ナンネット 掲示板TOP    総合ナビ   検索 

SM・調教 官能小説

ようこそゲストさん。
ナンネットIDにログインしていません。
ID: PASS:
IDを保存 
ナンネットIDは完全無料のサービスです。ナンネットIDを取得するとナンネットの様々なサービスをご利用いただけます。
新規登録はこちら
ID・パスワードの再発行はこちら
レス投稿の削除
ID: PASS:
IDを保存 
ナンネットIDは完全無料のサービスです。ナンネットIDを取得するとナンネットの様々なサービスをご利用いただけます。
新規登録はこちら
ID・パスワードの再発行はこちら
投稿の削除 パスワード:
この投稿の削除を依頼する。
28
投稿者:雄一
(はじめに)
 私はあなたに嘘をついていました。
 大きな嘘なのか、小さな嘘なのか、私には判断がつきませんが、あなたに話していたことは間
違いなく事実ではありません。
 悲しいことですが、私は自分の生みの親である、母を守りたかったのです。
 これから読んでもらえればわかることですが、五年ほど前に、奇しくも、早くに他界した父と
同じ病で、五十七歳という若さで他界している、母のつたない名誉を守るための嘘でしたが、私
よりもずっと年下であっても、本当に大切な思い出の人にしたい、あなたには真実をと思って、
この悲しい物語を綴ろうとしています。
 私が教師になりたての頃、横井正和という冷徹で残忍極まりない男の毒牙に、最初にかかった
のは私の母の真美だったのです。
 そのことを、十三年前のある日、私は知って、一人女の身で横井という男を責め立てに行った
のです。
 結果は惨憺たる負け戦で、脆くも返り討ちに遭い、あろうことか、私は母以上の汚辱と屈辱を
受け、彼の陰惨な責め立てに屈し、母以上の奴隷になり下がって、十年以上も経った今もまだ引
き摺って、恥ずかしく無体をさらしているのです。
 このことをどうしてもあなたに、知っていてほしいのではなく、私の意思で話しておきたかっ
たのです。
 ごめんなさい…。 
 

