前触れもなく谷本がシャルールにやって来た。
腰巾着の阿部を連れている。
「ククク、ハワイは良かったぜ。総勢6人の大名旅行よ」
この10日の間、金山と阿部、それに馴染みのソープ嬢数人を
連れてハワイに行っていたらしい。
どす黒く日焼けしている。
全て夫のボーナスだ。
たった10日ほどで夫が働いて得たお金をそんなことに
使い果たしてしまったのかと思うと夫に申し訳ない。
「また無一文になっちまってよ…旦那の給料日まで持たねぇわ。
ほれ、この店の給料はまだかよ?」
シャルールでの友美の給料を当てにしているのだ。
「お、お願いです…お客様がいるんです。今日は帰ってください!」
その時間、店内には女性客が数名いた。
浮浪者のような風体の谷本と阿部の姿に眉を顰めている。
「こっち見てんじゃねぇよ…何か文句あるなら聞いてやるぜ」
阿部の恫喝は彼女たちを竦み上がらせる。
「ご挨拶だな…お前の大好きなチンポを嵌めてやろうとわざわざ
来てやったのによぉ…」
谷本が友美に纏わり付きブラウスの上から乳房を揉む。
「おや? お前ノーブラだな…ククク胸に縄まで掛けてるじゃねぇか。
命じた訳でもねぇのに、お前もなかなか分かって来たようだな」
「う、うぅ…やめて…お客様の前でだけは許して…」
お客は怯えて遠巻きにしているので会話の内容までは聞き取れない。
たちの悪いお客に因縁を付けられているように見えるだろう。
続けて谷本がスカートを捲り上げた。パンストは着用していないが
ショーツは穿いている。
「おう、これじゃ速攻でぶち込めねぇじゃねぇか…お前、いつから
パンツ穿けるご身分になったんだ?」
谷本は本気で今すぐ友美を犯すつもりなのだ。
「お、お願い…今は許して…お店が終わったら何でもします…
お、お金も前借りして何とかしますから…」
絶望的な気持ちで友美は谷本に哀願した。
「ちょっとあなたたち、何をしているの!」
友美の窮地を救ったのは理江だった。
取引先から戻った理江は友美が絡まれているのを見て友美と谷本の
間に割って入った。
「うちの大事な店員に乱暴したら許しませんよ!」
友美を100%信頼している理江はいきさつを聞くまでもない。
女性客の怯えた表情も悪いのはこの2人組だと物語っている。
「へへへあんたがこの店の店長かい?いい女だねぇ…
俺と付き合わねぇか?いい思いさせてやるよ」
阿部が理江に近づきお尻を触る。
理江は素早い動きでその手を掴み、ねじり上げた。
「痛ぇ、痛ててて…」思いもよらない反撃に膝を突いた阿部は
そのまま床に投げ出される。
「あなたたちのように最低な男はお客とは思いません。
さあ、他のお客様の迷惑になりますので出て行きなさい!」
毅然とした態度に谷本も阿部もたじろいでいる。
「チッ、覚えてろよ!」
2人は捨て台詞を吐いてほうほうの体で退散して行った。
「すごいわね、店長さん…あんな乱暴な男を手玉に取るなんて
胸がスカッとしたわ」
顔馴染みのお客が褒めそやす。
「私もドキドキでしたわ…高校の頃合気道をやっていたのが
こんなところで役に立つなんて思いもしませんでした。
それより皆さんには不愉快な思いをさせて申し訳ございません
でした。これに懲りず、またシャルールをお引き立てください」
「嫌な思いをさせてごめんなさいね、友美ちゃん…
このお店にあんな下品なお客が来るなんて初めてだわ。
でもあれだけ痛めつけてやったからもう来ることはないでしょう」
帰りがけに理江が友美に謝ってくれた。
しかし友美は理江に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
友美のせいで谷本と阿部がやって来たのだ。この先も今日の
ような出来事は充分に起こりうる。
私がいることでシャルールの評判が落ちてしまったら、
理江には償いようもない。
暗い気持ちで家路につく友美を谷本と阿部が待ち伏せていた。
「ククク、あれがお前の店の経営者か…いい女じゃねぇか。
今風に言うとツンデレって言うのか?
ウジウジしたお前と違って俺の好みだぜ」
谷本は友美を通りがかりの公園のトイレに連れ込む。
「谷本さん勘弁してくださいよ…あの女に捻り上げられて
肩の骨が外れるかと思いましたよ。ちくしょう…あんな恥を
掻かされて絶対仕返ししてやる!」
軟弱な阿部も理江に対する憎しみが込み上げているようだ。
「うぅ…り、理江さんは悪くないんです…私が素直にご主人様の
言うことを聞かなかったから…」
谷本が何を考えているのか分からない。
ただ友美には谷本の恐ろしさが身に染みていた。
谷本のご機嫌を直しておかなければこの先、どんな嫌がらせを
されるか分からない。
連れ込まれた男子トイレで友美は谷本に言われる前に
進んで服を脱いで裸になった。
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