続きです。
撮影の日が来た。私は、身支度を整え、住み慣れた家に向かった。
家に着くと数人の男性が忙しく働いていた。
私は、監督らしい人に声をかけた。
「監督さん。こんにちは、今日はいい天気ですね。私は佐々山久子と申します。」
「佐々山久子?佐々山・・」
その人は怪訝な顔をした。
「あ~あ。社長から話は聞いてます。オーナーの久子さん。すみません。すぐに思いだせなくて。」
「いえ、いいんです。今日は見学させていただきますね。」
「はい。ゆっくり見て行ってください。」
「ありがとうございます。」
「結構、刺激的な撮影ですよ。それと、撮影中は、物音を立てたり、声を出したり、撮影場所からの移動は厳禁です。いいですね。」
「はい。わかりました。」
「では、こちらのソファーでご見学ください。」
こうして撮影は始まった。
最初は、夫の残した借金の返済を迫られるシーンだった。
『何これ。どこが刺激的なの?ありきたりで、つまらないドラマね。それに女優さんも男優さんも見たことない人だし。』
私は退屈しだした。
そして、退屈なシーンが終わった。すると監督が私に
「これから、大切なシーンの撮影です。さっき言ったことお願いしますね。」
「ええ。わかってます。」
再び、撮影が始まった。
男優が麻縄を手に持ちそれを女優の顔に擦りつけ
「奥さん。わかってるよな。奥さんの体で借金を返済してもらうぜ・・・・・」
そして、女優の体を縄で縛りだした。私は思わず立ち上がり、叫んだ。
「ちょっと。これって・・・」
「シッ。声を出すな。」
「しかし、これって・・・・・」
監督は私に近づき
「声を出すなって言ったろ。うちの会社は、AVの制作会社なんだ。」
「AVって・・・」
「うるさい。此方はこの撮影に時間と金を注込んでいるんだ。だまってろ。」
監督は怒りに満ちた顔を私に向け、怒気を含んだ声で、私を怒鳴った。
怒鳴られた私は、体が硬直し、頭が真っ白になった。
「おい、この女を静かにさせろ。早くしろ。」
スタッフが私に近づき、
「久子さん。縄で拘束しますね。それと、口も」
硬直した私の体をスタッフは、手慣れた手つきで【後手縛り】に縛ると、ソファーに座らせ、両足を【M字開脚】に縛った。そして、口轡をした。私は、身動きもできず、声も出せなかった。
私が拘束されている間、監督は、女優の気分を盛り上げようと、話し込んだ。しばらくして
「よ~し。再開するぞ~。準備できてるか~。」
監督の号令で再び撮影は再開された。
続きます。
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