 教師としての私の第一歩は、都内特別区の二十三区内ではなく、緑もまだ多いある地方都市の
公立高校だった。
 それでも母の真美は、自分のことのように喜んでくれた。
 私が大学三年の時、父が胃癌で、まだ五十四歳の若さで、他界していた。
 小さな文房具会社に、しがみつくようにして勤めていた父は、一人娘には給料は安くても収入
の安定する公務員にと、常々言っていたので、生きていたらきっと喜んでくれたろうに、母は父 
の墓前に二度も報告にいったとのことだった。
 当時、まだ四十代半ばの年齢だった母も、パート職員として複数のところに勤めたりして、娘
の学費等を捻出してくれたりしていたのだが、私が卒業の時は、新聞広告も頻繁に出したりして
いる、不動産会社の経理職員として正規採用されていた。
 それまでパートとして働いていたスーパーの店長が、母の計算能力の高さを評価してくれてい
て、その店長の紹介で入った不動産会社だった。
 これから穏やかな、老いの世界へ一緒にと思っていた夫を、亡くしてからの母の落胆は相当に
心に響いていたようで、目も伏し目がちで、いつも俯いたような日々を過ごしていたのだが、こ
の地域では名のある、不動産会社に正規社員として採用されたことは、生きがいの一つの光明の
ようになって、日に日に明るさを取り戻してきていることは、娘の私にとっても嬉しいことだっ
た。
 母もまだ四十代半ばで、人としても、一人の女性としても、まだまだこれからの人生のほうが
長いのだから、私も安堵の気持ちを大きくしていた。
 娘の私から見ても、母は色白で切れ長の目の瞳もはっきりとしていて、真っすぐ通った鼻筋と
輪郭のはっきりとした顔立ちは、贔屓目でなく美人な部類だと思っていた。
 永井荷風的な表現で言うと、小股の切れ上がった、というか、もっと砕けて言うと、男好きの
する面立ちで、確かその頃に計った体型は、身長が百六十三センチで、体重は四十九キロだった
ように覚えている。
 私も初めての教師生活に、毎日、自分が何をしているのか、わからなかった日々から、どうに
か自分のペース的なものを見つけ、母も明るい表情になり、母子二人の穏やかな生活が半年ほど
も続いた頃、私は母の微妙な変化に薄々と気づき出してきていた。
 同じ屋根の下で、しかも血のしっかりと繋がっている母子が一緒にいたら、相手の少しの何気
ない変化にも気づくのは、男性ではどうかと思うが、女性の感性では自明の理だと思う。
 ある頃から、母の日々の顔が、また俯き加減になり出してきていたのだ。
 いつからかはっきりとした記憶はないのだが、それに比して、母の顔の化粧が濃くなり出し、
衣服のほうも、薄い色が好みで、派手な赤系統のものは、あまり身に付けなかったのが、原色傾
向が多くなり、デザインも大きなVカットのセーターとか、シースルーに近いようなブラウスとか、
以前はほとんど着なかったような出で立ちに、急にではないが、徐々に変わり出してきていた。
 「お母さん、誰か好きな人できた?」
 二人でいる時に、半分、冗談口調で尋ねたことがあったが、
 「何を馬鹿なことを」
 と一笑に伏されたことがあった。
 不動産会社に勤めたという仕事のほうも、半年を過ぎた辺りから、めっきりと帰宅が遅くなった
りとか、泊りの出張があったりとかして、経理能力を見込まれて入ったはずの母には、似使わない
ような勤務時間になっていた。
 そのことも、私は心配げに尋ねたのだが、
 「この頃は営業の人と外回りをさせられたり、上役のお供で、都外まで出かけなくてはならなく
なったりするの」
 と簡単にはぐらかされてしまった。
 そんなある日の日曜日。
 朝の八時過ぎに居間に下りていくと、母が濃紺のツーピース姿で、黒のトートバッグに忙しなげ
に小物を入れ込んでいた。
 白のブラウスのボタンが、上から二つほど外れていて、上から覗き見ると乳房の谷間が微かに見
えていた。
 「上役から栃木の日光で、急な契約要請が入ったとかで、今から出かけなきゃならなくなったの。
大口の土地契約なので、今夜は泊りになるかも。お食事は、また今度ね」
 私が聞く前に母は早口でそういって、そそくさと出掛けて行った。
 母の口紅の色が、いつもとは違う派手な赤色に変えていたようだ。
 ああ、今夜は母と久し振りに、外食の約束をしていたのを思い出しながら、母が慌てて作ってい
った朝食に、私は箸をつけた。
 洗濯を済ませ、私の室から順に掃除を始めて、一階の奥の母の室に入った時、すぐに気づいたこ
とがあった。
 室の角にある机の、上から三番目の抽斗が不自然に開いているのが見えた。
 閉めにいこうとして、抽斗の中を何気に覗き込むと、一冊の大学ノートが見えた。
 母の日記だというのが、すぐにわかった。
 もう何年もに渡って、母が日記をつけていることは、子供の私も知っていた。
 日々の出来事を短く書いているだけだと、母は恥ずかしそうに言っていた。
 ふいに母の最近の微妙な変貌を、私は思い出し、心を少し痛めながら、その大学ノートを引き出
しから取り出していた。
 その下にも同じ色のノートが三冊ほど入っていた。
 椅子に腰を下ろして、後ろめたい思いと、少し怖い気持ちで、私は表紙を恐る恐る開けた。
 読み出してすぐに、私は愕然とした思いに駆られ、椅子の上で全身を固まらせてしまっていた。
 母の書いた文章とは到底、思えない、卑猥な情景描写と、私自身でも口に出すことも憚られるよ
うな、淫靡で猥雑な表現が随所に書き込まれていたのだ。
 この時、私は二十二歳を過ぎたばかりで、男性の体験はそれまでに一度もなかった。
 人の書いた小説などで、性描写の強烈なものは、これまでに何度か読んではきたが、ざろうこと
か自分の母親が、これほどの過激な文章を書き連ねているのは、全くの想像外だった。
 最近の母の、外見的にも内面的にもの、変貌の要因のすべてが、この日記に集約されているのだ
ろうと、私は改めて、驚愕と愕然の思いを強くしていた。

      五月二十二日

 「えっ…」
 と私は耳を疑ったような短い声を出して、総務課長の平野さんの顔を見た。
 会社の受付ロビーの、一番奥の席で、私は総務課長の突然の誘いを受け、面談に興じていた。
 唐突な移動の話を聞かされていたのだ。
 この会社にふとした縁で、四十五歳という年齢で、正規社員として採用してもらって、まだ二
ヶ月も経っていないのに、突然の移動命令に、私は思わず気持ちをざわつかせて、自分よりはま
だ歳の若そうな、総務課長の眼鏡の顔を見つめると、
 「あ、いやいや、そんなに緊張なされなくてもいいですよ。いや、実はこれは副社長からの特
別命令でしてね。経理課長から、あなたの計算能力の高さを聞いて、ぜひ、秘書室に欲しいとの、
いわばツルの一声で決まったことなんですよ。まま、あることでしてね」
 「で、でも私、この不動産業界のことは、まだまるで何も知りませんし、とてもお役に立てる
とは…」
 私の不安で一杯の声は、何の効果もなく、辞令は一方的に発布され、翌日には最上階にある広
い秘書室に、急遽の移動となった。
 娘の俶子にこのことを話そうと思ったが、もう少し会社や秘書室の空気を、把握してからと思
い留まる。
 

