9月15日
4回目の診察日は、3回目のそれから半月以上も空いて予定された。
それは山崎が今までの女にしたのと同じ、メスの資質を確かめ精神を凌辱するための期間だった。
「体調はどうですか?」
「・・・大丈夫です」
「薬は服用していますか?」
「はい、今日の分も朝食の後には」
今までと変わらない問診に答えながら、涼子の心は後悔で満たされていた。
(来るべきじゃなかった・・・あんな事があったのに・・・)
3回目の受診日に行われた、快楽での凌辱と呼べる山崎の愛撫。
それは涼子が家った後も体と心に余韻を感じるほど、巨大で強い絶頂だった。
そしてその余韻は夜になっても消えず、とうとう帰ってきた旦那を迎えた時まで下腹部にしっかりと残っていた。
たった数時間前に自分を襲った出来事。
いつもと変わらない旦那の笑顔。
その笑顔の前に立つ自分の体に残る快楽の余韻。
それら全てが涼子の心を凌辱し、後悔と絶望感を与え続けた。
もしかしたら、その夜に求めた涼子を旦那が受け入れていたら、結果は違っていたかもしれない。
事実を懺悔したかどうかはわからないが、少なくとも余韻に支配されたまま放置されていなければ・・・体に残る快楽の余韻の1割だけでも旦那が塗り替えていたら・・・
そこからの2週間は地獄のような時間だった。
確かに後悔しているのに、体は快楽の経験を覚えていた。
否定したいのに思い出してしまう快楽。
旦那への背徳感で押し潰されそうなのに、思い出しただけで反応して濡れ始める自分の体。
体の反応は受診日が近づくにつれ強くなった。
濡れている事に気づくたびに泣きそうなほど絶望した。
けれど真面目な性格の涼子は薬の服用をやめなかった。
そして精力減衰剤を飲み続ける旦那が、涼子を求める日もなかった。
そして受診日の朝、旦那を見送った涼子は家を出た。
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