庄司
「もしもし、庄司です。」
「なんでFacetime?誰ですか?」
パンティ一枚姿で胸を腕で隠し、縮こまる女性の姿が画面に映し出される。
庄司
「えっ、誰ですか?えっナニコレ?」
「ちょっと、ちょっと待ってください」
テレビ画面には庄司のびっくりする顔がアップで映し出され、背景にはいつも自分が働く会社の絵が映し出されていた・・・
庄司はまだ残業をしていたようで、慌ててトイレに移動する。
奈々はもう、身を隠すしかなかった。
庄司君にこんな姿を晒していることが耐えられなかった・・・・
画面には再び庄司の顔が映し出される。
庄司
「誰ですか?知らない番号?」
「俺の知っている人ですか?」
「えっ、マジで誰かのいたずらですか?」
「俺、誰かにハメられている?」
庄司の興奮するような声が部屋に響いた。
ご主人様
「ほら、ちゃんとカメラの正面のソファに座りなさい。」
庄司
「男もいるの?マジ誰?」
「そして、何このボイスチェンジャーの声?」
「マジでなんかのいたずら?」
「誰だよ!!」
奈々は動けなかった・・・
会社でいつも一緒に仕事をしている同期の庄司君にこの姿を見られていると思うと体が動かなかった。
今まで奈々が積み上げてきたものが全て崩れ落ちる可能性があるから、それだけはご主人様の命令と分かっていても出来なかった。
奈々の表の顔しか知らない庄司君に・・・
下ネタとも結びつけちゃいいけない、清純な奈々しか知らない庄司君に・・・
一番仲も良い庄司君に・・・
こんな姿を見せることは死んでもできなかった。
ご主人様
「全然駄目ですね」
「やはりしほさんのようには行きませんね。」
「残念です!」
庄司
「しほ?俺の知り合いにいたっけ?」
「えっ、マジで誰?」
「本当に誰か教えて!!」
「何なのこれは?」
どんどん興奮していく庄司・・・
奈々は、泣きそうになりながら、首を左右に振っている。
いくら変装しているからって、こんな姿見せられない・・・
奈々自身には変わりがないのだから・・・
ご主人様
「最後のチャンスです。あなたがそこに座れないなら、それはそれで仕方ないことです」
「私のペットとなると誓っていますが、残念ですが、これで最後にしましょう」
「庄司さんも訳わからず可哀そうですし」
庄司
「えっ?なんでおれの名前知ってんの?」
「やっぱり知り合い?地元?大学?」
「誰かがドッキリで俺をはめてるのか?」
奈々は、どうしても動けなかった・・・
ご主人様
「もう、分かりました。」
「誰だか教えてあげましょうか?」
ご主人様が諦めた、ため息交じりの声だった。
そして電話を切ろうとした瞬間だった、
ご主人様の冷めた表情に、奈々は勇気を振り絞った。
奈々は、胸を自分の腕で隠しながら、縮こまりながらカメラの前のソファに座った・・・
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