<溺れていく母(1)>
僕の母を、蹂躙し尽くした友人の孝一は、あの日空が白み始めた時に起き出し、
自分の横で朽ち果てたように眠る母に、再び覆い被さったのです。
一晩中、男の若い飛沫を浴びせ続けられていた母は、心を持たぬ人形のように、
ただ男の動きに身を任せ、その日最後の獣液を、体内深くに注ぎ込まれてしまいました。
そして男は、母のバッグから家の鍵を取りあげると、そっとベッドから離れていきました。
僕が起きて、階下に降りていった時、母の姿はどこにもありませんでした。
玄関の鍵はかかったままなので、外に出た様子はないのですが、ベランダにも、
浴室にも、トイレにさえも、母の姿はありませんでした。いつもの母なら、必ず僕の前に起き出していて、
朝食の準備をしてくれているはずなのです。 僕は胸騒ぎを覚えました。
しかし騒ぐ前に、もう一つ探す場所を思い出しました。 それは、母の寝室です。
昨日の夜、母はかなり疲れた様子でした。 ひょっとすると、まだ寝ているのかも知れません。
僕よりも朝寝坊などとは、あの母からは考えられないことでしたが、
もしまだベッドで寝ているのなら、一応の不安は解消されます。
僕はそぉーっとドアを開けました。 居た・・・・、よかった・・・・・。
母は頭だけを残して、毛布にくるまっていました。 僕は母のベッドに近づくと、
顔が出るまで毛布を引き下げました。 母は、規則正しい寝息を立てて、眠りこけていました。
僕は揺り起こそうかとしたのですが、その時母の眠るベッドから、母以外の何かの匂いを感じ取りました。
しかしそれが、何の匂いなのか思い出せないまま、母をそのままにして、寝室を後にしました。
後から考えてみると、あの時感じた匂いは、僕と彼女がホテルのベッドで、
激しく愛し合った後の匂いと、同じものだったのです。 そして母を包む毛布をもう少し下までずらせていたら、
母が受けた凌辱の後が、確認出来ていたのです。あの時、母がくるまっていた毛布の下は、
子宮内に大量に注ぎ込まれた獣液を、恥裂からじくじく滴らせる、全裸の母だったのです。
僕が出かけてから、ようやく目を覚ました母は、のろのろと回りを見渡し、何
かを思いだそうとしているかのようでした。 そして自分が何も身に着けていないことを発見すると、
慌てて毛布で体を隠し、はっと気が付いたように、あの男の姿を探しました。
部屋の何処を見ても、人影がないのが分かると、あれは夢だったのかとふと思いました。
しかし、自分の股間を濡らす、白い液体を見て、紛れもない事実であったことを、思い知らされたのです。
得も言われぬ悲しみが、こみ上げてくる母でしたが、昨夜の内にすでに涙は涸れ果てたかのようでした。
母は、体を引きずるようにして、浴室へと向かいました。
暖かいシャワーの飛沫で、汚された体を清めようと思いました。
しかし汚された心までは、洗い流すことが出来なかったのです。
ようやく落ち着きを取り戻すと、母は台所のテーブルの上に、僕の置き手紙を発見しました。
『母さん、お早う!!
あまりにもぐっすり眠っていたので、起こさないで置きました。
疲れているような寝顔だったけど、あまり無理をしないよう。
体に気を付けて。 』
あの子の手紙だわ・・・・。 疲れているような寝顔・・・・??
ということは、ベッドの私の姿を、見られてしまったのかしら・・・・??
父親以外の男との、激しいセックスの果てに、ベッドで眠りこける、
全裸の母親の姿を・・・・・・
まさか・・・・、男の欲望の固まりが、流れ出すところまでも・・・・??
母は、打ちのめされてしまいました。
もしあの子に、あんな姿を見られていたのなら・・・・。
私は、取り返しのつかないことをしてしまった・・・・。
夫がありながら・・・、母親でありながら・・・、あの子の友人と・・・・。
なんという、浅ましい母親なのか・・・・・・
もう、起きあがる気力すら、失われたかのようでした。
僕が母の待つ家に帰ってきた時、母はうっすらと化粧をしていました。
それはいつもの母ではなく、妖しげな魅力を秘めた、女のように見えました。
しかしその顔の下に、僕は疲れ果てた母の姿を見たのです。
「母さん、本当に大丈夫?? 今朝もだいぶ疲れていたみたいだね。
あまりによく寝ていたから、起こしそびれちゃったよ。
あっ、それと・・・・・ 」
僕は何かを母に尋ねようと思ったのですが、その時は、朝母のベッドから沸き立っていた、
妖しげな匂いのことを、思い出せませんでした。
俯き加減で、なぜか僕の顔を、まともに見ようとしない母に、何か悪いことでもあったのではないか、
ふとそんな予感が横切りました。 この時僕が真相を掴むところまで、
母に迫ることが出来ていれば、まだ引き返すチャンスがあったかもしれないのです。
しかし何かに病んだような母を見て、もう少しそっとしておこうと思ってしまいました。
僕にしてみれば、精一杯母を気遣ったつもりだったのです。
しかし間もなく、僕の悪い予感は現実となり、引き返すことが出来なくなる所まで
母は遠くに連れ去られてしまったのです。
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