男は、昨日、奈々が美容室のスタッフに披露したテレビ電話のバックアップ動画を見返した時、途中から茉凛の表情が急に変わり、興奮した表情になり、その後は発情しているような表情に見えた。
明らかに様子がおかしくなった所を見逃さなかった。
その場面をよく見てみると、奈々の足がアップに映った後からだった。
きっと職業病的に髪や爪をどうしても見てしまうんだろうと推測し、だから奈々にワンポイントでネイルを頼んだ。
この計画を思いつき、茉凛を動揺させるためだった。
男は茉凛の目から視線を逸らさなかった・・・
茉凛の心の中
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「なんで、そんな茉凛の目をじっと見てくるの?」
「本当に何しにきたの?」
「そんな,見ないでください。」
「な、何か私に言いたいのですか?」
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特にご主人様から話かけることはなかった・・・
茉凛の心の中
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「なんで、そんな見てくるの?」
「なんで、さっきあんなおちんちん勃ってたの?」
「本当に何しにきたの?」
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どんどん勝手に茉凛は動揺していく・・・
そして沈黙に耐え切れず
自ら探りを入れ始める。
茉凛
「そういえば、今回初めてのご来店だったですよね?」
「どこで知ったんですか?」
ご主人様
「人伝に聞いてね」
茉凛
「そうだったんですね。」
「あっ、もし差し支えなければご紹介者様を教えて頂ければ、割引券をご紹介者様にもお付けできますが?」
ご主人様
「大丈夫ですよ。」
「コロナで来客人数も減っているでしょうし、割引券なんて大丈夫ですよ。フフ」
茉凛
「お気遣い頂いてありがとうございます」
「でもなんで私を指名して頂いたんですか?」
ご主人様
「ネットで調べたら、あなたがネイルも兼任していると書いてあったからです。」
「お恥ずかしいですが、営業職でお客様に商品の提案する機会が多く、今は男性も綺麗な爪の方がお客様受けが良いとのことで、部下たちが皆で決めたのもで、やらないわけにはいかず」
「男がネイルケアなんて、恥ずかしいですが・・・」
茉凛
「そうだったんですね。」
「今結構男性でも多いんです。」
2人も当たり障りのない会話を続けていく・・・
カラー待ちの際、茉凛はこの男は何しに来たのかが
ずっと気になってしょうがなかった・・・
まともに、男の目も見れないまま、カラーも終わった。
残すところはネイルだけだった。
茉凛は早く終わらせたかった・・・
茉凛
「ネイルは別室に移動して行います。」
「申し訳ございませんが、ご移動をお願い致します。」
ネイルサロン専用の部屋に移動した。
茉凛は、必然的にご主人様と2人だけの密室になった。
茉凛がネイル作業に取り掛かろうと、
男の手を握った時だった。
ご主人様
「茉凛さんて、見かけによらず、むっつりスケベですよね。フフッ」
優しい顔で茉凛を見つめながら言った。
茉凛
「な、何、冗談いってるんですか?アハハ」
「やめてくださいよ」
茉凛は、内心、心臓が止まりそうなほど緊張していた。
ご主人様
「私は冗談なんて一つも言ってませんよ。フフッ」
「茉凛さんも、最初のシャンプーの時、私が昨日テレビ電話の男と気づきましたよね?」
茉凛
「何の話か、まったく分かりません。」
「人違いではないですか?」
男は、スマホを取り出し、茉凛の名前で登録されている発信歴を見せた。
茉凛
「そ、そんなの幾らでも名前だけは登録できますよね?」
動揺する茉凛。
ご主人様は無言で茉凛の番号に発信した。
ヴゥーヴゥーヴゥーヴゥーヴゥー
ヴゥーヴゥーヴゥーヴゥーヴゥー
茉凛が着用しているエプロンのポケットからバイブ音が響く・・・
ご主人様
「いつもお客様のネイルが完成したら、インスタにUPされていますよね。」
「やっぱりスマホ持ってましたね。フフッ」
茉凛
「・・・」
茉凛は怖くなってきた。
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