「あ。そんな・・。」
はしたない行為により溢れ出した蜜でグッショリと濡れた下着を人前に晒される、それは、しのぶに限らず全ての女性にとって恥辱的な行為に他ならない。
「こんなに濡らしてたんだね。」
「・・・。」
広げたショーツをテーブルの上に置くと、清水は感想を口にする。
一方、昂ぶり、そして火照り続けるしのぶの躯は生殺し状態となり、心身を苛む暗い悦びを持て余し始めていた。
(・・イキたい・・。)
既にまともな思考をすることすら億劫になったしのぶが痛切に望むこと、それは絶頂を迎えることにより精神状態をリセットし、正常な思考能力を取り戻すことだった。
(・・一度、イケば・・)
だが最大の問題点が残っていた。
それは今の生殺し状態を終わらせることを望む一方で、この状態を少しでも長く継続したいと望んでいる、もう一人のしのぶ自身である。
正直、今の状況を拒絶することは可能であろうし、清水とて今回の出来事を周囲に広めることもないであろうことは分かっていた。
その証拠に清水はしのぶの身体に指一本触れようともせず、言葉だけでしのぶの羞恥心を刺激するのみに留めている。
そうなのだ。
これは所詮、プレイに過ぎないのだ。
少なくとも今の段階では。
だが拮抗する想いを持て余したままのしのぶに清水の次なる指示が飛んだ。
「有馬さん、スマホを出してカメラを連写モードにしてごらん。」
「・・はい。」
「フラッシュもね。」
「・・・出来ました。」
「そのスマホで有馬さんのスカートの下、恥ずかしい部分を撮影してごらん。連写モードで、だよ。」
はしたない状態を晒している筈の下腹部を撮影する。
今ひとつ理解出来ないまま、しのぶはスカートの下にスマホを握り締めた手を潜らせるが、画面が見えない状態ではシャッターボタンをタップ出来ない。
「タイマーをセットしてみたら?」
なるほど。
しのぶのモタつき加減を見兼ねた清水のアドバイスに従い設定を済ませると、しのぶは再びスマホをスカートの下に潜り込ませる。
バシャバシャバシャバシャバシャバシャ・・・
撮影が終わり、スカートの下から取り出したスマホの画像データを再生したしのぶは、偶然にもピントのあったいくつかの画像データを目にする。
そこには充血して明らかに潤いを帯びた女性器がアップで映っていた。
(・・これが・・あたしの・・あそこ・・。)
自分では見たことのない角度から撮影されたしのぶ自身の下腹部。
しかもその画像を撮影したのはしのぶ自身なのだ。
「どう?自撮りした有馬さんのアソコ。」
「・・どうって・・変態みたい・・です。」
「次は脚を少し開いて空いている方の手で広げた状態で撮ってごらんよ。」
バシャバシャバシャバシャバシャバシャ・・・
再び画像データを再生すると今度は左右に押し広げられた女性器、その内側には薄桃色の粘膜と充血して厚く膨らんだクリトリス、そして細かな肉の襞の中心には膣の入り口が映っている。
しかも、それら全てが濡れて光沢を帯びていた。
(・・こんな・・あたしの・・あそこ・・。)
そのグロテスクな有り様は、まるで或る種の生物のように思わず目を背けたくなる程であったが、しのぶ自身の身体の一部なのは間違いない。
(・・だから・・あたしは・・この生物に・・。)
しのぶは自分の中に潜む貪欲に快楽を求める衝動の原因が分かったような錯覚に陥っていた。
(・・これに・・操られている?)
勿論、目にしている画像が単に自撮りした自分自身の女性器に過ぎないことは理解している。
だが清水に言葉責めを受けただけで、そして羞恥心を刺激されただけでここまで乱れてしまったこと自体が腑に落ちない。
事実はしのぶ自身の被虐嗜好と露出行為により昂ぶってしまう性癖に依るものに過ぎないのだが、しのぶはその事実を受け止めきれずにいた。
(・・だったら・・しょうがない・・よね。)
しのぶは覚悟を決めた。
「・・清水さん・・。」
「ん?どうした?」
「・・次・・は・・何を?」
「うーん。あ、この下着とストッキングって高いヤツ?」
「いえ。安物・・ですけど。」
「そっか。」
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