教室での休み時間、読んでいた本から視線を上げると男子生徒が携帯を覗き込んで雑談していた。
3人ともが、若くて下品な笑顔をしているのが見えた。
おそらく、あの掲示板を見ているのだろう。
それは無修正が売りの投稿掲示板。
それだけならどこにでもありそうだが、あの男子達が、、、いや、おそらく校内の大勢の男子が熱狂している理由がある。
4ヶ月前から同じ学校の制服を着た女子の画像がアップされはじめたのだ。
それはスカートを捲り上げた下着をつけていない下半身であったり、大きく開脚し自分の指で秘部を開いていたりする。
その背景までもが同じ学校であると確信させる。
そしてその場所や備品を探し当てると、そこには下着が落ちていたりするのだ。
彼らを見ていると、少し背筋がゾクゾクとした。
その下品な笑顔やいやらしい目を見ると、体の芯にチロチロと火が灯るのを感じた。
私はゆっくりと机の下の足を、彼らに向かって少しずつ広げていく。
ブーーーッブーーーッブーーーッ
突然、ポケットの中で携帯が振動した。
私は携帯の画面を見て、思わずニヤリと笑う。
それはフリーメールの着信通知だった。
そして送信者のアドレスが、目の前で騒いでいるクラスメートの1人のニックネームになっているのを確認する。
文面はシンプルに、学校名を確かめるだけのものだった。
「そうですよ」
男子が3人とも大声を出した。
掲示板のメアドからの返信、それが「質問権の獲得」を意味する事は、掲示板を知る全員が知っている。
質問を、その答えを言い合う掲示板までできるほどだ。
返信を受け取れば質問できる。
個人が簡単に特定されるような質問には答えないが、この女子は今までに何度かこうやってメールの交換を楽しんでいた。
この4ヶ月で男子達が得た情報は、曖昧なものばかりだがそれでもいろいろあった。
学年は1年ではない。
委員会に所属している。
運動系の部下には所属していない。
通学は電車。
同じような質問やあからさまな個人特定になる質問を無視していると、そのうち下品な単語が増えていった。
淫乱だと自覚してるか、変態って思うか、、、それはそれで面白かったが、今日のメールは久々の個人探しだったので返信した。
すでに欲情していたからだろう。
掲示板に書き込んでいる「見つけられたら犯して良い」の言葉を思い出しながら携帯を操作した。
「今はどこにいるの?」
適度に楽しかったからだろうか。
思わぬタイミングだったからだろうか。
私は自分が考えるよりもずっと大きく興奮していたのだ。
だから、深く考えるよりも先に返信してしまった。
「教室だよ」
3人の男子生徒が同時に、別々に教室を見回した。
その顔はどれも驚き、興奮していた。
私はなんとか表情を変えずに耐えた。
笑顔のまま、机の下の足を開いたまま。
小説を読む私の姿は、彼らの「獲物候補」からは早々に外れたらしい。
けれど1人は、さすがに不自然な私の足の開き方を気にしていた。
キョロキョロと教室の中の女子生徒を確認しながら、何度も視線を私の足の間に向けていた。
このままスカートを捲ってしまおうか。そんな気分になるほど露骨な視線。
「今日、委員会はある?」
「今日は委員会に行きますよ」
男子達の歓声を聞きながら、放課後が少し待ち遠しくなった。
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