      五月二十九日

 ビルの最上階にある、秘書室のスペースは相当に広く、社長秘書スペースと副社長スペースの
二分されていて、五名の男女社員が詰めている。
 右も左もわからないまま、私は副社長スペースの隅のほうで、他の社員の動向を見ているだけ
の日々を過ごしていたのだが、一週間が過ぎた昨日、いきなり副社長の付き添いで、得意先の会
社社長の別荘を訪ねるという命令を受け、一度も乗ったことのないような運転手付きの高級車の
後部座席に乗せられ、軽井沢方面に向かった。
 軽井沢の、かなり奥深い山懐に入ったところに、煉瓦と木が瀟洒に組み合わされた、如何にも
高級そうな別荘に着いたのは、午後の四時過ぎだった。
 運転手はそのままUターンしていった。
 そして、そこで私は副社長の横井に犯された。
 玄関前の広場には何台かの高級車が止まっていて、別荘内には複数人の先客がいるようだった
が、玄関を入った時には、誰も応対には出てきていなかった。
 玄関口は広いホールになっていて、前方に木製の階段が見え、二階のほうから何人かの嬌声が
聞こえてきていた。
 耳を澄ますと、それは嬌声ではなく、女性の嗚咽のような声だった。
 それも一人の小rではないようだった。
 「来なさい」
 副社長に一言言われて、私は恐る恐るの思いで、副社長の後をついて階段を上がっていった。
 女の人の嬌声か嗚咽の声は、私の耳にもはっきりと聞こえてきていた。
 この時、まだ私は自分の身の危険は感じてはいなかった。
 副社長の横井が一つのドアを開けた。
 そこも間仕切りのない、広いホールのようになっていて、中央に応接セットがあり、奥のほう
に複数のベッドが見えた。
 応接のソファに二人の男が座っていた。
 一人は後頭部までほとんど禿げ上がった、でっぷりとした六十代くらいの男で、もう一人はテ
レビタレントか俳優のように、茶髪を長く伸ばした、三十代くらいの細身の男で、私の目に衝撃
的に飛び込んできたのは、応接とベッドの間のスペースに、女の人が二人、赤い縄で全身を括ら
れて、天井から降りた青いロープで吊るされていたことだった。
 女の人は二人とも何も身に付けていなくて、赤い縄だけが身体に喰い込んでいた。
 二人とも足の爪先が、床に付くか付かない状態で吊るされていて、一人の、やや太り気味でお
かっぱ風の頭をした女の人は、片足の膝の上辺りに縄をかけられていて、それを上から引っ張り
上げられていた。
 もう一人の女の人は、細長くやせ細った体型をしていて、鳩尾の骨がくっきりと見え、年齢は
六十代くらいに見えた。
 室の外に聞こえてきていたのは、その二人の女性の声のようだった。
 その二人の女性の股間に、何か細長い器具のようなものが見えたが、私にはその時には、それ
が何なのかわからなかった。
 私はドアを入ったところで、あまりの衝撃的な光景に声を失くし、全身を硬直させてしまって
いたのだが、横にいた副社長にいきなり肩を押され、前によろめいてしまっていた。
 茶髪の男がソファから立ち上がって、私のところへ細面の顔を歪に、にやつかせながら寄って
きた。
 私の背後から、茶髪の若い男に向けて、
 「頼む」
 と声が出ていた。
 突然の、目を覆いたくなる驚愕の光景に、私の身体は石のように固まってしまっていて、自分
では足の一歩も動かせなくなっていた。
 そんな私を茶髪の男は、こともなげに抱きかかえてきて、そのまま奥のベッドのほうへ連れ込
んでいった。
 私は茶髪の男にベッドに横たわらされても、まだ身体の動きは半分近くは、硬直状態のままで、
喉もカラカラになっていて、声が全然でなくなっていた。
 いつの間にか、隣りのベッドに座り込んでいる、副社長の横井の顔が、ふと目に入った。
 助けを求めようとして、声を出そうとするのだが、意味のわからない呻き声にしかならなかっ
