「社長、入ります」
石橋が入ってくる。
「…失礼します」
その後ろをモジモジした態度で高梨美恵が入ってきた。
「石橋くん、他の社員は退社した?」
「はい」
「いいね」
高梨はどうしていいか分からず立っている。
「高梨くん、座って」
「…は、はい」
応接のソファにかけさせる。
俺も対面に座った。
正面から高梨を見る。落ち着かない態度で目を合わせない。
…やっぱブサイク。期待通りだ。
「細かい話は石橋から聞いてるね」
「…はい」
「まずは君を知りたいので、僕の質問に答えるように」
「じゃさっそくだけど、彼氏はいるのかな?」
「えっ?か、彼氏ですか?」
「そう、彼氏はいるの?」
怯えた態度で高梨は石橋のほうを振り向く。
「…」
黙って(鋭い眼光で)頷く石橋
「…い、います」
「うん。どのくらい付き合ってるのかな?」
「…もう2年くらいです」
「へぇ、長いねぇ。大学のときに知り合ったのかな?」
「そうです…す、すいません、これ、何ですか?」
「高梨さんっ」
石橋の鋭い叱責
「きゃっ…は、はい」
高梨がびくっとする。石橋の良さはこれだ。女子社員を逆らわせない怖さがある。
「彼氏とセックスはどのくらいの頻度でしてるの?」
「えっ!?…せ、っくすって…」
「セックスだよ。もちろんやってるだろ、彼氏と」
「…っか、帰りますっ」
立ち上がろうとする高梨
ひゅっ
素早い動きで石橋が高梨の近くに移動する…と同時に立ち上がろうとしていた高梨がソファに腰を落とした。
「高梨さん、社長の質問に答えなさい」
「ひっ…」
突然のできごとに声を失う高梨
「…してます」
「やってるのは当然だろう。僕は頻度を聞いているんだ。質問をよく聞いて適切に答えなきゃだめだよ」
「三回…くらい…」
「ん?よく聞こえないな、もっとはっきりいいなさい」
高梨の顔は羞恥で真っ赤になっている。
ふふふ、いいね。
「週に三回くらいです」
「よし。高梨くん、ちゃんと答えられるじゃないか。じゃ高梨くんの性感帯はどこだい?」
「…」
「触られたりしたら一番感じるとこだよ」
「…」
ブサイクな顔を真っ赤にして涙ぐむ高梨
…いい展開だ。
「答えられないのか。じゃ、石橋くん」
「はい」
つづく
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