週明けて月曜日。毎週月曜日は美紀が休みだった。
9時に朝礼を行ったあとミーティングになる。
「では本日の予定を小倉から」
「はい。本日は昨日来店された方へ挨拶まわりと...」
営業がその日の予定を報告していく。
「では18時にはみんな戻ってるな?」
「あっ。帰りついでに寄りたいところがあるのですが...」
「急用か?」
「いえ。自宅方向なので夜にお伺いしようかと」
「急用でなければ水曜以降じゃダメか?」
「いえ。では水曜日に...」
「ではみんなに頼みたいことがあるんだ」
「何ですか?」
「いや。今井の担当のお客様なんだが...」
『本当に大丈夫なのだろうか?』
小池は一瞬言うべきか迷った。
「今井の担当?」
「どうした今井」
「えっ...」
「どうしたんだ?苦戦してんのか?」
「...はい」
「まぁ1年目だからなぁ」
小池は言葉を遮った。
「今井アンケートを配って」
「はい」
今井は雪菜のアンケート用紙のコピーを営業に配った。
「ん?」
「雪菜か」
「えっ?」
趣味を見て驚いた。
「野外露出と肉便器奉仕?からかってるんじゃないのか?」
「それがな...その通りなんだよ」
「えっ?その通りって何ですか?」
「だから露出好きな肉便器だ...」
「えっ?」
「またまた店長までからかってるんですか?」
「これ見てみろ」
パソコンを開くと試乗車の車内ドライブレコーダーの映像が流れた。
勿論会話も録音されている。
「えっ」
「今井...店長も何してるんすか」
「いや頼まれたら断われないだろ?」
「スゲーな3Pかよ」
「マ○コとア○ルも使えるんだよ。なぁ今井」
「はい。肉棒貸してって言うから...」
「今井貸してって...」
「それでな...。ショールームで廻されたいらしいんだ」
「えっ」
「ショールームで?」
「あぁ。営業が何人いるかも聞いてきてな」
「俺等もヤレるんすか?」
「協力してくれる?」
「協力しますよ」
「何だ今井。もっと早く言えよ」
「すみません」
「美紀が休みな月曜日しか無いんだよ。急なんだが...」
「いえ。ヤラせてください」
「契約も肉棒次第らしいからメチャメチャに廻してくれるか?」
「勿論です。楽しみだなぁ...ところで可愛いんすか」
「あぁ。可愛いぞ...スタイルも良くて...パイパンだ」
「パイパン?変態だな」
「肉便器のタトゥーも彫ってあるぞ」
「タトゥー?」
「恥丘に彫ってあるんだよ。マジで興奮するぞ」
「今井。今でも良いよ」
事務所が活気付いた。
「もしもし○○自動車の今井です」
「もしもし。こんにちは」
「今お時間よろしいでしょうか?」
「はい」
「ご検討はいかがでしょうか」
「まだ検討中ですが」
「そうですか。実は雪菜様にプレゼントをご用意しましたのでご連絡させていただきました」
「プレゼント?プレゼントって何ですか?」
「はい。私共の誠意を」
「誠意?」
「はい。もしお車を購入していただきましたら、今後も長くお付き合いさせていただくと思うのですが」
「はい」
「なので私共の誠意をお見せしたいなと...」
「良く分からないですが...」
「あっ...。雪菜様の夢を叶えさせていただきたいと...」
「夢?」
「ええ」
「夢ですか?...」
『夢って何だろう?』
「本日お時間をいただきたいのですがいかがでしょうか?」
「うーん...大丈夫ですが...」
「では19時にショールームへお越しいただけますか?」
「ショールームへですか?」
「よろしければお迎えにあがりますが...」
「自宅ではダメですか?」
「是非お越しいただきたいと...」
「...分かりました。では伺います。19時ですね」「はい。では18時半頃お迎えに上がりますね」
「いえ。バスで伺います。目の前にバス停ありましたでしょ。家の前から出てるので大丈夫です」
「承知しました。では宜しくお願い致します」
「はい」
「店長。19時に来てくださいます」
「うん。聞いてたよ...お前。もっとトークを勉強しとけ」
「はい。すみません」
「何を伝えたいのか分からないぞ」
「はい。すみません」
「じゃぁ時間まで他のとこ営業行ってこい」
「はい。行ってきます」
『営業所に誰もいなくなるな...フロントに立つか...どんな格好で来るんだろう?』
小池はフロントで肉便器を検索して動画を見た。
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