た。
 代わりに副社長の声が、耳に聞こえてきて、また愕然とした思いに、私は陥ってしまっていた。
 「今から、この若者が、君を立派な女に仕立て上げてくれるんだよ。ゆっくり楽しむんだ」
 それは私には、絶望を告げる悪魔の声だった。
 それでも、どうにかして気持ちを奮い立たせようとした私だったが、ベッドの上の自分を見て、
心の中の支え棒が砕け折れるのを、私は知らされた。
 着ていた衣服のほとんどが、茶髪の男の狡猾な手管で脱がされてしまっていて、ショーツ一枚
だけの裸身に引き剥かれていたのだ。
 足をばたつかせ、手を振り回して、茶髪の男に抗った記憶は、私にも薄くはあったのだが、ど
こでどうされたのかわからないままに、私は裸にされていたのだ。
 日焼けして、無駄肉のほとんどない引き締まった胸を晒して、整った顔に薄笑みを浮かべて、
茶髪の男が私に覆い被さってきた。
 やっと出出した声で、私は思いきり叫ぶように張り上げた。
 そこですぐに男の平手打ちが、私の頬に飛んできた。
 手加減のない平手打ちは、往復であり、それだけで私の声は忽ち止まり、ぶたれた頬の痛みが
痺れと同時に恐怖を、私に与えてきた。 
 それから長い時間、私は頬の平手打ちの恐怖に怯え、何一つの抗いもできないまま、茶髪の男
の手と口と舌の、執拗な愛撫を全身にくまなく受け続けた。
 亡くなった夫以外には、見せたことも、触れさせたこともない箇所まで、男の手と口は這い廻
ってきた。
 男の動きに、焦るような素振りはついど見受けられなかった。
 どれくらいの時間を、男が費やしたのかわからなかった。
 男の舌が、私の乳房の片方の乳首を舐め廻してきて、唇だけで柔らかく甘噛みしてきた時、
 「ああっ…」
 と私は自分でもわかるくらいの声を、意思とは裏腹に漏らしていた。
 何度も何度も、男は同じ箇所を飽くことなく、丹念に責め立ててきていた。
 私は四十五年間生きてきて、成人するまでは、というより、自分の処女を捧げたのは亡夫
だったのだ。
 正直言って、キスの経験は亡夫以外には、二度あった。
 それだけで、男性に女性として身体のすべてを捧げたのは亡夫だけで、それ以外にはただ
の一人もいなかった。
 敢えて言うなら、手順や手管は別にして、今、私の全身を、手と口と舌で、執拗の度合い
を超えたような愛撫を続けてきているのが、今日、初めて会った茶髪の若者が、私には二人
目の男なのだった。
 自分でも信じられなかったが、私の身体は、若い茶髪の男の、執拗で丹念な責め立てに、
微妙に反応し出していた。
 どこがというのではない。
 私の身体の中の血が、ガスコンロの火でチロチロと炙られるように、熱くなり出しtきてい
ることを、私自身が意識し出していたのだ。
 血流が熱くなり、肌か皮膚を温めてきて、そこに男の手や口や舌を、繰り返し這わされた
ら、身体は反応の意思表示をする以外になかった。
 片方の乳房をゆっくりと揉みしだかれ、指先で乳首を摘ままれたり、歯で軽く甘噛みされ
た後、男の顔が下からいきなり現れ出てきて、男の唇が自然な流れのように、私の唇を求め
てきていた。
 夫が存命の時、夫婦生活は当然にあった。
 ほとんどが夫の欲望が蜂起して、私が拒むことなく、本能的に結ばれるというだけで、こ
れほどに長い時間をかけてというのは、皆無に近かった。
 だが、それで夫婦の間には何の不足も不満もなかったのも、間違いのない事実である。
 磁石のプラスマイナスが密着するように、それは拒まねばという自分の意思を無視して、
私の唇と、名前もまだ知らない男の唇は重なっていた。
 男の長そうな舌が、惚けたような気持になっていた、私の歯の間を苦もなく割って侵入し
てきているのが、朧な意識の中で私にはわかった。
 狭い口の中で自分の舌が、相手の舌に捉えられて、逃げ場もないまま絡みつかれていた。
