エレベーターが最上階につき、廊下に出た。
なぜかふと数時間前に送り出した朝の妻の顔が脳裏に浮かんだ。
けれどすぐに、自分が今からしようとしている事への罪悪感から、頭を振って掻き消した。
フロアにたった4部屋しかないスイートルーム。
その一番右端が指定された部屋のようだった。
廊下を進むと、扉の前につくよりも先に、何か異様な雰囲気を感じていた。
到着したことは、エレベーターに乗る前にメールで伝えていた。
俺は返信にあったとおり、できるだけ静かに扉をノックした。
扉が開いた瞬間に、むわっとした湿度の高い空気が俺の体を包んだ。
それは熱気を帯びた、野生の動物の棲み家を連想させるような、生々しい匂いのする空気だった。
扉を開けた男は、腰に巻きつけたバスタオル1枚の姿で俺を見て、ニヤリと笑って俺を迎え入れた。
中に一歩入っただけで、顔が汗ばむのを感じた。
大勢の男がいた。
ソファーセットに座る3人は、俺を招き入れた男と同じようにバスタオル1枚か、バスローブだけを身に着け、笑いながら缶ビールを飲んでいた。
豪奢なカーテンの出窓に腰かけている男は、入ってきた俺を睨むような視線で見ていた。
そして、ベッドの周りにはそれよりも多い男達が群がっていた。
パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、という肉が肉にぶつかる音がするたびに、何かに塞がれているような鈍い嬌声が部屋に響いていた。
グッ・・・ウァッ・・・アァッ・・・アッ・・・グゥゥッ・・・・
何人かの男が笑い、何人かの男が女を罵っていた。
円を描くように女に群がる男達の背中。
その中で3人の男が腰を振っていた。
男の背中から伸びる、女の白い足が見えなければ、どちらが頭なのかすらわからなかっただろう。
男の肉壁の間から伸びた女の足が、ピストンされるたびに揺れていた。
そしてそんな異様な肉の塊が蠢くベッドの周りを、ビデオカメラやデジカメを持った3人の男が、ぐるぐると周りながら撮影していた。
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