1話 出会い
俺が陽菜と出会ったのは4月のことだった。新入社員として就職した会社は社員が500人規模の中小企業であり、同期も15人。俺がなぜその会社を選んだかというと、単純に就活が上手くいかず大学の先輩から紹介を受けなんとか内定を貰ったという経緯だ。
一応何を主力にしている会社なのかくらいは調べたし、肌に合わない会社ならすぐに辞めてやろう、そんな気持ちで入社式を迎えた。
俺は内定式後に就職が決まった為、懇談会などで同期の顔や年齢を知る機会もなく入社式に臨んだ。一応社会人なんだしと少し早めに会社に行くと既に何人かの新入社員は来ていた。
会議室のような場所に集まったが、初めましてな同期ともなんとなく大学のノリで打ち解けていった。そんな風に少しだけ緊張がほぐれた頃、一人の女性が会議室に入ってきた。
身長は150㎝前後、目鼻立ちが良く目が合うと笑顔で挨拶してくれた。
女性:「おはようございます。入社式の場所はここでいいですか?」
俺:「はい、えっと私も新入社員で荷物は隣の部屋に置いてって総務の人が仰ってました。こっち」
荷物を置きに行き部屋に戻ってくると、女性はホワイトボードに書かれていた自分の席に座った。俺も自分の席を確認すると、女性の名前を確認した。相原というのが苗字だった。
まもなくして、新入社員は全員揃い入社式は始まった。役員からの言葉などを聞き少しすると入社式が終わり、今後の研修についての話が始まった。研修期間は3ヶ月、その間会社側で組んだグループごとに支店を周るとのことだった。
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