 意識が遠のいてしまいそうな感覚に、私は襲われていたが、全身が奇妙な弛緩状態に陥っ
てしまっていて、手を突き出して、男を払い除けようと力も湧いてはこなかった。
 男の口から甘いアルコールの匂いが漂ってきていて、いつしか私はその甘い匂いに酔った
ように、男の細長い首に両腕を巻き付けにいっていた。
 副社長の横井から、大事なお得意さんへの契約お礼だとだけ聞かされ、山奥の瀟洒な別荘
地まで連れてこられ、何もわからないまま、いきなり、普通の人間社会とは違うような空間
の中に放り出され、初めて会う男に、いきなり言葉もなく抱き竦められ、ベッドの上で衣服
を、ほとんど知らぬ間に剥ぎ取られて、然したる抵抗らしい抵抗もできないまま、悪魔たち
の軍門の前に陥ろうとしているのだった。
 いや、すでに陥落の憂き目に遭ってしまっていた。
 茶髪の男が、長く塞いでいた唇を離して、耳元に熱い息を吹きかけるようにして、
 「とてもいい肌をしてるね。彼女、名前教えて」
 と囁いてきた時、
 「真美…」
 と私は小さな声で応えていた。
 「真美、いい名だ。でも、僕の役目はここまで」
 茶髪の男のその声に、訝りの目を向けた私の顔の前に、唐突に、見慣れた副社長の横井の、
特徴のあるぎょろりとした丸い目が現れ出てきた。
 「ふ、副社長!」
 ようやく現実に戻ったような驚きの目で、私は短い声を挙げた。
 「いいんだ」
 意味のわからない言葉を吐いて、横井が私の胸の上に覆い被さってきた。
 目に真剣さと少しの怒りの気持ちを込めて、私が手をばたつかせ、抗おうとした時、横井
の片手がいきなり、乳房の片方をわし掴んできた。
 骨っぽい指二本で、乳首を強く摘まんできた。
 つい今しがたまで、茶髪の男に手と口と舌で、散々に愛撫され続けてきた箇所だった。
 「あうっ…」
 そこでもう、私は顔をのけ反らせてしまっていた。
 身体の至る部分に、電流が走ったような疼きが生じてきていて、掴み取られた乳房と乳首
に、特に強い刺激が集中してきていた。
 「ふむ、予想通り、感度は良さそうだな」
 満足そうに唇の端を歪ませて、横に退いた茶髪の男に目を向けて言った。
 弁解でもなく、この時の私の頭の中には、逃げたい、拒まなければという思いは間違いな
くあった。
 小さな欠片になっていたとしても、理性の心は持っていたつもりだった。
 が、横井のどちらかの手が、私の剥き出しの下腹部に下りていて、最も触れさせてはなら
ない秘所に指を這わされた時、堪えがたい刺激の渦が巻き上がり、微かに残っていた理性の
気持ちを瞬く間に、雲散霧消化してしまっていた。
 自分の身体が激しく硬直したのを、私はどうにか記憶しているが、そこから先のことは断
片的にしか覚えてはいない。
 私のその部分への、横井の指での淫靡な責めは暫く続き、その後で、舌を這わされている
感覚があった。
 そこで私の意識は飛んでいて、気づいたのは、横井のつらぬきを受けた時だった。
 「ああっ…」
 自分の発した悶え声で気づいたように、目を薄く開けると、額に汗を滲ませた横井の顔が
真上にあり、自分の下腹部、というより、胎内の深い部分に快感を伴った重い刺激が、間断
なく襲い続けていた。
 もう何年も前の、亡夫との時には、それが無上の快感と、私はそう思っていた。
 だが、それよりももっと奥の深い、快感というものがあって、図らずも自分が勤める会社
の上司である横井の姦計に嵌められたかたちで、つらぬきを受けている、今がそうだと、私
は実感していた。
 していたではなくて、させられていたというのが正しいのかも知れない。
 もうここまでくれば、横井の姦計と横井自身に、自分は溺れきるしかないと、私は覚悟を
決めて、思いきり激しく喘いで、はしたない声を挙げ続けて身悶えた。
 自分はそれほどに賢い女ではないと、ふと、心の中で思った…。

