(・・痛い・・。初めての時みたい・・。)
出血こそしないものの、破瓜の時以来の痛みとともに性具は侵入を続け、遂にはしのぶの最深部に達した。
いつの間にか額に珠のような汗を浮かべ、しのぶが一息ついていると、老婦人が差し出してくるものがあった。
「ほら。女の嗜み。」
それは五センチ程の幅の生地で作られたT字帯のようなショーツであった。
意図を測りかねているしのぶに老婦人は諭すように説明を続ける。
「そんな格好で外を出歩いている時に、仮に気をヤっちまったらどうするつもりだい?」
つまり人混みの中で果ててしまい、充分に潤い解ぐされた秘部から性具が滑落してしまうことを防止する為の措置らしい。
「ま、そういうシチュエーションを好む御仁もいらっしゃるから好みに任せるよ。」
勿論、しのぶは迷うことなく脚を通して予防措置を施すが、装着したT字帯の股間を覆う部分が挿入済みの性具を常に限界まで押し込もうとする感覚に違和感は否めない。
装着を終えスカートを直し終わったしのぶが老婦人に顔を向けると、老婦人が手にしたリモコンの説明を始める。
「ここで強弱を調整、ここでモードを設定・・」
強弱は五段階に調節が可能。
モードは振動、グラインド、ランダムの三種類に加えてタイマー設定も可能。
内蔵バッテリーにより最大で三時間の稼働が可能。
これらの組み合わせにより多様な使い方が楽しめる推奨品だとのこと。
「しかも水洗いも出来るからね。楽しんだ後はキレイに洗ってしまっておけるよ。」
そう言いながらリモコンを手渡されたしのぶは、深く考えもせずリモコンのスイッチをONにする。
すかさず下腹部の芯に埋め込まれた異物が脈動を始め、しのぶに奇妙な感覚をもたらし始めた。
(・・あ、この・・感じ・・。)
挿入した直後には冷たく感じたが、程良く体温で温まった性具には、既にさほどの違和感は感じない。
しかし前後にピストン運動をするのではなく、未だ経験したことの無い体内に挿入されたものが震える感覚。
徐々に広がりつつある快感が全身を支配し始めると、しのぶの脚が震え始める。
(ちょ、ちょっと・・待って・・。)
一度、停止させようと、しのぶはリモコンの強弱を調整するツマミに触れたが手元が狂い、最弱を示す1から中程度を示す3になってしまう。
途端に体内の性具が暴れ始めた。
「は!はぅうっ!」
最初は強過ぎてしのぶには痛みとしか感じられなかった感覚が、あっという間に快感に変わり躰の芯を苛み始める。
自分の脚で立っていることすら出来ず、壁に背を預けてしまうが、それでも耐えることが出来ない。
「あっ!あっ!あぁっ!あぅ!」
顔を仰け反らせながら獣のような声を上げ、身を捩じるしのぶ。
「こ、壊・・れ!」
思わず発した言葉は端的に状況を表しており、しのぶ自身、精神と肉体が崩壊するかと思った瞬間、体内の脈動が突如、停止した。
「大丈夫かい?」
しのぶが握っていたはずのリモコンを手にした老婦人が問いかける。
何が起こったか分からないまま、虚ろな眼で老婦人を見つめるしのぶは、それでも無意識のうちにスカートを汚すまいとしたのであろう、辛うじて座り込んではいなかった。
「乱れ過ぎだよ。それに・・」
老婦人は淡々と続ける。
「潮でも吹かれちゃ掃除が大変さね。」
冗談とも本気ともつかない口調で語りかけながら、ウェットティッシュの小箱をしのぶに差し出す。
「まずは外して拭きなさい。そのままじゃ座れもしないんだろう?」
全てを見透かしているような老婦人の言葉に従い、しのぶはスカートの中に手を潜らせるとT字帯を少しずつズラす。
同時に挿入されたままの性具に手を添え、恐る恐る下方に向かい抜き始めるが、溢れた蜜により膣から生じる音が気になって仕方がない。
ぬぷちょっ
間の抜けた音と共に性具が抜ける。
(・・聞こえた・・?)
老婦人は、と見れば、含み笑いを漏らしながらしのぶの様子を見守っている。
恥辱に身の縮む思いをしながらウェットティッシュを手にすると、膝まで垂れた蜜を拭き取り始めたしのぶに向かい、老婦人は折り畳まれたバスタオルを差し出した。
「これを腰に巻いて。スカートの裏側も拭いた方がいいんじゃないかい?」
「・・すみません・・。」
消え入りそうな声で礼を言い、スカートのホックを緩め、広げたバスタオルを腰に巻き付けるとスカートを脱ぐ。
スカートを裏返し点検すると、思っていた程ではないが、やはり粘りのある液体が何ヶ所か付着していた。
しのぶはウェットティッシュで叩くように汚れを落とそうとするが、思うように汚れは落ちない。
「ほら。」
見兼ねた老婦人が固く絞った濡れタオルを渡してくれる。
「・・ありがとうございます・・。」
奮闘の結果、ある程度の汚れを拭い去ることは出来たが、水分を含んだスカート自体はしっとりと湿ってしまう。
「その辺りに干しておけば、一時間もしないで乾くんじゃないのかい?」
そう言いながらハンガーを手渡されれば無碍にも出来ず、しのぶはバスタオル一枚で下半身を隠した状態で、誘われるままに、ソファに座りお茶を御馳走になる羽目になっていた。
「差し出がましいようだけど・・」
老婦人から仔細を問われれば、答えない訳にはいかず、しのぶは今日この場に至るまでの顛末を語り始める。
(・・今日一日で・・二回も同じ話を・・。)
だが、流石に二度目ということもあり、要領良く簡潔に語るしのぶの話に、老婦人は興味深そうに聴き入っている。
中学生の時の出来事をキッカケに露出行為を嗜むようになり、先日、清水の前で失態を演じたことに端を発した今日の顛末。
展望台、中学生・・。
一通り話し終え、冷めたお茶に口をつけるしのぶに向かい、老婦人は愉快そうに笑い終わると急に真顔で諭し始める。
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