「あなたみたいな若い人と…」
ベッドに仰向けになっている僕の胸に顔を載せながら、百合子夫人が呟くように言った。
朝食を終えて、僕が栗田夫婦の寝室に来てから、二十分ほどで百合子夫人が室に入ってきた。
この室に入って少し驚いたのは、昨夜、夫婦でのやや猟奇的とも思える、愛の営みが行われ
たベッドのシーツが、まだ朝の八時過ぎだというのに、すでに新しく敷き替えられていたこと
である。
「こんな風になるなんて、思ってもいなかったわ」
最初の言葉に引き継ぐように、夫人が言ってきた。
十六歳のまだ少年の僕と、過去には銀幕の大女優として、一世を風靡した五十七歳の百合子
夫人との、ふとした成り行きからの、予期せぬ身体の身体と身体の結びつきは、およそ想定外
の出来事で、一方の加担者である僕自身にも意外な事態ではあった。
それも、初めて会ってから一日での出来事だった。
きっかけは百合子夫人が、少年の僕に滔々と語った、若かりし頃の、まだ恋愛とまではいえ
ないような自身の淡い恋物語を吐露したことにあった。
僕の容貌のすべてが、四十年以上も前の夫人の恋人と瓜二つというのだった。
結果的に僕は夫人のその言葉を、少年らしくない狡猾さで便乗して、ダメもと覚悟で、自分
の母親以上の年齢の夫人に、強引にアプローチをかけ、思いがけないかたちで、朝食を食べ終
えた時間帯でベッドに誘い込み、ことを上手く運び終えたのである。
僕の待つベッドに夫人が来た時、僕は故意的に乱暴な口調と荒々しい動きで、彼女の衣服を
剥ぎ取り、優しさや甘さも何もない粗野な責め立てで、彼女を犯すようにして征服した。
「俺も、最初にあんたを見た時、この女とやりたいってすぐに思ったよ」
仰向けになった僕は、彼女の長い髪の匂いを鼻先に心地よく嗅ぎながら、大人ぶってわざと
ぶっきらぼうに言った。
五十半ばという年齢をまるで感じさせない、夫人の奇麗な流線形を描いた白い裸身の反応は、
故意に乱暴にした僕も、少し驚くくらいに早く燃え上った。
昨夜は、自分の夫の身体に鞭を打ったりしていた夫人は、この人は被虐を好むという僕の推
察の通り、彼女は僕がいきなり強引にベッドに着き倒した時、黒真珠のように澄んだ目を、も
う妖しげに潤ませていたように見えた。
唇を重ねにいくと、すぐに歯を開けて、夫人は舌を僕の舌に絡めてきた。
細い腕が、僕の首を包み込むように巻き付いてきた。
少しはしおらしく、抗いの素振りがあるのかと思っていたら、その気配は皆無だった。
唇を強い力で塞ぎながら、この人は僕を僕と認識して抱かれているのか、あるいは元女優と
しての類まれな演技力を発揮して、昔の恋人と思い込んで、僕に身を委ねてきているのかを少
し考えたが、熟れた彼女の身体から発散してきている、高貴なフェロモンと気持ちを昂らせる
匂いに圧倒されて、どうでもよくなってしまっていた。
唇を離すと僕の目を刺すように見つめてきて、
「あなたは悪い人…」
と謎をかけるように言ってきた。
夫人のその言葉に返答しないでいると、
「私のこと、嫌いになってる?」
十六の僕を、自分と同年代のように見做したような口調で聞いてきた。
首を二度ほど振ってから、僕は夫人の衣服を剥がしにかかった。
休むことなく僕の手は動き、ブラジャーからショーツまでを一気に引き剥いた。
思っていた通り、夫人の肌は手の指に吸い付くような肌理の細かさで、色も白いというより
も青白い感じだった。
乳房の膨らみもかたちよく豊かで、薄い桜色の乳首も、実年齢を超越した若々しい感触だっ
た。
意識的に非情な精神に徹していた僕は、夫人を全裸に引き剥いた後、彼女の流線形の鮮やか
な裸身を四つん這いにして、背後から直結的につらぬいていった。
「ああっ…」
高い咆哮の声を一声挙げて、百合子夫人は自分の顔をシーツに突っ伏していた。
若い僕のものは、夫人が室に入ってきた時から、石の棒のように屹立し、はち切れそうなく
らいに怒張しきっていた。
夫人の下腹部も白のショーツを脱がせた時、ひどく濡れそぼっていたのを僕は知っていた。
つらぬきを何度か続けた後、僕は何の予告もせず、手を振り翳し、夫人の適度に膨らみのあ
る、真っ白で柔らかな尻肉をいきなり引っ叩いた。
「ひっ…ひいっ」
僕の予想通り、百合子夫人の反応はひどく敏感で速かった。
痛いっ、痛いっ、と夫人は声を張り上げてくるのだが
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