      
      五月三十日
  
 (二十九日の続き)
 
 私は賢い女ではない、と昨日の日記の最後に書いた。
 その通りのことを、私は自らのはしたない行為で、昨夜、証明してしまっていた。
 口に出しては話せない、ただ恥ずかしいだけでしかないことをことを、記憶を蘇らせ、思
い出しながら、つたない日記を書いていて、私はつい自分の身体を熱くしてしまい、万年筆
を置いて、自分の布団の中に入った。
 四十五年間、女として生きてきて、自分が、夫以外の男に初めて肌も心も汚されてしまっ
た、あの日の、あの軽井沢の山奥での、恥辱でしかない出来事に、私は図らずも遭遇してし
まった。
 そしてその時、死ぬ覚悟での抵抗もできないまま、あまつさえ、最後には、人間の心を失く
した獣たちへの屈服と、これからの隷従を誓わせられた。
 ただ汚辱でしかない、あの夜のことを、無心の気持ちで書き綴っていた私自身が、不覚なこ
とに、その内容の過激さに、思わず知らずに、身体を熱くしてしまい、心の中の理性を、あの
日と同じように喪失してしまって、私はつい、万年筆を置いてしまい、恥ずかしい行為に手を
動かせてしまったのだ。
 三十代くらいの茶髪の男に、長い時間をかけて、生まれて初めてといえる入念な愛撫を受け
たことを書き出した時、普通にノートの紙を擦っていた万年筆が、自分の意思からでなく、ふ
いに止まっていた。
 万年筆を持っていない、片方の手が、身体の痒いところを掻くように、パジャマの上から自
身の乳房の膨らみを抑え込んでいたのだ。
 それほど強く抑えたのではないが、少しの圧迫は感じた。
 その少しの圧迫が、私の胎内のどこかに、蝋燭の火のようなものを、小さく揺らめかせ、ため
息のような、熱っぽい息を吐かせた。
 頭の中に、あの茶髪の男の日焼けした顔が、ふいと浮かび出た。
 続いて、男にキスをされている、状況が浮かんだ。
 ワインのような甘い口臭まで思い出された。
 何か得体の知れない、熱風のようなものに、全身が包まれ出した。
 そこで私は万年筆を、手から離していた。
 背後に敷かれている布団に、私は崩れ落ちるように横たわった。
 身体を仰向けにして、掛け布団の中で、何かに取り憑かれたように、私はパジャマの前ボタン
を外しにかかっていた。
 ブラジャーはしていない。
 片方の手が乳房を強くわし掴んでいた。
 「あ…」
 口から小さな声が漏れた。
 意思とは関係なしに、私の気持ちは異様に昂ってきていた。
 乳首を指で摘まみ取ると、
 「あ、あん…」
 とまた声が漏れ出た。
 閉じた目の奥に、茶髪の男の顔と、細い顎の線が浮かび出た。
 「も、もっと…」
 勝手に声が出ている。
 歯止めが効かなくなっていた。
 私の手は身体の下のほうに伸び、いきなりショーツの中に潜り込んでいた。
 繊毛のざらりとした感触を手にした時、
 「ああん…」
 声が続いて漏れた。
 繊毛の下にさらに伸びた手に、最初に感じたのは湿り、というか、滴りのようなものだった。
 ぐっしょりという感じで、私の指は濡れ切っていた。
 「ああっ…あ、あなた」
 言葉としての声が出たが、それは亡き夫を呼んで出たのかどうかは、自分でも定かではなか
った。
 キーンと頭の中に痛みのような刺激が走った。
 「ああっ…わ、私の…お、おマンコ!」
 私の首がガクンと折れて、意識が少しの間、遠のいた。
 自慰行為の経験は、もう何十年も前、高校に入って間もない、多感な頃、周囲の女友達に教
えられて、私は普通の興味本位で、何度かしたことがあるだけだった。
 これほどに濃厚で、具体的な妄想を抱いて、行為に耽ったことは、私には一度もなかった。
 この気持ちがそうなのか、昇天したようなぐったりとした思いで、私は布団の中で、ぼんや
りとした虚ろな時を暫く過ごして、気を取り直すように、布団から立ち上がった。
 机の上のスタンドの灯りの中で、自分の姿を見直すと、赤面してしまいそうなくらいの、無
様であられもない身なりに、私は自分ながら驚いていた。
 パジャマの片袖が脱げ、乳房が露わになっていて、ズボンとショーツが片方の足首に包まっ
ていた。
 娘の俶子に見られでもしたら、親子断絶の憂き目にも合いかねないと、思わず身震いをして
身なりを直し、もう一度机に戻って、万年筆を手に持った。

