「友也さん、赤ちゃんが…」
美月にそう言われた木村は
「俺の子か?」
と何度も美月に確認したが
「おそらくそうだと思う…だって計算したら排卵日周辺にセックスしたのは友也さんだけだから…」
「そっか美月。おめでとう。順番が逆になってしまったけど俺と結婚して下さい。お腹の子も守っていくから。」
美月は涙を流しながら俺の言葉に耳を傾け、目の前にいる木村にしがみつくように腕を絡めて木村の胸に顔を埋めました。それから美月のご両親にも挨拶をしに行きすぐに役所へ行って婚姻届を提出した。美月が大学3回生の時であった。
美月は大学を1年間休学して子育てと勉強の両立を図っていました。家では子ども育児を嫌な顔せず行い、勉強の方でも頑張り無事に卒業をしました。
大学を卒業してからは家から数分のところにあるスーパーでパートをしていました。土地柄大学生がよく利用するスーパーでしたが、生活のために必死にパートに出ていました。木村の仕事は景気に左右されることもあり、またノルマもあったので毎月固定された給料が入るものでもなかった。そこで美月のパート代は家族にとって無くてはならないお金でした。
美月のお腹も服の上から分かり始めるようになった時、不注意から美月が階段から転げ落ちお腹の子が流産してしまいました。美月は悲しみから精神的におかしくなり情緒が不安定となってしまいました。入院中はお見舞いに行っても目は真っ白な壁のある1点に注がれていて木村の声など美月の耳には届いていませんでした。
医者の回診の時ですら美月の反応はほとんど見られなく回復の兆しが全く見えませんでした。ただあることをきっかけに美月の様子が変化していきました。
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