ご主人様
「話は変わりますが、奈々さんの方は仕事の調整の方は問題はなかったのですか?」
奈々
「はい、ありがとうございます。私の方は大丈夫です。」
「私はご主人様と違って、仕事量はそんな多くないですから。」
「お気遣い頂きありがとうございます」
ご主人様
「それは良かったですね。フフッ」
「そういえば、前に男性が多い職場と聞いていますが、会社の方で仲良い男の方はいるのですか?」
一瞬、なんで突然、そんなことを聞くのか不思議に思った・・・
でも質問をされたので答えるしかなかった。
奈々
「一番仲がいいのは同期の庄司くんという方です。」
「よく仕事の相談や色んな業務で一緒になります。」
ご主人様
「そうなんですね。庄司さんですね。」
ご主人様はスマホを操作し始める・・・
暫くすると、いきなりテレビ画面に携帯画面が映し出され、庄司さんの名前が表示される・・・
トゥルル・・・トゥルル・・・トゥルル・・・トゥルル・・・
電話のコール音がテレビ画面から聞こえる・・・
突然のことに何をしているのか分からない・・・・
ご主人様
「あっ、言い忘れてましたが、その洋服会社に着ていったことありますか?」
「あるなら早く洋服脱がないと、洋服で身バレてしまうかもしれませんよ。フフっ」
トゥルル・・・トゥルル・・・トゥルル・・・トゥルル・・・
トゥルル・・・トゥルル・・・トゥルル・・・トゥルル・・・
何が起きているか、奈々は現状を把握できていなかった。
でも、庄司くんに発信されていることは間違いなかったが、あまりにも突然のことに全くどうして良いかわからず、その場から動けなった。
そうこうしているうちに、電話は辛うじて留守番電話に切り替わった。
ご主人様
「助かりましたね。フフッ」
「今日はスマホを買って契約してきました。フフッ」
「このスマホの中身は昨日奈々さんが熟睡している間、奈々さんのスマホの電話帳をそのままコピーしています」
「奈々さんの指を借りてロックは解除しました。フフッ」
奈々
「えっ!?」
どういうことかちゃんと説明を聞こうとした瞬間
いきなりご主人様が持っているスマホが鳴った・・・
テレビ画面には庄司君の名前から着信があった。
奈々は心臓が止まりそうなほどびっくり息を飲み、緊張が走る・・・
でも、ご主人様は庄司君からの着信をあっさり切った。
ご主人様が何をしようとしているか分からなかった。
ご主人様
「あまり現状が理解できていないようですね。フフッ」
「PCとスマホをBluetoothで接続して、PC経由でテレビ通話するんですよ。」
「カメラはこのPCに接続されるデジタルカメラです」
「でも、安心してください。PC経由で電話をかけるとボイスチェンジャーを設定できますので、奈々さんの声ではなくなるのでね。」
「フフッ、変装で別人になっているし、声も変わっているし、バレる要素がないんですよ」
「バレるとすれば洋服で身バレの可能性は一番あると思いますよ。フフッ」
「フフッ、脱がなくていいんですか?」
そう言い終えると、奈々からの反応を待たずに、
再び、Facetimeでこちらから電話を掛けた。
トゥルル・・・トゥルル・・・トゥルル・・・トゥルル・・・
トゥルル・・・トゥルル・・・トゥルル・・・トゥルル・・・
奈々
「ちょ、ちょっと待ってください・・・」
奈々には考える猶予がなかった・・・
確かに、会社の通勤でこの服装で行ったことがあった・・・・
トゥルル・・・トゥルル・・・トゥルル・・・トゥルル・・・
トゥルル・・・トゥルル・・・トゥルル・・・トゥルル・・・
奈々はもうどすることもできず、慌ててニットとスカートを脱いで、落書きだらけの体にパンティ一枚だけの姿になり、腕で胸を隠し縮こまり、その場にしゃがんだ。
「庄司君出ないで!!!」
奈々は心の中で、何度も何度もそう願った。
でも願いは叶わなかった。
※元投稿はこちら >>