 ベッドの上で、私は横井の年齢を感じさせない激しいつらぬきを長く受け続けていた。
 まるで私の身体の中に、自分という男の刻印を、打ち込もうとしているかのように、腰の動
きにも微妙な強弱をつけて、飽くことなく責め続けてきていた。
 そして私は、その時間の長さに脆くも屈し、横井のシミと黒子の多い身体の下で、いつしか
気持ちを昂らせてしまい、あるところから、横井のそれほど逞しくもない腕に、自分の両腕を
しっかりと絡みつかせてしまっていた。
 四つん這いにもされて、臀部の肉を散々に叩かれもしたのだが、やがて最初に感じた痛みが
痛みでなくなっているような錯覚にも、私は陥っていた。
 横井に背後からつらぬかれていた時、私の顔の前に、男の下半身が、横から滑り込むように
現れ出てきた。
 弛んだような下腹部の下の薄い繊毛から、半勃起状態のものが垂れていた。
 この室に最初に入った時、ソファに座り込んで、背中しか見せていなかった六十代の男のよ
うだった。
 私の頭の上で横井と何か喋っているようだったが、何を話しているのかよくわからなかった。
 その男が乱暴に私の頭を掴み取ってきて、催促のような声を出した。
 横井のつらぬきは休みなく続いていて、その快感が私の気持ちを希薄にし、突然目の前に現れ
出たものに、私は拒む意思もなく唇を添えていった。
 事情はどんなであろうと、男に犯されている女は弱いということを、この時の私は、それこそ
身を以って痛切に感じていた。
 男のもので女のものをつらぬく、或いはつらぬかれる。
 それが、仮にどれほど暴力的で理不尽極まりないものであっても、犯されている間のどこかで
は、程度の大小や時間の長短あっても、女は快感のようなものを感じてしまう時がある。
 難しいことは、賢くはない私にはわからないが、所詮、女とはそういう生き物だ。
 思いも寄らない男に犯されている、自分を正当化するつもりは私にもないが、このことで自分
の人生が、大きく変わりそうな予感を抱きながら、私は二人の男の淫靡な責めを、然したる抗い
も見せず受けていたのだ。
 男二人の年齢をまるで感じさせない、長い責め立てを受けた後、私の傍に、また、あの茶髪男
が寄りついてきた。
 私が男二人に絡まれている時、横目で二度、三度見ただけだが、茶髪男は、縄で括り吊るされ
ていた、六十を超えていると思われる、細過ぎる体型をした女を、縄の吊り下げから解放し、ソ
ファに連れ込んで、細長い両足を高く上げさせ、覆い被さってつらぬいていたようだった。
 「いい顔してたぜ、あんた」
 馴れ馴れしい声でそういって、茶髪男は、ベッドに俯せていた私の肩を撫でてきた。
 「あの叔母さん知ってる?テレビドラマにたまに出てる、結城都美子っていうんだけどね。脇
役で、有閑マダムや料亭の仲居役なんかでよく出てる」
 そういって、指を指したソファに目を向けると、細身のその女性は、今しがたまで、私が口で
奉仕していた、六十代半ばの男と抱き合っていた。
 「もう一人の」、あの、でぶっちょさんは、料理研究家の叔母さんで、料理番組一本持ってる。
放置プレーっていうか、ああして人に恥ずかしい裸を見られるのが好みの、変態叔母さんだ。化
粧は濃いが、あれで歳は六十を超えてる。さっきのテレビ俳優も、六十半ばだから、ここではあ
んたが一番若いってことさ」
 茶髪男は、こちらが聞きもしないことまで饒舌に喋ってきていたが、
 「あの副社長の目に留まったあんたも、これから大変だね」
 と意味深なことを続けて言ってきたので、私は思わず顔を上げて、茶髪男に訝りの目を向けた。
 そういえば、副社長の横井の姿が室の中にいないことに、私はそこで気づいた。
 「副社長は電話に出て行ったよ。商売熱心だから」
 「い、今のあなたの言葉、どういう意味ですか?」
 疑問点を私が尋ねると、
 「今日はおとなしかったけど、あの人の嗜虐性はすごいよ」
 「嗜虐性?」
 意味がわからなかった。
 「女の人をこれ以上ないくらいにひどく虐め虐げるってこと。何でもありだからね」
 「な、何でもって?」
 「縛りから、蝋燭、鞭…そ、それから放置プレーとかスカトロとか」
 「ス、スカトロって、何?」
 「排便排尿だよ。ま、SMなら何でもござれの人だよ。あ、俺は、そうは言いながら、あの副社長
の太鼓持ちで、名前は黒井ってんだ。長い付き合いになりそうだから、よろしくね」
 黒井という名の男は、そういってバスタオルを首に巻いて、室をそそくさと出て行った。
 入れ替わるように、横井が室に戻ってきて、私のいるベッドに座り込んできた。
 「これから大事な用件で出かけなきゃならん。お前はいいが、どうする?一緒に帰るか?」
 まだ裸のままの、私の背中を叩いてきてそういってきた。
 「これでわかったか?お前を雇った理由。黒井からも聞いたと思うが、儂はそういう男だ。お前の
仕事は、儂にひたすら尽くすことだ」
 そういわれてすぐに、わかりましたと答えられることではなかった。
 「お前とゆっくりするのは、次の機会だ。いいな?」
 横井のその言葉には、私はどうにか頷いて見せたが、これから先のことを思うと、暗雲ばかりしか
見えず、気持ちの安らぎはなかったが、女として、これまでまるで知ることのなかった面が覗き見え
たような微妙な感慨が、私の胸の奥底辺りに、赤黒い倒錯の匂いのする火を灯しかけてきているよう
な、予感めいた思いが錯綜していた。
 多分、今日のこの日が、良くも悪くも、私の残された人生の記念になるような気がしていた。
 
