次第に木村が在宅中であってもあの病院の若い男性看護師たちが美月を誘いにくるようになりました。いくら自分が招いた種だと言っても木村にはもう精神的に限界に近づいていました。仕事に明け暮れて家に帰る時間を少なくしていきました。少なくとも仕事をしている間は美月のことを考えなくても良かったからでした。
ある晩、木村が家に帰るとテーブルの上に一枚の紙が置かれていました。
「明日話があるから21:00には帰宅しておいてください。」
木村はその妻の文字を見るだけでその意味を察しました。「ついに来たか…」木村の頭の中でこれまで築いてきたものが音を立てて崩れ去っていきました。
その晩、木村は一睡もすることが出来ず翌朝を迎え仕事へと向かいました。タクシーという人の命を預かる仕事に寝不足は致命的であったけれども、今の木村にとっては睡魔など微塵も寄せ付けませんでした。
仕事が終わると一目散に自宅へと戻り美月との時間に遅れないようにしました。時計の針が20:30を指した時に扉の外で複数の足音が聞こえてきました。自宅前の扉までその音が続くと、今度はドアノブをカチャっと回す音が木村の耳に伝わってきました。
「ゴクリっ…」
木村は緊張のあまり口の中が乾燥して喉が鳴りました。玄関の扉が開くとそこには見たことがないほど肌を露出させている美月が立っていました。
上はピンク色のシースルーのブラウスに胸の縁だけに生地があるブラジャーでブラウスの上からでも乳首がはっきりと見えていました。さらにチラッとしか見たことがなかった胸の上部の薔薇のタトゥーはよく見ると左右にアシンメトリーに施されていました。さらに乳首にはピアスがあけられていました。
下の方に目を移すと綺麗に毛が剃られていたあそこには「奴隷」という文字のタトゥーがヘソとクリトリスのちょうど間にデカデカと彫られていました。そのクリトリスにはマロンクリップがつけられていました。
自分の知らない妻がそこにいると木村は少し戸惑っていましたけれども、精一杯の強がりで「お帰り」と言いました。
「あんたにこれを私に来ただけだよ。今更旦那面するなよ。私が精神的にしんどい時に看護師とトイレでセックスするようなやつなんて。あんたの行為を見て気づいたんだよ。自分に素直にならないといけないって。だからあんたを見た後すぐに屋上へ行ったの。すべてから解放されようと思ってフェンスを乗り越えようとしたの。そしたら彼らが私に声をかけてきてくれたの。『木村美月さんですよね。僕たちはここの不良看護師です。病院内は禁煙なのにどうしても我慢出来なくてね。どうです?一緒に1本吸いませんか?』これが彼らの最初の一言だったんだよ。」
美月の病室での乱れようを見たその日にタバコを生まれて初めて口にしたけれども、美月はその前日にタバコを口にしていたのだと変な関心を抱きました。
「その後だよ。屋上で全員裸になってセックスをしてみたんだよ。これがなんとも言えない開放感でね。私のためだけに3人のイケメン男子が隅々まで愛撫してくれるんだよ。わかる?こんな最高の快楽ってないよ。それに病室でのセックス。もう誰に声を聞かれても大丈夫って思ったし。私は精神的に参って入院していただけに女の看護師の目もそんなセックス漬けの私を蔑んだ目で見ているのはわかってるけど、でも彼女らの本心は自分もそうしたいって思ってるところだよ。現にあんたもあの看護師とセックスしてたんだしな。みんなエロいことが好きたんだよ。抑圧して生きるよりも開放して生きる方が何倍も楽しいしね。そんなことがわかってからあんたと一緒にいる必要性が感じられなくなったの。だから、あとはあんたの名前とかを書いてハンコを押して役所に提出しとけよ。私はこれから毎日セックス三昧で楽しむから。まぁそういうのを教えてくれたあんたには感謝だね。じゃあそういうことで。」
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