(刺青に脱毛かよ、女の恨みは怖ぇなぁ…)
谷本は女同士の確執の恐ろしさに舌を巻いた。
(それじゃあ一生立ち直れねぇよなぁ…)
それでも杉田夫人たちの申し出に嗜虐心が煽られる。
谷本にしてみればこの先も肉便器として使えさえすれば
友美がどうなっても知ったことではないのだ。
(どちらにしてもこのオバハンたちには楽しませてもらえそうだぜ)
谷本は数日前の杉田夫人とのやり取りを思い返していた。
「あなた、昔、下着泥棒で警察に捕まった谷本さんよね?」
駅前のパチンコ屋でのっけから谷本に絡んで来たのだ。
「最近、池野友美の家に出入りしてるようじゃない…
水道屋が聞いて呆れるわ」
谷本はその女が友美の隣人だと言うことに気が付いた。
友美の調教を始めた頃、友美の家を訪ねた時にその女に見られ、
苦し紛れに友美が谷本のことを水道屋だと紹介していたのを思い出した。
しかし自分の前科や友美の家を頻繁に訪れていることを知ってるとなると
油断は出来ない。
この女、何が目的だ?
「そんな警戒しなくてもいいわよ…私、あなたの友達になりたいの」
性的魅力は殆どない女にそう言われても嬉しくない。
しかし杉田夫人が持ち掛けて来た話は強く谷本の興味を惹いた。
隣人でありながら杉田夫人は友美を憎んでいること。
自分より20歳近く若いくせに裕福な夫に恵まれ、広い家に住み、
自分たちを見下し、敬遠していることを懇々と語り、
友美を地獄の底に突き落としてやりたいのと訴えたのだ。
(逆恨みじゃねぇか)と谷本は思ったが、谷本自身も隣家に杉田夫人の
ような女がいるのは好都合だった。
何でも言いなりの牝奴隷に仕込んではいるが、思い余った友美が警察に
駆け込む可能性は拭い切れない。
その点、このオバサンは見張り役にうってつけだ。
しかも谷本は杉田夫人と話すにつれて彼女が自分と同類のサディスト
なのを見抜いていた。
「ヒヒヒ…分かったよ、奥さん…次に友美の家を訪ねる時は奥さんに
声を掛けるから楽しみにしてなよ」
「うふふ、さすがは谷本さん…話せば分かってくれると思ったわ。
是非、友達を連れてお邪魔させてもらうわね」
そうして今日と言う日を迎えたのだった。
谷本は友美に視線を戻した。
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