 長い長い文章を読み終えた僕は、ひどく疲れたような気分と、あの俶子には、まだまだ奥深い過去
が幾つも潜んでいるような気がして、学校で何食わぬ顔をして、太宰治や坂口安吾を語り、中原中也
の詩を朗読したりしている、俶子の顔を思い浮かべ、僕らしくもなく慨嘆の思いに少しばかり陥った。
 こういう時に聞きたくなってくる、声の主が一人いた。
 スマホの画面に名前を出して、僕はプッシュボタンを押した…。


                             続く
 
 
 
 
 
 

 



 
  
 
 、

※元投稿はこちら >>
23/06/21 21:23 (qYaPFRMV)
  • 新着投稿
  • 動画投稿
  • 体験談
  • 官能小説
  • 人気投稿
  • >> 更に表示する
    12月20日茨城県水戸付近-寝取られ掲示... 20:34
    特島-四国/生見せカップル 20:33
    彼と2人っきりで…-淫らな体験告白 20:31
    お相手さん-寝取られ掲示板/九州・沖縄 20:30
    今すぐ公辺液にリンカン-関西・近畿/生見... 20:21
    12/1㈰午前10時から複@仮屋-東海/... 20:19
    M熟女-露出画像掲示板 - 画像見せたい女 20:17
    露出 -四国/生見せカップル 20:14
    温水プールすいません。-露出画像掲示板 ... 20:13
    同級生限定でパートナー晒します-四国/生... 20:06
    ドMです…-露出画像掲示板 - 画像見せ... 20:05
    この角度きもちい♥-露出画像掲示板 - ... 19:59
    南大阪で置きパンします!-下着を置く女/... 19:46
    サイズ大きくなったかも?-露出画像掲示板... 19:45
    29.30日定山渓-寝取られ掲示板/北海道 19:43
    11/23(祝)♪21~22時🍞斗心-「... 19:41
    11/29(金) 佐野で飲み会(健全案件... 19:41
    27日夜 墓田 カップル様-九州・沖縄/... 19:40
    甥っ子に種付けられた妻を鑑賞して勃起-寝... 19:36
    明日、午前-北海道/生見せ女 19:36
    結婚して20年の夫婦がセックスをする意味... 19:34
    沢山見られたいです-露出画像掲示板 - ... 19:31
    Gカップスレンダー 後1枠-東海/生見せ... 19:31
    嫁を抱いてくれませんか?-東海/生見せカ... 19:31
    脳内発情-欲求願望告白 19:29
    明日、 大谷ち。 13時から-北海道/生... 19:28
    これから鶯円にて-関東/生見せカップル 19:28
    鬱野宮で-下着置く男 19:26
    でっかい乳首-露出画像掲示板 - 画像見... 19:12
    結婚について-男性への質問 19:09
    【プロフ動画】#巨乳 #フェラ #ハメ撮り#コスプレ セフレD 高身長巨乳独身セフレ。... ID:159m951
    【タイムライン】"冷え枯れる" 投稿者:mg
    近親相姦
    露出
    人妻・寝取られ
    SM調教
    同性愛
    オナニー
    エッチな話
    フェチ
    レイプ
    スクール
    マッサージ
    ナンパ
    風俗
    官能小説
    エロ体験談
    動画
    画像
    音声
    エロ活
    SNS
    総合ナビ
    北海道
    東北
    関東
    北陸・甲信越
    東海
    近畿
    中国
    四国
    九州・沖縄

    ご支援ありがとうございます。ナンネットはプレミアム会員様のご支援に支えられてます。 ナンネットからのお願い

    ナンネット総合ナビ
    IDサービス
    SNSコミュニティ
    掲示板総合トップ
    多人数チャット
    広告を消すには
    初めての方へ
    サポート・お問い合わせ
    メルマガ
    公式Xアカウント
    ©ナンネット All rights reserved.