかいていて!
彼女: 事務長?お腹痛いんですか?
事務長: うぅん...ちょっちょっと悪いがトイレ借りていいかな?
彼女: え?...あ...はい!どうぞ!
私は先に車を降りて玄関を開けた。
事務長は車を止めてトイレに駆け込んでいく!
私は玄関で事務長がトイレから出るのを待った。
しばらくして事務長がトイレから出てきた。
事務長: いやー!ゴメンね!なんか変な物でも食べたかなー?すまんすまん!
手を洗いながら話す事務長。
彼女: 大丈夫ですか?
事務長: あぁ!大丈夫大丈夫!落ち着いたよ。
部屋を見回し始めた!
事務長: なかなかいいトコに住んでるじゃないか!
彼女: そうですか?家賃やすいですよ!
事務長: ふーん!君、彼氏は?彼氏はいるの?
彼女: え?...いませんけど...
事務長: そーなのか!1人じゃ寂しいなぁ!?
彼女: うーん...そんなことないです...
なぜか帰ろうとしない事務長。
事務長: 食事は?自炊なの?
彼女: 出来るだけ...
事務長: なるほど...
やっと玄関に向かってくる。
私が玄関を開けようとした時!!
事務長の手がそれを止めた!
彼女: え?なっなんですか?
事務長: なんですか?男と女が1つ屋根の下!することは1つでしょ?
そう言うと、いきなり抱きついてきた!
彼女: イヤッ!なっなにするんですか!!やめてっ!
事務長: うるさい!騒ぐな!言うことを聞いて!!
彼女: イヤです!人を呼びますよ!!
事務長: なんだと!?人を呼ぶ?呼べばいい!困るのは君だ!!
彼女: は?何言ってるの?意味わかんない!!離して!!
事務長: いいでしょ!コレでも強気でいられるかな?
事務長がスラックスのポケットからボイスレコーダーを出した!
再生を押す!
レコーダー
ねぇ!ちょっと!さっきの何?
私の声だ!
あ...すいません...つい...
職場の元同僚の声!女性職員だ!
彼女: 利用者に手を出すってどういうこと?
同僚: すいません...カッとなってしまって!
彼女: ふざけないで!コレは報告します!
同僚: すいません!もうしません!それだけは...
彼女: なんであんな酷い事が出来るの?この仕事向いてないと思います!
同僚: すみませんでした!
彼女: 謝って済む問題ではないです!まず人としてムリ!
同僚: やっと...やっと資格取って着いた仕事なんです!勘弁してください!
彼女: ムリです!私に謝るんじゃなくて利用者に謝るべきです!!
同僚: わかりました!謝ります!だからどうか...ゥゥゥ...
彼女: なんであんなことしたの?
同僚: 私...シングルで2人の子供を育てているんです!2人とも男の子で言うこと効かなくて...毎日毎日、仕事と家事でイライラしてしまって...すいません...
彼女: そんなの...理由になりませんよ!
同僚: わかってます!これから心を入れ替えて働きます!だから...お願いします...
彼女: いいですか?あの利用者は認知症だけど、私達の人生の先輩で今まで一生懸命生きてこられたの!尊敬すべき人に手を挙げるなんて最低です!
同僚: すいません!すいません!もう二度としません!
彼女....本当ですか?約束できますか?
同僚: はい!約束します!
彼女: まず、利用者に心から謝ってください。そして二度としないと誓ってください。いいですね!
同僚: はい!わかりました!謝ります!すいませんでした!
彼女: このことはひとまず私が預かります!もしまた利用者に失礼な態度を取ったらすぐに報告します!いいですね!
同僚: はい!すいませんでした!
彼女: すぐに謝りにいってください!
同僚: はい!失礼します!!
彼女: ハァ...
レコーダーが切れた。
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